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渡邊真由さんと私。

年末です。2017年ももう終わりですね。

久しぶりにこんな真面目に文章を書くかもしれません。

いや、お前普段大学で提出してるレポート類真面目ちゃうんかよっていう言葉は今は皆さんの心の中に留めといてください。

さて、皆さん、22歳の若造の思い出話にお付き合いください。

まゆち、もし読んでるならまゆちは最後の謝辞のまゆちの部分だけ読んでくれれば十分です。

(BGMとかこれ入れれたらもっと味出るんやろけどなぁ…)

長くなるし途中で読むのやめてもらっても構いませんし、渡邊真由さん本人が読んでくれている保証もありません。

ただこの前東京に出張で来てた親父と会って別れ際言われた「お前、2月から地元逃げ帰って来るのは勝手やけどその代わりしっかり男としてけじめだけつけて来いよ。」って言われこれも一種のけじめとして、懺悔として、文章に残しておこうと思い書きます。

2015年9月27日。

私は7時前に起きて、シャワーを浴び着替えを済まし8時前の電車に最寄り駅から乗り込みました。

目的地はさいたまスーパーアリーナ。

世界最高峰の総合格闘技団体「UFC」の日本大会の観戦だ。UFCといえば野球で例えるとメジャーリーグ、バスケで例えるとNBA。

その興行が1、2年おきに日本で開催されていた。格闘技の稽古に勤しんでいる者としては行かないという選択肢はなかった。

アメリカの時差に合わせるため前座にあたる試合は午前8時半頃から始まる。

幸いにも私の最寄りからスーパーアリーナまでは電車で1本、15分程度で着ける。

無事到着してアリーナの近くのコンビニで一緒に観戦予定だったお二方と落ち合う。

大親友のきゃんはる、そしてマッギー師匠だ。2人とも大の格闘技ファンである。

会場へ入り席につく。

実は小中学校の10年弱アメリカで過ごした私にも母国で今格闘技がとんでもない盛り上がりを見せている。桜庭が、ノゲイラが、ミルコが、ヒョードルが、KIDが、魔娑斗が、と散々話は届いていた。

幼いころから格闘技にかなりの興味はあった。

ついに生で観る機会を得られた。テンションはもちろん最高だ。

大会そのものもジョシュ・バーネットの日本凱旋、日本のエース堀口恭司選手の勝利、中村K太郎選手の逆転一本勝ち等相当な盛り上がりを見せた。

大会が終わったのは午後1時過ぎであった。

約5時間アリーナに缶詰。正直疲れたw

三人でアリーナに隣接するショッピングセンターで食事をとろうとなりフードコートへ向かい食事をしながら大会の余韻に浸ったり互いの近況など色々と話をしていた。

食べ終わったもののまだ午後2時頃。

せっかく3人集まったのだこれでお開きは何となくもったいない…

これが僕の心中であった。

そこでマッギー師匠が「おい錦糸町でpaletのリリイベがあるらしいぞ。」と私の中で歴史を動かす発言をする。

調べると「palet」というアイドルグループの6thシングルのリリースイベントの最終回が夕方、錦糸町であるという。

定期さえ使えば錦糸町は往復300円程で行ける。

ありだなって思った自分もいたがそれ以上に戸惑う自分もいた。

通称「陽炎」という人物がいるのだがそいつも私の大親友である。(この時はたまたま不在)

陽炎はアイドルに詳しい。

そして私もセコンド的な役割でよくライブなどイベントに帯同することは多かった。

私も必然的にアイドルへの知識は増える。

一つ陽炎を含め色んな人から聞かされていたこと、「プラチナムは(あかん意味で)ヤバい」。

実際私もこの前年陽炎についていったTokyo Idol Festival 2014でのプラチナムの看板アイドルPASSPO☆のファンの治安の悪さを目の当たりにしてかなり引いていた。

「palet」は実質PASSPO☆の妹分にあたる。

しかしマッギー師匠はわざわざ愛知から、きゃんはるも神奈川の奥地から今日のために来てくださったのだ。

決めた、行く。

私の意思は固まったがきゃんはるが渋っている。

でもきゃんはるは昔から押せばなんとかなる奴だw

マッギー師匠の押しに負ける形で3人で錦糸町へ向かった。

錦糸町に到着しタワレコへ入店。

リリイベ最終日ということもあって観客数はそれなりに多かった。

paletはほぼ初見で曲も1曲も分からない。

周りに合わせるように手拍子ができたくらいだ。

そしてライブ終了後突然マッギー師匠が私ときゃんはるにニューシングルを渡してきた。

「はい?」

これ1枚買えば全員と握手できる券がもらえるという。

「いや、俺、メンバー1人も知らないんすけど…」という私に対して、

「いいんだそれで。とりあえず初めて来ましたって言っとけ。」と師匠。

1枚シングルを買い握手券を店員からもらう。

そのままきゃんはるにあげようと思った。

「きゃんはるこれあげるわ。せっかくやし行ってき。」

「嫌やわ!俺も1枚あるし!2回も行きたないわ!(笑)」

とあっさり断られてしまった。

私は半分嫌々待機列に並び順番を待った。

回ってきた。

いや、初見のアイドルだ。何を話せばいい。

よっぽど初対面のキャバ嬢とか風俗嬢とのほうが会話が弾むだろ。

(まあ健全な大学生な私はそのような場所に行ったことないが←)

