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アルバトロスだからって不当な評価を得ている映画3選

アルバトロス、それは季節外れの徒花。アルバトロス、それは腐りかけの果実。アルバトロス、それはこの不完全な世界の不完全さそのもの…

宇宙は真空?

嗚呼、アルバトロス…

アルバトロス株式会社といえば、クソ映画の話になると何かと話題に上がる配給会社。あの『シャークネード』の配給会社として有名です。
そして、しょうもないアクションやパニック等のクソ映画を配給しまくることでも有名な配給会社です。映画を観るという人ならその名前を聞いたことがある方は決して少なくないでしょう。
『アメリ』等の名作を配給している実績だってしっかりとあるものの、「なんかろくでもないとこ」という印象は確かに否定できません。
タイトルやDVDのパッケージも、大体はB級テンプレ丸出しか何かしらのヒット作のパロディ的なものやしょうもないもんばかり。例えば、『ファイアーボール』のパッケージとか大好きです。予告編の「木曜洋画劇場の予告の中でも面白くない方」感も最高で。

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なんなんだこれ

しかし!!!!私は声を大にして言いたい。「アルバトロスだから」で、何でもクソの一言で済むと思ったら大間違い。大間違いなんです。

もちろん、とかくこの世は生きづらいものです。「アルバトロスはクソだ」という風潮があるのなら、乗っかってしまえば確かに楽なのです。同調さえすれば楽しいのです。その気持ちはわかります。分かりすぎるほどに分かります。
しかし!!!!その風潮のために本来の鑑賞を失っているのではないか?アルバトロスはクソだ、とたかをくくって観る前から評価を決めてしまっているのではないか?そんな罪悪感と戦ったこと、あなたもあるのでは?あなた本当は、大きな声でアルバトロス作品を褒めたいんじゃないですか?
この記事はそんなあなたと共にあります。ここでは『シャークネード』等既に市民権を得ている映画とは別に、褒められて然るべきアルバトロス作品を3つ、ササッとあげてみようと思います。

1.えびボクサー

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タイトルとDVDパッケージとアルバトロス配給という事実からふざけたみっともないおバカ映画を想像して観たら、そんなでもなくて面食らったという人が多い印象。
でかいシャコがいたから、そのパンチで人気ボクサーにして一発当てようや。というふざけた話で、そもそもエビじゃなくてシャコなとこからおかしい映画なのですが、一方で割と真っ当にハートフルな主人公たちの成長物語なのです。
「アルバトロスから真っ当な成長物語が出るわけがない。」そんな偏見が目を曇らせてしまうわけです。真っ当で、そんなによくできてるわけじゃないこの成長物語が、妙なギャグや空気感に加えて、えびボクサーという邦題とパッケージによってくさやのような深い味わいを醸し出しているのです。アルバトロスだっていいことをするんです。

2.八仙飯店之人肉饅頭

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ここでさほど不当な評価を得ているわけでもない作品を上げて恐縮ではあるんですが、とは言ってもやはりその低い知名度に明らかに見合っていない凄まじい作品なのです。グロイので注意!R18!
口に出すだけでおぞましいことしまくるので安易に観ることはおすすめしません。そしてこのスプラッタが中途半端なコメディと両立してものすごく奇妙な雰囲気を生み出している恐ろしき怪作なのです。この顔やばいよ!!!
実際にあった殺人事件を元にしたこの映画。凄惨なスプラッタと警察のマヌケ感、しかし話が佳境に入るにつれ…この一個人を超えた尋常じゃない暴力性に言葉を失います。如何なスプラッタホラーと一応のジャンル分けがされてるとはいえ、様々な要素から影響を受けたこんな怪作が生まれてしまう。90年代返還前の香港の異常な空気を垣間見ることができます。

3.プロジェクト・グリズリー

私がこの記事を書いた理由は9割この映画のためと言っていい超大好きな作品なのですが、以上に知られていないし異常に評価が低い!!!Amazonで中古14円ってなんだよ!!!

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クエンティン・タランティーノもFantastic!!って言ってたみたいですよ!?まあ「タランティーノが褒めてる」より怪しい一文もそうそうないんですけど…まあ14円なのでなんなら買ってみてください。
ある日、熊と遭遇し、しかし見逃してもらえたので、熊と闘り合うために7年と15万ドルをかけて対熊専用スーツを作る(字幕では150万と書いてあったけど多分誤訳です)男のドキュメンタリー映画です。
めちゃくちゃにくだらなくてバカで愚かな話で、3tトラックで突っ込んでバットでリンチして散弾銃持ち出す耐久テストとか、救いようのないオチとか爆笑なんですけど、全然笑えなかったとか、中だるみとか、くだらな過ぎてひどいとか、こんなオチで映画撮る意味ない。とかいう感想も多々ある。なぜ…アルバトロスだから…?

自分はどうにも、このファストフード店でふざけたことをくっちゃべるおっさん達が「金にもならない爪弾きにされるくだらない夢」を追う姿に人生の根源を考えさせられました。
こんなアホなのに、それでもアホなだけじゃない現実を観せられて、でもやっぱりとてつもなくアホなオチには、爆笑しながらわけのわかんない涙がちょっと出ました。こんな経験できる映画は中々ないでしょう。
ド名作なので是非、アルバトロスという偏見なしで観てみてください。


ということで、アルバトロスだからって不当な評価を得ている映画3選でした。TSUTAYAの宅配レンタルなんかで観れるので是非是非観てください。ありがとうございました。

(コードー)

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