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就職活動と私。

高校時代、ひたすらCockyだった。

自らを「King」「The Chosen One」「Prodigy」「神の子」などと称した。

私の高校は一学年約320人ほどいた。

その内まともに心を開き、敬意を持って接していたのは10人前後くらいだったと思う。

その他の約310人には今思えば酷いことをしたし言ったと思う。

凡愚という言葉を一番よく使った。他にもとても書けない放送コードにひっかかりまくりなこともよく言ってたと思う。

分かりやすく例えるなら『アイシールド21』の金剛阿含のような奴だった。

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私の高校は校則はガチガチ、模試大好き、補習大好き、国公立が全て、受験は団体戦、徹底した勉強中心のスケジュールを学校側が管理、謎のスタンダード、画一、はびこる不条理、塾や独学には否定的。

といった超超超典型的な田舎の県立自称進学校だった。

私をよく知っている方なら私の経歴や性格がいかに異端でいかにこういった環境とミスマッチかはお分かりであろう。

当たりです。浮きまくりました。異端なだけでなく悪童。

同級生からは退かれ、9割方の教師からは煙たがられた。

それでも構わなかった。

元々人間関係は煩わしいと思う性分だったし、そんな中腹を割って認め合って私が常日頃から大事にしているMutual Respectをもとに付き合える人が10人もいれば十分だった。

そして迎えた大学受験。

地元ではわりと知名度もあり、うちの高校からも毎年受験者や入学希望者が非常に多い大学から4年間無銭という破格のオファーを蹴り、東京のいわゆる一流クラスの大学に一般入試で挑み完全に実力で現役で合格した。

帰国子女、高2でTOEIC965点、全国模試英語は毎度1位、文系3科目合計では常全国1ケタないしは2ケタ台、柔道部副キャプテン、こうやって挙げれば目立つ要素は多かった上に金剛阿含的な悪童キャラなのだから悪目立ちしまくっていた。

そして先述した大学受験の結果が出れば良くも悪くも田舎な地元では自分でいうのもあれだが、センセーションだった。

悪役、嫌われ役、でもなぜか夢がある。俺って絶対プロレスでヒール向いてると思う。

さてそんな話はさておきこういったことがあり私はさらに調子に乗った。

ある時地元に帰り吉野家で飯を食っていると突然塾帰りと思われる高校生3人組に声をかけられた。

「あの、山犬さんですよね?」

「そうやけど。」

「うわー!上智行ってるって本当ですか!?」
「東京ってどんなんですか!?」
「大学で何勉強してはるんですか!?」

と質問攻めにあった。

益々調子に乗った。

俺、スーパースターやん。

大学時代は好きなことしかしなかった。

一に格闘技ジムでの練習、二にアイドルヲタク、三に酒、四にバイト。

勉強はどっか行ってしまった。

ゼミに入ってからはゼミでの研究にはそれなりに熱心に取り組んだが。

上京する時親父に言われた、

一に勉強、二に部活、三にバイト。

という言葉は気づけばどっか言ってしまっていた。

でも一応とはいえ覚えているところは評価してほしい。

なんなら部活は色々あって1年で辞めた。

迎えた就職活動。

自信過剰だった私は、
「通るでしょ。だって俺だから。」
と意味不明な根拠の元、超大手企業約10社だけエントリーした。

就活生とはいえリクルートスーツなんて着もせず髪色は金髪、顎ヒゲを生やして、たまに酒気帯びでセミナーなどに参加した時もあった。

結果はもちろん全敗。
少し圧迫気味にくるクセのある面接官に当たり逆上して帰らされたりもした。

そんなことがあっても根拠のない自信が先走り何も更生せず過ごしていた。

すると突然ある日の晩親父が一人暮らしをしていたアパートに訪れた。

無条件で格闘技と酒を辞めさせられ、期末試験が終わったら実家に戻り地元を拠点に親の監視下のもと再度就職活動をするよう最後通牒を突き付けられた。

最初は渋ったがでもやはり実家はいいものだ。

毎月最低限の生活費さえ納めれば就活があるとはいえそれ以外は精神衛生上なんの問題もなく過ごせる。

酒も依存症気味だったが10日も断酒すれば飲まなくなった。

しかしなんやかんやでまた東京に戻りたい願望が強くなっていった。

まずジムだ。
あんだけお世話になったコーチ、先輩、同期のみんなに俺はまだ何も返せていない。
日に日に三大欲求を押し退けてまたみんなで取っ組み合いしたいという欲求が募っていった。

バイト先もだ。
大学時代のほとんどをとある焼肉屋でバイトをしていた。
先輩、不思議なことに同い年がいなかったが、可愛い後輩たちのおかげで肉体的には深夜帯ということもありしんどい時もあったが精神的には本当に仕事をしやすいある意味理想的な職場だった。
プライベートでも深夜組は本当に仲が良かった。
またみんなでカラオケ行ったり、野球観に行ったり、飲んだりしたい。

きゃんはる。
一人関東に残す形になってしまった。
俺とはベクトルやスタイルは違えど同じように破天荒で異端で向こう見ずなところがあり、せっかく二人で関東に乗り込んで俺だけ勝手に白旗振って敗走してぬくぬくと地元に戻るのがなんとなく後ろめたかった。性格上あいつは別になんとも思ってないと思うが。笑