一人目に握手させられたメンバーは確か紫色の衣装のメンバーであった。

「paletのライブ初めて見ました。」

「そうなの!?でもアイドルとか好きそうに見えなーーーい!」

テンションたけぇなおい。が率直な印象で特にそれ以外は何もなかった。

続くメンバー、衣装が赤っぽくもあるしピンクっぽくもある。

「(担当カラーは赤か?ピンク?いやどっちでもいいか)palet初めて来たんすよ俺。」

と言うとそのメンバーはずっと目も合わさず私の右腕付近を見てる。

「(おいおいどこ見てるねん。おもんな。)また機会あれば来ますね。」そう言って剥がれようとした瞬間、

がっと向こうが両手で私の右腕をつかみ、

「スゴイ筋肉してるね!!」と言ってニコッと笑ってくれた。

普段は格闘技に勤しみ日頃から体を鍛えてる私にはよく言われる慣れた言葉であった。

「ありがとう。」

特に気にもせず次のメンバーに向かった。

全メンバーと握手し終え私より先にし終えていた師匠ときゃんはると合流した。

「どうだったんだよ?」と師匠に聞かれ、

「まあ特に。あ、でもあの一番右から2番目の赤っぽい衣装着た人誰すか?腕思いっきりつかまれたんすけどw」

「あーあれか。あれはまゆちってメンバーだよ。」

(書くのが遅くなったがマッギー師匠もアイドル界隈には詳しい方である)

「ふーん。そうなんすね。」

その場はそれだけで終わった。

…いや終わったと思っていた。しかしすでに布石は打たれてカウントダウンは始まっていた。

3人と別れ帰宅しテレビをボーっと見てるとふとカバンに入っている今日買ったCDのことを思い出した。

CDをカバンから出し見てみる。ジャケ写にはメンバーが写っている。

誰が誰だかわかんねぇやww師匠に改めて聞いてみるか。

そう思い師匠にメッセージを飛ばしてみた。

「僕が今日マッギーさんに誰だか聞いたメンバーなんて人でしたっけ?」

そんな感じだった気がする。

そして彼女の本名は渡邊真由で、ニックネームがまゆち。赤担当。「サンミニッツ」(以下、サンミニ)というグループと兼任。EDM好き。など色んなことを教えてくださった。

「ワタナベマユ?AKBかよwwwまあいいせっかくやしTwitterでもフォローしとくかな。」

そう思い彼女のTwitterをフォローした。

そこからしばらくは特に何もこれといったことはありませんでした。

ちょくちょく陽炎についてわ→すたというアイドルグループの現場を訪れたくらいで。

そして大きなターニングポイントとなる11月21日を迎える。

渡邊真由さん(以下、まゆち)のツイートでpaletカフェ(以下、パレカフェ)というイベントがあると知る。

休日でもあったので行ってみることにした。

イベントのレギュレーションは至ってシンプルで、

特典券を1枚1000円。

1枚につき1分間好きなメンバーとフリートーク。

3枚で1分間のフリートーク及びツーショット撮影。

確かにシンプルではある。

でも時間よ。1分て。長いわ。

アイドルとの接触なんてせいぜい数秒ちゃうの?

48系列だと2、3秒とか言うやん。

そう思いながら特典券売り場に着いた。

財布を開ける。まあせっかくやし5枚くらい買ったろか。

「ご希望のメンバーは?」

「渡邊、5で。」

券を買い会場となる本社の地下に入る。

そして希望のメンバーのレーンに並んだ。

順番が回ってきてスタッフに券を5枚渡した。

「3分、それとツーショットで。」

大学の教室で使われているような机を挟んでまゆちが座っている。

私も椅子に座る。

2か月前に初めて数秒しゃべっただけだ。もちろんあっちは私のことを知らない。

会話の内容も正直この時はあまり覚えていない。

トークと2ショット撮影を終え帰りの電車で写真を見ながら素直に思ったこと。

「俺、アホやな。」ここらへんではまだ理性があったらしい。

そして12月になった。

そこで手にした情報はpaletとサンミニは合同で定期公演を行っているという。

場所は秋葉カルチャーズ劇場。

ここは陽炎のセコンドで何度も行ったことのある箱だ。

さらにまゆちは両グループ兼任であるため公演を通してステージにいるため飽きないだろう。むしろ個人的にはサンミニのほうが好きだった。

そう思い12月11日定期公演に出向いた。

行ったことはある方は分かると思うがカルチャーズ劇場はベンチ席みたいなのが何列かあり、その後ろに立ち見席がある。

身長が162㎝しかない私は「オールスタンディング」、「立ち見」などの言葉が大嫌いである。

唯一許せる立ち見は阪神×巨人戦の時の東京ドームのレフト立ち見席だけだ。

陽炎とわ→すたの公演を見るときは専ら立ち見であったがこの日は着席して公演を見ることにした。

5列目くらいの通路側。

どっちのグループが先にパフォーマンスでどっちが後だったかは忘れた。

ただサンミニのパフォーマンス中はまゆちより青担当の喜多陽子にしか目が行かなかった。

違う、別に私が好きになったわけじゃない。

序盤で登場した大親友きゃんはるがめちゃくちゃ好きそうな顔なのだ。

「おいおいおいおい。絶対きゃんはる好きやんあの青。」

それが記憶のほとんどを占めてしまっているw

paletのパフォーマンスはド新規で一人で来たというのにメンバーの武田紗季と中野佑美が突然ステージ上で卒業を発表し場内がお通夜ムードになってしまい軽くトラウマになった記憶がほとんどを占めてしまっているw

公演も終わり特典会だ。

この日も私は特典券5枚を持っていた。

レギュレーションは1枚で握手。2枚で2ショットかサイン。

そのような感じだった気がする。自信はないが。

小学生時代はアイスホッケー、そして柔道、さらに近年アメフトと格闘技を経験した私は最近ドランカーが始まったのか記憶の欠落が激しい。

そんなことはどうでもいい。(いや、よくないか)

