かめきちchインタビュー
ゆっくりボイスとその拡張性
――ゆっくりボイス[1]を使うことによってクリエイターとして可能性は感じていますか?
ゆっくりボイスを使うことによって、キャラクター―自分自身じゃない別のキャラクター―を演じることができると思います。一人に限らず何人ものゆっくりボイスの声質を変えることによって、キャラクターを作り出せるという可能性を感じています。
――ということは様々なキャラクターを演出することによって、ゆっくり実況のようなゆっくりボイスを使ったコンテンツならではの面白さっていうものが、作れていると考えているのですね。
そうですね。一人でも様々なキャラクターがわいわい実況している雰囲気を作り出すことができると。
――2つ目としては、ゆっくりボイスといったら大半の人が東方キャラを使っているのに対して、リノミンさんは「かめきち」というオリジナルのキャラを使っていますね。最初からそのように考えていましたか?
考えていました。私が 初めてYouTube でみたゲーム実況投稿者が、「たこらいす[2]」さんやニュータウン建設物語の「ふかふか[3]」さんという2人だったんですが、彼らは基本的に東方キャラを使ってないんですよね。ふかふかさんの場合は最初にちょびっと使っているんですけど物語の中では使わないので、それが私の中で基本になっていました
――やっぱり最初のたこらいすさんとかふかふかさんの影響が大きいと。
そうですね。かなり大きいと思います
――今逆にトモコレ[4]の方で東方[5]キャラというのを出していますね。それはオリジナルキャラから広げていったら面白いのではという考えですか?
YouTubeの中のコンテンツにはやっぱりゆっくり実況ってすごく多いし、ゆっくり実況の中でも霊夢とか東方のキャラクターを使っている人も沢山います。ユーチューバーを舞台にした島だったらメンバーがいてもいいんじゃないかなと思ったため、入れました。
動画の中で視聴者と仮想的に交流できるのは、合成音声ならではと言える。
ユーチューバーが抱える問題
――という事は、ユーチューバーとして東方のコンテンツはある意味息づいていると考えるのですね。では次に、今回アンダーテールの一件[6]にもあったように、YouTube投稿者が問題視されることがあります。リノミンさんが感じるYouTube自体や、投稿者が持っているだろう問題点はありますか?
投稿する敷居が凄く低い分、マナーの悪い投稿者や過激すぎる内容を投稿する投稿者が少なからずいます。その内容が大きくニュースに取り上げられてしまうことによって、YouTube のイメージが下がってきていることが深刻な問題だと思います。
――話題を集めるために過激なことをしてしまう人もいる中、リノミンさんの子どもや今の小学生世代の子ども達がユーチューバーをやってみたいと言ったときにはどのように思いますか?ぜひやらせてみようと思うのか、過激な方に走っちゃうんじゃないかという心配と、どちらの方の気持ちを優先されますか?
本当に年齢が低い小学生とかは、過激な方に魅力を感じるとは思っていません。逆に彼らは純粋に面白い・楽しいと思うものをあげるので、そこまで注意する必要はないかと思います。内容よりもプライバシーの問題。例えば小学校の名札を付けたまま動画を撮ってしまったり、わかりやすい場所で動画を撮ってしまう。それによって自分の個人情報が晒されたりする危険があると思うから、そういう部分は心配だなと思います。なので過激な動画を撮る心配ってのは、あんまり低年齢に関してはないんじゃないかなと思ってます。逆にお金に目がくらんだ大人のほうが怖いなって思います。
――小学生の方がやっぱりそういう面白いものに飛びつく層が多くて、大人になればユーチューバーって儲かるんだっていうふうに飛びつくって差があるんでしょうね。
注目を集めたい。どうやったら注目を集められるかっていうのを、大人になると頭も良くなるから、じゃあ過激な動画を撮ってとりあえず注目を集めてやろうと。高校生ぐらいから多分そこに行き着く人も結構いるんじゃないかなと思います。逆に小学生とか、自分が楽しければいいじゃん!と思って投稿する人のほうが多いんじゃないかな?って。
――確かに子供が投稿している動画も見かけますけど、やっぱりワイワイ遊んでるっていう感じの子ども達が多いですね。
注目を集めるっていうより、自分が投稿して楽しいものを投稿しているっていう感じだから、プライバシーにさえ気を付ければ全然良いとおもいます。
今後のYouTubeへの期待
ーー YouTube に対して、今後に期待する事とかはありますか?
今度新しい機能として考えているとYouTube もいってたんですが、グッズを販売したりクリエイターのホームページとなるような機能を備えてほしいなと思っています。 YouTube のページを見れば、その人の作品が見れるし作品にまつわるグッズが買えるし、スーパーチャット[7]やスポンサーなどのも応援をする手立てもできる総合的なサイトになっていったらいいんじゃないかなと思ってます。
グッズ販売機能の告知(YouTubeブログより)
Teespringと提携することによって、クリエーターは20以上のアイテムをカスタマイズして発売することができる(現在日本未対応)
――YouTube にSNS 的な相互性っていうのと、動画を投稿するっていう提供側の面白さっていうのがやっぱり融合した場所になったら嬉しいなといういう感じですね。
そうですね。
子どもいるという特別な環境におけるYouTube投稿
――では次に、リノミンさんは今までの動画投稿とか制作を3年間されていますね。投稿生活をする中で一番苦労されたこととか、一番嬉しかったことっていうのはありますか?
一番の苦労はやはり伸び悩んで、視聴回数が伸びなかったり、登録者が増えない時に精神的につらく感じてしまう。あとは周りを、ああ羨ましいなって思ってしまったりと、気持ちの浮き沈みがあることですね。どうしても伸び悩みの時期の気持ちの整理というか、伸び悩む時のモチベーションを上げるネガティブになったり周りの人を嫉妬したりと、気持ちが辛くなる事で今でも苦労しています。
――では、一番嬉しかったことっていうのはありますか?
嬉しかったのは一番最初に動画投稿した時に「面白い!」とコメントをもらった時、すごく嬉しかったですね。
――やはり YouTube っていうのは直接というか、コメントを通じて見てる人の直接の反応があるというものが、YouTube投稿の面白さであると感じているのですね。
そうですね。あと全く関わりのない人が探して見つけてくれて、面白いってコメントをくれるとモチベーションが上がるし嬉しいですね。
――自分が今まで知ってた世界よりも広い人たちに見てもらえるし、知らない人かこれ面白いっていってくれば嬉しいですよね。現在、子育てとYouTubeの活動を両立をされていますが、その中で他の人より大変だなっていう感じていること等はありますか?
そうですね。やはり、自分の時間がとても少ないので動画の編集ができる時間が少ないところです。それをうまくやりくりするために私の場合は、子供を午前中に必ず外にすぐ連れていって思いっきり体を使って遊ばせて、午後は必ず長く昼寝してもらえるように工夫をしてなんとかやりくりをしていますね。
――様々なそういう裏努力があるんですね
まあ多分子育てしてだけをしている人達よりは、精神的にはかなり楽だと思います。子育てだけをしている人っていうのはゴールがないからずーっと子育てなんですけど、私の場合は動画編集って趣味があるから、趣味をやるために今ここに子供がすごくぐずっていて嫌に感じる時も頑張れる。家事が辛い時も、あともう少し頑張れば好きな動画編集ができるから、ゲームが出来るからっていう趣味があるからこそ頑張れてるってところもあるので、いいところもあります。
――そのように子育てのモチベーションをプラスに持っていくという意味でも、YouTube 投稿っていうのは役に立ってると感じているところですかっていうことですね .
とてもそう思っています。
好きなことでは生きていけないYouTube!?
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