そして何より俺の高校時代の言動、行動だ。
今さら吐いた唾は飲み込めない。俺にもPRIDEがある。

今思えば何かとコンプレックスを抱えていたのかもしれない。

自分で言うのもくすぐったいが私自身の大学はよく高校の教室や塾の壁に貼ってある大学の入学難易度ピラミッドみたいなポスターの限りなくピラミッドのてっぺんに近い位置にある。

序盤で地元で時の人になったこともあると述べたがそれは大学のブランドや質よりも、単に「地元の人気な大学」を蹴り「東京の大学」に「現役合格」して「上京」するという典型的な田舎では食い付きが良さそうなキーワードが並んだだけであって、私の大学そのものを知っている人は少なかった。

わりとそれなりの生活水準や教育水準を満たしている人でないと特に関西ではあまり名の通っている大学ではない。

そして残念なことに私は地元は大好きだが民度もかなり低く、かなり時代遅れなところもあり私の大学名を言っても返ってくる言葉はもっぱら、

「どこそれ?でも東京なんやな、すげー!」だった。

先述したバイト先の先輩で音楽関係の仕事をしている方がいらっしゃった。
先輩は少しバンド活動をしていたこともあり楽器、機材、スタジオ代稼ぎに普段の仕事にプラスしてバイトをしていた。
その先輩とある日話していると、

「俺の地元もめっちゃ田舎でさ、地元の人らは俺が音楽関係の仕事しに東京行ったって聞いてみんなまるで俺がプロのミュージシャンとしてメジャーデビューしたかと勘違いしてるんだよ。何回も説明してんのに。(笑)」

と言ったときに私も、

「あ、そういうことか。なんや。俺も単に東京へ行ったってだけやったんか。ちやほやされてた理由って。」

と気付きそれがきっかけで知らぬ間にコンプレックスが大きくなっていったのかもしれない。

私自身自分の大学に何かと不満を言いがちだがそれなりの誇りやPRIDEもあった。

だったら全国、そしていずれは全世界の老若男女に認知されている企業がいい。

そしてゼミも歴代の卒業生、同期全員かなりの大手に就職していた。

そういったところからも少なからずコンプレックスはあったかもしれない。

こういったこともモチベーションになった。

この他にもいくつか細かい理由はあるがそういった想いが自分を駆り立てた。

思ってたより少し時間はかかってしまったが結果的に第一志望から内定をいただけた。

最終面接、何を言ったか覚えてない。気が付いたら帰りの電車に乗っていたよ。高校時代の最後の大会での団体戦で同点で迎えた場面で畳に上がった時以来の感覚だった。

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知り合いに内定先を聞かれ教えると大体、
「お前阪神ファンじゃん」とか「サンダーファンなのに?」と笑いながら言われる。
親父にも「お前もう阪神応援せんのか?」とこの前言われた。

悪い気はしない、全く。内心クスッと笑っている。

さて、ということで、来春から東京でリベンジする機会をいただけた。

敗因は私もそこまでバカじゃないので認識している。

お金の計算をできていなかった、世間知らずだった、井の中の蛙だった。

いったん地元に帰り自分を客観的に見直す機会は有意義だった。

少しは高校時代蔑んでしまったあいつらに心を開くようになったであろうか。

今さら別に許しを請うつもりもないし、謝る気もないが。

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少しは丸くなったであろうか。

少しは親の言うことを聞くようになったであろうか。

少しは弟と妹にとってあの頃のかっこいい兄貴に戻れたであろうか。

少しは大人を信じられるようになったであろうか。

少しは何より自分自身に素直になったであろうか。

分からない。尾崎豊の曲がしみるわ。

入社までの期間で英語を最優先でブラシアップしておきたい。
TOEICも受けて現実でも見とくか。絶対もうあんな点数ノー勉じゃ取れない。笑
きゃんはる、一緒に受けて勝負しようぜ。負けたほうが飲み代おごりで。
あともし今やってることに頓挫したら俺の内定先受けてみろよ。
きゃんはるなら入れる気するけどな。

マーケティングの知識ももう少しつけておきたい。
特にスポーツ関連のマーケティング。

読みたい本も結構ある。

体も作り直しておかねば。半年前まで64キロ近くあったキレまくりな体が競技を辞めてからいったん50キロ台に落ち込んで最近また体重が戻ってきた。

端的に言えば筋肉がいったん落ちてそっから太ってきているのだ。

コーチや先輩に笑われるわ。

時間がある時は高校の部活に顔を出そうと思う。

柔道人口が年々減っていく中、楽しみな後輩が5人も入部してくれた。

久しぶりに甲子園に阪神戦観に行きたい。

単純に酒飲みたい。笑

挙げていけばいくらでも出てくる。

この数か月間を振り返り、元から好きだったDiddyのComing Homeがますます好きになった。色んな意味でComing Homeできる。

『Welcome to my homecoming
Yeah it's been a long time coming
Lot of fights, lot of scars, lot of bottles
Lot of cars, lot of ups, lot of downs
Made it back, lost my dog (I miss you BIG)
And here I stand, a better man! (A better man)
Thank you Lord (Thank you Lord)
Thank you all!』

てか来年の2月あたりからどこ住もうか。

それが最近の一番の悩みやわ。

幸せな悩みなんかもしれんけどな。

現地での部屋探しの期間はきゃんはるん家にでもお世話になろうかな。

就活中ずっとセコンドとして、ブレインとしてサポートしてくれた親父には感謝だね。
遠い背中を超えなきゃねこれから。恩返しとして、長男として。

2018.6.26

山犬

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