確か握手会、サイン会、2ショット会全部行った。

サイン会では名前を聞かれる。なぜかこの会話はよく覚えている。

「名前は?」

「山犬」

「やまいぬ?どんな漢字?」

「普通に山に犬」

「ヤマケンじゃん!ww」

「ちゃう。やまいぬ、訓読みw」

「いいじゃんヤマケンで!私だけ特別にヤマケンで!」

さてどこから突っ込もう。

まずファンの話や要望を聞けw

んで特別って私のことを「やまいぬ」でなく「ヤマケン」と呼ぶ人は他にもう1人いる。

地元の仲の良い友人なのだがヤマケンはそいつの特許みたいなものと私は勝手に決めていた。

だから別に特別ちゃうし、そいつの特権やからやまいぬと呼べw

そう思ったものの押し切られる形で結局ヤマケンに。

俺が圧に押され負けるとか。しかも2個下のアイドルに。

この圧に押し切られるのはこの後まゆちとは定番になるw

そして一通りの特典会を終え私は帰宅した。

その約2週間後の12月23日。

私はまた本社の地下にいた。またパレカフェに来ていた。理性を失いつついた。

「渡邊、5で。」

つい2週間前に会ったばかりなので私のことを覚えていてくれた。

「あーヤマケン!」

ここでも3分及び2ショットの予定ではいたが3分てかなり長いのだ。

タイマーでメンバーがタイムキープするのだがタイマーが鳴ってもすぐ止めてくれるため

実質粘れば5分くらいしゃべれる。

5分だ。私は元柔道部ではあるが高校生の1試合。MMAで言うと1ラウンド。

とにかくありきたりな話ではとてもではないがもたない。

そこでパレカフェのたびにお互いの兄弟の話とか、日頃の話とか、地元の話とか色んな話をした。アイドル相手に大学、学部、地元、所属ジム、兄弟構成等話すとは思いもしなかったw

その日も色んな話をして終わり帰宅中に私の心は完全に赤く染まり傾いてしまったと自覚した。

傾いた?どういうこと?って皆さん思うであろう。

ここまであえて隠していたが明かそう。

ここまでの話の流れ的にアイドルは親友の付き添いみたいなところはあったが私は実は1人だけ熱烈に自ら推してるアイドルがいた。

元Party Rockets、現SUPER☆GiRLS(以下、スパガ)の渡邉幸愛(こうめ)さんだ。

幸愛ちゃんの話をするとややこしくなるので、さらっと説明すると

まゆちを推す大分前から幸愛ちゃんは推していて向こうも私のことは認知してくれていて自分で言うのもなんだがかなり良くしてもらっていた、「推され」ていた。私がね。

自分も、幸愛ちゃんも、周りの人も「山犬は硬派で一途なはぴらぶヲタ(幸愛ちゃんのファンの総称)。」というイメージが根付いていた。

Loyaltyという言葉に人一倍敏感な私だ。

ここにきて幸愛ちゃんに恩を仇で返す形で裏切るのか?

先述した陽炎だが元々は48系列のヲタクだ。

それが私が幸愛ちゃんに熱中するのを見て自分がスパガと同じ事務所のわ→すたを推せば山犬とイベントに行きやすくなるだろうとわざわざ48とけりをつけこっちに来てくれた。

陽炎も裏切ることになる。

悶々とした日々が続いた。

まゆちも私が幸愛ちゃんを推してることは知らないし、vice versa幸愛ちゃんも私が突然まゆちを推してることは知らない。

2人とも推せばええやん。多くの人はそう思うだろう。

私だって思う。だが、根が真面目な←私はチャンピオンは常に一人したかった。

ここから長い長い「ワタナベ戦争」が始まる。

そんな感じで翌年2016年2月13日を迎える。

この間にも色々あったのだがあまりにも長くなるので割愛で。

この日もパレカフェだった。

いつもの「渡邊、5で。」この日は陽炎もいた気がする。

あれ、いなかったか?やっぱりドランカー始まってんな。

まあいい。とにかくこの日で私は決心をする。チャンピオンは渡邊真由だと。

そして大学で経営学を専攻し、格闘技業界に身を置く者としてあるねじ曲がり過ぎた

感情が芽生えた。

「売れなきゃ」

自分をマーケティングしなきゃ、成り上がらなきゃ。

ただでさえプラチナムのヲタクは無駄に競技志向型だ。ほんと無駄に。

そのために何をすればいいか。経営学の基本中の基本の差別化戦略に私は注目した。

他のヲタクと同じことをしていたら埋もれてしまう。

何をすればいい。手っ取り早いのは見た目だ。

その日の晩、私は髪を桜木花道の如く赤く染め上げた。

そして同時期に格闘技界を揺るがしていたある人物がいた。

コナー・マグレガー。

派手な服装、とんでもないビッグマウス、皆がリスペクトし畏怖するファイターへの無礼な態度や煽りなどで観客やメディアの心を掴み破竹の勢いで知名度を高めている格闘家がいた。

「俺もマグレガーを真似よう。」

そこで私はイベントに行くたびに陽炎やきゃんはるやマッギー師匠など知り合い以外にはとことんやった。

全員を睨め付け、肩で風を切るように歩き、あえてデカい声でこんな奴らいつでも捻り潰したるわ的な発言もしょっちゅうした。

おかげで私は勝手な解釈だが3段飛ばしくらいでランキングを駆け上がった。

なんのランキングやねん。

さて髪を赤く染め上げた翌日2016年2月14日。

私はどうしてもきゃんはるを喜多陽子に会わせたかった。

その願いが叶った日でもある。

吉祥寺のタワレコでサンミニのミニアルバムのリリイベがある。

そこにきゃんはるを呼んだ。

私の髪を見るやいなや「どないしたんそれ。」

じきに分かる。とにかく見せたいものがある。

タワレコのイベントスペースに着き待機する。

メンバーが登場した。

2列目くらいのかなり近めの場所で私たち3人は見ていた。

近かったこともありまゆちと目が合う。

「こいつマジかよ」的な驚いた顔をされた。

そりゃそうだ。昨日会った奴の髪色が突然真っ赤になったのだからw          

でも今日の主役はきゃんはるだ。

きゃんはるに聞いた、「どのメンバーええと思う?」

「いや、あの青の人。顔がタイプ過ぎる。」

作戦通り。

なんやかんやで私は人一倍ビビりだ。

そしてpaletやサンミニの現場ではいつ襲撃されてもおかしくない状況ではあった。

わざと肩ぶつけられることも、荷物を蹴られることも日常茶飯事だった。

(格闘技してなかったら確実に4、5人は病院送りにしてたと思う。てかこの俺相手にそんなことできるプラチナム奴隷豚ども、根性だけはありやがる。)

そんな状況だったので万が一の武力行使のためにもう1人頼りになる人物が欲しかった。

きゃんはるは実は冒頭のUFCの日本大会観戦後触発されてなんと格闘技ジムに通っていたのだ。

背中を預けれる人物がいれば少々の人数相手でもなんとかなる。

そう思い一か八かできゃんはるを引き込みたかった。(今思えば厨弐病過ぎるが)

見事に成功した。

渡邊真由推しの山犬、喜多陽子推しのきゃんはる、小磯陽香推しの陽炎という布陣が完成した。

そこから私の幸愛ちゃんとまゆちそれぞれの前ではいかにも単推し感を出しながらスパガやpalet/サンミニの現場に通った。

2人にバレバレなのにも気付かず。

まあ今から考えれば当たり前なのだ。

幸愛ちゃんは律儀にファンからのリプやコメントを全部読むような人だ。

私は幸愛ちゃんによくまゆちとの2ショットのアイコンなのにも関わらずリプなどをしていた。

まゆちに至ってはTwitterをフォローされていたため丸わかりだ。

現場に行っても何も言わずいつも通りの優しさで接してくれる幸愛ちゃん、現場に行ったら「Twitterいつも見てるよ!」と顔の筋肉だけで作った笑顔を向けて牽制してくるまゆちの間に板挟みになる日々が続いた。

そして転機が訪れる。

幸愛ちゃんがついにしびれを切らしたのだ。

幸愛ちゃん含む全メンバーは月額制のメールブログ的なものをやっており、そこで私はもう解約してしまったため今もやっているのかはわからないが幸愛ちゃんは当時「はぴらぶ検定」というものを開催していた。

幸愛ちゃんがクイズを出しそれに累計5回正解すれば名指しで返信をもらえるというものだ。クイズの内容は昼飯何食べたとか今からどこへ行くかなど正直知るか!というような問題ばかりだったがw

タイミングが良いのか悪いのか私はここで5回目の正解を果たしてしまう。

返ってきたコメントは今となっては笑えるが当時の私には強烈過ぎた。

公開処刑な上に今までの全てをまるで分っているかのような書き方だった。

そしてそれとほぼ同時期に送られてきた幸愛ちゃんのメールブログがかなり病んでいて人間不信にでも陥ったかのような内容だった。

これは完全に自意識過剰なのかもしれないが「これ俺のせいもしかして?」(ちげーよ)

そう思い再び心が幸愛ちゃんに傾きだした。

しかしチャンピオンも中々しぶとい。

2016年6月12日。

マウントレーニアホールで行われたpaletのワンマンライブ。

完全に自分のせいなのだがワタナベ戦争で精神的に疲弊していた私はこの日はライブは見るが特典会は行かないでおこうと決めていた。

陽炎の接触でも眺めておこうと。いつものセコンド的なノリだ。

特典会会場でボーっとファンと写真を撮ったり握手をするメンバーを眺めていた。

ふとまゆちと目が合った。

ヒョードルが試合前相手を見るような目だった。

まるで自分じゃなく自分の後ろの何かまで透視してるかのような目。

柔道してる頃対峙した相手、アメフトしてる頃マッチアップしたレシーバー、柔術やグラップリングで面と向かい合った相手、数多いるが目を合わせただけで氷水でもぶっかけられたような感覚を覚えたのは初めてだった。

今すぐ再戦が必要だ。そう思った。

なら2人のタイトルマッチにふさわしい舞台を。

翌月の7月2日のアイドル横丁夏祭り、ちょうどいい。

サンミニとスパガ、握手会の時間もかぶっている。神の導き。

この日はきゃんはるが1年間のアメリカ留学前3人で行ける最後の現場、卒業発表をしていた喜多陽子ときゃんはるが会える最後の現場、サンミニからの兼任解除を発表しpalet専任が決定していたサンミニとしてのまゆちを見れる最後の現場。

3人とも大いに盛り上がった。

お前どうしたってくらい井草のソロで跳びまくるきゃんはる、喜多のソロできゃんはるリフトしてやったっけな。

そして向かえた握手会。どっちから行こう。

悩んでいたらスパガのレーンが枯れかけで優先的に人を通しているという。

なら先に幸愛ちゃん行くかとスパガのテントに足を進めた。

手持ち無沙汰になっている幸愛ちゃんがいた。

当時彼女は舞台に出演していてその役作りのために髪をばっさりショートにしていた。

ショート可愛いな。そう思っていると幸愛ちゃんがテントの入り口の私に気付いた。

口をあんぐり開いて驚かれたあと「え?山犬なんで(笑)」と言われた。

確かに久しぶりではあるけど、もう俺って2度と来ないとでも思われてたのかな?

そう思うと悔しくて悔しくてたまらなかった。

「ごめん、俺…ごめん」うつむき加減でそれしか言えなかった。

「大丈夫だよ!これからはちゃんと推してね!」

顔を上げるとそこにはいつもの優しい笑顔で小指を立ててる幸愛ちゃんがいた。

指切りを交わし、そのあとも少し会話をしサンミニのテントへ向かった。

第1ラウンドは完全に幸愛ちゃんだった。10-9。

サンミニのテントに着くと異様な長い列に並ぶきゃんはるを見つけた。

「長くね?」

「いやこれ陽子だけのレーンやねん人ヤバ過ぎて。大地そっちから行けんで。」

「そういうことか。先行かせてもらうわ。」

そう言い私はまゆちのもとへ向かった。

今思えばきゃんはるは何を呼び捨てして彼氏面しとんねんって話だが。

まゆちとは、他の人よりステージ数倍やねんから無理すんなよー暑いし水分摂れよー的な会話をした。ずいぶん淡泊。

いつもと違う雰囲気にまゆちも気付いたのか剥がれてテントを出ようとした瞬間腕を引っ張られ引き戻された。

「明日来てね!」(まゆちはサンミニとしてのラストライブがこの翌日あったのだ)

本人なりに精いっぱい作った笑顔に見えた。

その裏には何か寂しさや悲しさがあるように見えた。

「行けたら行くよ」

私も精いっぱい作った笑顔でそう返した。

関西人の行けたら行くは行かないであるが。

テントを出た後はきゃんはるの最後の喜多との接触を見届けることにした。

内心「畜生あんな顔すんなよ。白黒つけれへんやん。」と思いながら。

第2ラウンド終了19-19。

きゃんはるは喜多と楽しそうに2ショットを撮っていた。

フォトボムでもしてやろうかと思ったがやめてあげといたw

「はるきまたね!出会えてよかった!」甲高い声が俺の耳まで届く。

ええなーあいつ純粋に楽しんでいて。てかはるきってwwwどこまで彼氏面やねんww

陽炎と合流し3人また揃ったところで陽炎が組んでくれたタイテ通りに回った。

偶然にもその数十分後にParty Rockets GTのステージがあった。

幸愛ちゃんが以前所属していたグループだ。

何気なしに見ていた。

するとメンバーが円陣を組みドラムのシンバルから始まる最高なのか最悪なのかわからないタイミングであの曲が来てしまった。

セツナソラ。

夕焼け空に照らされた会場の赤レンガ倉庫に響き渡る私の大好きな曲。

これが決定打となった。

第3ラウンド終了、29-28、勝者青コーナー渡邉幸愛。

セツナソラを聞いて心のわだかまりがとれた気がした。

問題はいつ横にいる2人に打ち明けよう。

きゃんはるはもう留学行ってまうし喜多ともお互い笑顔で終われている。

でも陽炎なんだ。せっかくわ→すたとけりをつけ今度は青ぺインターとしてまた俺と現場を合わせてくれていた。

楽しい時間はあっという間でフェスは終了した。

そこから徒歩できゃんはるが予約してくれていたオシャレな飲み屋へ向かった。

きゃんはるにまず留学前の意気込みと今日の振り返りを言わせた。

そして回ってきた私の番。

2人には事前に今日がタイトルマッチであることは伝えていたため私は勝者を発表するだけだ。

どういう言葉で伝えたか忘れたけど向かいに座っていた陽炎は死んだような目をし、それを見て隣に座っていたきゃんはるは爆笑していたのを覚えている。

その日は全く酒が進まなかった。酒乱な私がビール3杯くらいでやめてしまった。

精神的なものかと思ったらそうじゃなかった。(あとで分かります)

実は幸愛ちゃんに戻ったのにはもう1つ理由があった。

同時期にアメリカで良くも悪くも大波乱を起こしていたとあるNBA選手の移籍が影響しているのだがその話をするとさらにややこしくなるのでカットで。

そして向かえた翌日。

うちに泊まっていた陽炎と私自身のバイト先の焼肉屋で昼食をとっていた。

飯もいまいち進まない。これも精神的なものじゃなく肉体的なものだったけど。

陽炎はこのあと確か大宮?あたりでのpaletのイベントに行くという。

私は迷っていた。渋谷ではまゆちのサンミニとしての最後のイベントがある。

でも幸愛ちゃんにチャンピオンベルトが戻った昨日の今日で何となく気まずい。

とりあえず駅に向かった。

左のホームの電車に乗ればまゆちに会いに行ける。

右のホームの電車に乗れば陽炎のセコンド。

大宮行きが先に到着した。

陽炎が電車に乗り込んでドアが閉まったが、私は残った。

車窓の向こうで驚いた表情の陽炎を見送り私は向かいのホームの電車に乗った。

渋谷に到着しいつもの如くプラチナムの地下に行った。

特典券を購入し待機していると大宮でのイベントを終えた陽炎が現れた。

そして私はまゆちのもとへ向かった。

会話のほとんどは覚えてないが最後に、

「paletになっても来てくれる?」といたずらっぽい笑顔で聞かれた。

本人もこの段階で私の心が幸愛ちゃんに戻ってしまったのは知っているだろう。

だからこそ聞いたのだろう。

「行ける時はなるべく行くよ。」

「そっかー…」

さっきまでの笑顔は消えしゅんとして下を向いてしまった。

気まずくなり剥がれようとした時また笑顔で

「ヤマケンまたね!」と言ってくれた。幸愛ちゃんもまゆちもつくづく優しい。痛いくらいに。

私も笑顔で手を振り地下を出た。

その帰り道、私はTwitterで渡邊真由をブロックした。

次の日の朝起きると意識が朦朧とし、体がだるく、喉も猛烈に痛い。

熱を測ると40度近かった。

通りで2日前酒は進まんし、昨日も飯が進まなかったわけだ。

這うように家の近くの内科に行くと溶連菌だという。

いやあれって子どもが感染するんじゃないの?

てか今真夏やで?

とか思いながら薬を処方してもらいしばらく寝込んでた。

はぴらぶヲタに戻った副作用なのかプラチナムの祟りなのか。

回復してからはスパガのイベントに2度行った気がする。

両方豊洲だった気がする。

屋外のイベントスペースの人工芝の感触が懐かしかった。

そして向かえた8月頭の一大イベント。

Tokyo Idol Festival 2016、それときゃんはるの留学への出発だ。

初日の8月5日。

この日は午後から成田空港へ行ききゃんはるの見送りをするため

TIFそのものは午前中で切り上げ空港へ向かった。

そこで「パスポート忘れて今日発たれへん事件」が起きるのだが割愛。

翌日8月6日。

私はグリーティングエリアに陽炎といた。

謎にpaletの特典券を握らされて。

いや、行きたくないし。

そんなこと陽炎が許してくれるわけもなく。

でもなんとかこの特典券を陽炎に押し付けたく作戦を頭の中で練っていた。

と同時に私は遠巻きにpaletのテントを見ていた。

まゆちがこっちを見た。

「やべ。」

そう思い陽炎の後ろに引っ込もうとした瞬間、

「あーーーー!!!!」

まゆちがこっちを指差して怒号をあげた。

大丈夫なのか運営上そういうのw

見つかってしまった以上は行くしかなくなった。

「よっ!」あえて軽いノリで行った。そして私のベルトにはこの少し前に買った幸愛ちゃんのうちわが差してあった。

「ちょっと!ねぇ!!私のことブロックしたでしょ!!なんで!?私すごい悲しかったの!なんであんなことしたの!!ねぇ!(うちわを取り上げ)てかこれなに!?誰!?私のこともう嫌いなの?なんで!」

私にしゃべるすきさえ与えてくれない。

隣の小磯はドン引きしながら「怒ってる。めっちゃ怒ってる。」と繰り返していた。

そりゃそうだ。メンバーもビビるやろ突然隣のメンバーが握手会に来たファン怒鳴り散らしだしたら。

このマシンガンになんて返したのかは覚えていない。てか多分返させてくれなかったw

そのあとスパガの特典会にも行きこの日は家に帰った。

そして私の部屋のベランダから見える花火大会を見た。

花火も終わりテレビを見ながら酒を飲んでいると陽炎が私の携帯を奪いまゆちをフォローしやがった。

すぐフォローバックされた。いらんことしぃ。

翌日8月7日。

TIFはTIFでもまたグリーティングエリアにいた。

またまたpaletの特典券握らされて。

いい加減いらんねんけどw

でもこの日は素直に行くことにした。

「ヤマケン!昨日フォローしてくれたね!ちゃんとフォロバしたよ!嬉しかったよ!」

「いやー酔っててあんま覚えてないんよな。多分あれ実際フォロー押したの陽炎やしw」

「ねぇなんでまたそういうこと言うの!」

「好き過ぎやろ俺のことww」

「好きだし!!」

「どーも」

とことん痛いヲタクだヤマケン。

この日もこのあとスパガの特典会にも行きTIF2016は幕を閉じた。

ここからも陽炎に引っ張られる形でなんやかんやpaletのイベントなどには顔を出していた。

2016年の@JAM EXPOでも「なんで私のこと捨てるようなことするの!?」とまたあのヒステリックマシンガンでハチの巣にされた。

捨ててはない。現にこうやって来てるじゃないか。

ハロウィンのイベントではハーレークインの仮装をしたまゆちにとうとう胸ぐらを掴まれていつものマシンガンを浴びせられた。

たまたま東京に遊びに来ていた地元の先輩も一緒にいたのだが先輩も引いてるわ、いつも通り隣の小磯は引いてるわで。

クリスマスイブは当時のメンバー井草里桜菜の卒業公演がありこれにも行った。

そして終演後初めて全体撮影というものに参加した。メンバーに囲まれて写真を撮るのだ。

タイミング良くこの時ちょうど幸愛ちゃんと同事務所の三品瑠香が雑誌の表紙を飾っていた。

私は悪ノリでその雑誌を2冊持ち1冊は井草に、もう1冊はまゆちに渡して「これ掲げて撮ってください!」と言った。

幸愛ちゃんとも三品とも交流のある井草は「こうめと三品かわいいーーーー!!」と甲高く叫んでいた。

まゆちを刺激しかねないから叫ぶのはやめてくれ。

まゆちはというと舌打ちした後「なんで私がこんなの持たなきゃなんねぇんだよ!」と吐き捨て違うメンバーに渡していた。

正直「えーー持ってくれよー」って思ったがまあ私にも非はあるw

私の直後に写真を撮っていた時の陽炎とまゆちがやけに仲良さげだった。

陽炎って意外とまゆち推してるよな絶対。そう思った。これ以前にもそう思わせるエピソードはたくさんあるがw

2か月後の2月にもpaletのライブに行った。やたらメンバー数が増えてた。

まゆちがいる日のヌカフェにもいった。ヌカフェの説明するとまた長くなるので皆さんご自身でお調べください。

自分の誕生日前日にもpaletのライブに行った。

まゆちが「いつだってpalet気分」というpaletの公式Youtubeチャンネルが定期的にあげる動画の中でまゆちが横浜中華街を探索するという企画があったのだが完全再現もした。

小籠包も食べた、ニラ饅頭も食べた、ハンバーガー屋にも行った、関羽かなんかが祀られてる廟も行った、カノンさんに占いまでしてもらった。

カノンさんに至っては指名したわけじゃない、まゆちが行った占いの店に行ってみてたまたま通されたのがカノンさんだった。

持ってるよね、The Chosen Oneヤマケン。

残念ながら2017年のTIFではグリーティングエリアが有料となってしまい苦学生の私は入れなかったためステージを終えて楽屋に引き上げるまゆちを見かけたくらいでこれといったことはなかった。

@JAM EXPO 2017も面白かった。この時もまた私はベルトに幸愛ちゃんのうちわを差していた。案の定取り上げられた。

そして久しぶりでもあったので「てか最近何してたの?」と聞かれた。

「ニジマスっていいよね」

「はぁ?」

このまゆちのはぁ?の言い方が昔の女にそっく…いや、この話はやめよう。無し無し。

「吉井美優ちゃん可愛いよね」

思いっきり肩パンされた。いや、それ、もう、暴力だからww

「私推しのくせに!」

あながち間違いではない。陽炎に引きずられとはいえなんやかんやこんだけ来てるのだ。

好きじゃなったらこんなにはわざわざ行かないししない。

そしてこの@JAMを最後にpaletおろかアイドルそのものから離れていた。

別に飽きたとかではなく普段の授業に加えゼミの卒業研究、練習、バイトと時間もお金もなかったからなのだが。

そして11月末にpalet、いや改名されたPALETの解散が発表された。

12月28日のライブをもって。

「え?」突然過ぎて上手く理解できなかった。

陽炎と連絡を取り12月28日の解散ライブは無理だが24日のパレカフェに行くことになった。

早朝から並び私は私の分の特典券を購入した。

そしたら陽炎が自分が買った分の特典券を全部渡してきた。

仮にもお互いpaletを主現場にしていた時期はあった。

最期くらい陽炎にもまゆちなり小磯なりと話してほしかったが。

ありがたい、申し訳ない。

さて無事特典券も手に入りイベント開始まで少し時間があるため会場のほぼ隣にあるコンビニのテラスで時間を潰そうとなった。

寒かったため私は何か暖かいものがほしかった。

おでんを食べることにした。

そこのコンビニのおでんはセルフサービスで自分で器に入れてレジに持っていくシステムだった。

私は具材が入った大きな鍋の蓋を左手に、具材を取る用のトングを右手にどれにしようかとわりとウキウキで選んでいた。

誰かが店に入ってくる。

メンバーの一ノ瀬と小磯だ。

小磯には顔は認知されていたため(恐らくまゆちにいつも怒鳴られてるヲタクとして)

「あ」っという顔をされた。

別に一ノ瀬と小磯くらい気にも留めずおでん選びを再開した。

なんせ会場のほぼ隣だ。メンバーが楽屋入り前に寄っても何らおかしくない立地なのだから。

そのあともう1人店に入ってきた。

まゆちだった。

「ほんえ?」変な声が出た。

タイミングよ。普通に何かパンやジュースを選んでいる時ならまだしも今の私の状況はというと左手におでんの鍋のデカい蓋、右手にトングだ。田舎のヤンキーみたいな出で立ちのやつがウキウキになっておでんを選んでいるのだ。

とんだところを見られた。この時の私はさぞかしまぬけ面だっただろう。

多分こんな感じ↓。イングラムごめん。

店の窓越しに陽炎が爆笑していた。

自分がおでんを選んでいる最中に推してるアイドルとばったり遭遇することは私の人生でこの先2度とないだろうし、逆にまゆちも自分のヲタクがおでんを選んでいるところにばったり遭遇することは人生で2度とないだろう。

最後まで持ってたThe Chosen Oneヤマケン。

さてイベントも始まり地下への最期の歩みを進めて階段を下りた。

最期だ。ヤマケン、悔いのないように決めてこい。

席に着くや否や「さっきコンビニいた!(笑)」と言われた。

「おでん選んでてんw突然のまゆちにとんだまぬけ面しとったやろ?」

「口半開きで固まってた(笑)おでん何買ったの?」

「牛すじと卵とつみれ」

「なんでこんにゃくと大根買わないの!!怒」

「(なんでお前は一々俺に対して当たりが強いんだ)ええやんけ別にww」

「だめ!」

「(理不尽過ぎるやろ)あ、そういえばこの前のゴチャ聞いたで」

(この1週間ほど前にまゆちはラジオに出演していて番組内の企画で口喧嘩選手権が行われ見事にてか予想通りまゆちが優勝していた。暴言吐きまくってたw)

「私たくましかったでしょ!」

「いやでも俺まゆちにいっつもあんな感じにされてるやんw」

「そうだったね、ヤマケンにはいっぱい当たっちゃたね…」

何となく恥ずかしそうにまゆちがそう言った。

この言葉で私は救われた気がした。今までのことが間違っていなかったと思えた。

私はリアルだろうと、アイドルだろうと本気で惚れ込んだ女に対しては避雷針になりたがる。

私に当たることで君が少しでも楽になるのなら、一滴でも君の涙が引いてくれるなら本望だ。

そんなどうでもいい私の恋愛観だがそれを少しでも達成できたのなら私は浮かばれる。

なんとなく空気が気まずくなったので、

「まぁそんなヒステリックなまゆちも含めて好きやったけどなー!」と言うと

「きゃー!」と嬉しそうにまゆちが叫んだ。

「しーっ!声デカいねん相変わらず!」

「でもヤマケンMだからいいじゃん」

「(勝手に決めんな、そうやけど)格闘技やってる奴なんて大体Mやわw」

そんな感じで話していると3分、実質4分ほどがあっという間に過ぎた。

「もっかい来るわ。」

そう言いしばらくしてまた列に並び直した。

さあ、今度こそほんとに最期だ。

席につくと私が着ていたパーカーにほこりか何かがついていたらしくまゆちが

「何かついてるよ」と取ってくれた。

「Wi-Fi?」くっそしょうもないギャグをかましてみた。

でもまゆちは手を叩いて爆笑してくれた。

最初に2ショットを撮りそこからは卒業してからのことや、私も2月から地元に帰ってしまうことや、サンミニ時代のことや、終いにはまたお互いの弟のことや1分しかなかったはずなのにまゆちがタイマーを止めてくれたおかげで3、4分は話せた。

「じゃあ、またどこかでな。」

「うん、ヤマケンまたね!」

いつもの笑顔で終われた。悔いはない。

「またな、まゆち。またな、山犬。」

さて長々と思い出話をしてきましたが最後に色んな方に謝辞を。

まず最初に赤ミニや赤ぺインター各位。

I’ve disrespected every one of you. I just want to say from the bottom of my heart, I’d like to take this chance to apologize to

ABSOLUTELY NOBODY!!!

The double Watanabe champ does whatever the fuck he wants!!!

ググるなる、頑張って訳すなりしろ。

お次にアプリのtwilogさん、Swarmさん。

思い出を懐古し、書き起こす上で大変役立ちました。

ありがとうございました。

ヤマケン。

友であり、俺の最大のライバル。

お前と出会って最大の敵は自分って意味がよくわかった。

自分の今まで見えてなかった面にも気付けた。

2年と数か月、世話になった。

殺しても殺しても蘇ってくるお前がもういないのはせいせいする反面

何となく寂しい。

たまには墓参りに行くよ、渋谷駅新南口で降りて。

今思えばワタナベ戦争は幸愛ちゃんvsまゆちじゃなく

俺vsお前よなw

パレカフェの時井草が一回横からちょっかい出してきた時手で振り払って

あの井草に「すいません」って言わせたお前は伝説だよw

元気でな。俺ももうそんな長くないと思うし。

すぐ逝くよ、お前のもとに。

きゃんはる。

あの時、折れて錦糸町来てくれてありがとう。

あの時、俺が渡そうとした握手券、拒んでくれてありがとう。

一緒にサンミニ行ってくれてありがとう。

アメリカから帰ってきたら有沢推すとか言ってた話はどこ行ったw

俺も頑張るから、お前も早く先が見えるようになれよw

捕まんなよw

プレイオフで会おうぜ。 #ThunderUp #GoSpursGo

マッギー師匠。

UFCのあとpalet連れていってくれてありがとうございました。

あれがなければ何も始まっていませんでした。

まゆちと出逢わせてくださってありがとうございました。

破天荒な私の勝手なワタナベ戦争を優しく見守り、時に導きとなるような言葉をくださり、色んなことを勉強させていただきました。

本当にありがとうございました。

もう1年くらい会ってないんじゃないですか?

私も、陽炎も、きゃんはるもマッギーさんと話したいことがたくさんあります。

なんやかんやで4人揃ったことないのでは。

4人揃って色んな話がしたいです。

これからも僕ら3人の師匠でいてください。

まゆち。

めんどくさいヲタクやったやろ俺。

幸愛ちゃんとまゆち行ったり来たりして、接触では陽炎と悪ふざけしたり。

変なところで彼氏面したり。

俺自身自分のこともっと硬派だと思ってたよw

それでも毎回怒鳴り散らしたり、胸ぐらつかみかかりながら最後は笑ってくれてありがとう。

「ヤマケンまたね!」っていつも最後は笑ってくれてありがとう。

もうまゆちに怒鳴られることも、いじられることも、話せることもなくなると思うと

めっちゃ寂しいし、てか実感湧きません。

まゆちがサインしてくれたマウスピースケースの内側、ずっと励みになりました。

とある試合中相手の絞め技が完璧に入って落ちる寸前まゆちの顔が浮かんだことがありました。すんでのところで意識が繋がり、なんとか絞めを解いて試合続けれました。

マンガみたいな話やけど実話。

結果は判定負けしてもたけどw

あげていけばきりがないほど楽しい思い出でいっぱいです。

負けず嫌いで、見た目で誤解されやすかったり、短気だったり、すぐ顔に出ちゃったり、EDM好きだったり、野菜とフルーツが大好きだったり、お互い同い年の武道やってる弟がいたりまゆちとは共通点が多かった。だからこんだけ推してたのかもしれません。

まゆちも卒業してもて、俺も地元帰ってしまったらもう会える可能性は低いかもしれない。

でも前あげた「山犬」って書いてある赤いスパーリンググローブ。

あれ見てたまには俺のこと思い出してくださいw

10年後も20年後も「あーそういやヤマケンってやついたなぁ」って思い出しクスッと笑ってくれる存在になれたら私は幸いです。

「私のこと忘れないでね!」と最後言われたけど忘れるわけないやろ。

ずっと覚えてるわきっとこんな強烈なアイドルw

私の大好きな格闘家でネイト・ディアスという人物がいます。

その人のモットーである「Be Real.」

ここでのRealの概念は日本語に訳しにくいのですが、

「嘘偽りのない自分であれ」「素のままであれ」的な意味です。

まゆちは常にRealでした。

大体世の中の「アイドル」は可愛い子ぶって愛想振りまく中、

ヒステリックに自分のファン怒鳴り散らして、胸ぐらつかんできたり、終いにはおもくそ肩パンしてくるアイドルがどこにいるw

舌打ちして「なんで私がこんなの持たなきゃなんねぇんだよ!」とかラジオでいくら企画とはいえ暴言吐きまくるアイドルがどこにいるw

ラストライブ行けないって伝えたら「気合でなんとかしてよ!」って理不尽に怒ってくるアイドルがどこにいるw

でも幸愛ちゃんの話になると「幸愛ちゃん」とはほとんど言わず「シルバー」とか「あの人」って呼ぶ人間臭いRealなアイドルがどこにいるw

まゆちにはこれからもそうやってRealでいてほしい。そんなまゆちが大好きやったから。

Be Real, Mayu.

最後のライブ見に行けなくてごめん。

またどこかで会えたらいいな。

そしてお疲れさまでした。

またね。ありがとう、まゆち。

陽炎。

お前にはつくづく申し訳ないことしかしてない。

よくこんな長らく暴走しがちな俺と連れ立ってくれてるなっていつも思います。

知り合った日からMAJORの茂野吾郎と佐藤寿也みたいな関係で、

俺がいつも勝手にどっか行ってもて厄介にもそれに陽炎巻き込んだ上で。

本能のままにどっかに行ってまう俺をこんなにも支えてくれてありがとう。

寿くんみたいに「じゃあなんで初めから人を誘ってまで海堂に入ったんだよ!」

っていつ言われてもおかしくないのに。

いつ干されてもおかしくないことしかしてないのに。

いつ見切られてもおかしくないことしかやってへんのにいつもそこにいてくれてありがとう。

三ジュウ士にとってのそれこそ避雷針的ポジション、絶対楽じゃないのに何一つ文句言わず担ってくれてありがとう。

毎度毎度はるばる兵庫から来てくれてありがとう。

陽炎が俺がどんな駄々こねても無理やりにでもpaletに行かせてくれたから「自然消滅」という俺が最も嫌う形が避けれた。

最後に笑顔で推しと別れることができた。ありがとう。

何も返せなくてごめんな。本当にごめんな。

寿くんみたいに「昔から何も変わってない、あのままの立ち止まらない君だから好きなんだ」って思ってくれていたら俺も救われます。

これからもよろしくな。Love ya brother.

#Brotherhood #Loyalty #Respect きゃんはるもな。

ヤマケン

2017年12月28日没

享年22歳

ヤマケンに捧ぐ。

山犬より

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