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ノーベル文学賞2024 | 今年の予想を発表しました。本年はハイエナ対策をします

先日9/10、今年2024年のノーベル文学賞、私の受賞者予想の動画を配信いたしました。今年の受賞者発表は10/10(木)。今年もなんとか発表日の1ヶ月前のタイミングにぎりぎり間に合ってほっとしています。

私がここ数年間、毎日とり続けているデータをもとにした分析、そこから導き出した現時点での結論、最終的に今年の予想作家を決めるまでに至った経緯と【根拠】を約1時間にわたってお話しています。

ノーベル文学賞の受賞者予想をする人はたくさんいますが、その予想の【根拠】をここまで丁寧に語った人は今までに1人もいません。

なぜか?

受賞者予想などと言いながら、その実質は他人の分析をパクっているものがほとんどだからです。

先日、私がnoteの記事で暴きましたが、彼らはネット上にある様々な他人の分析データや切り口を拝借した上で、受賞者発表日の直前になってから、いかにも自分オリジナルの分析であるかのように、「自分の予想」と称するものを発表するのです。他人の分析をパクっているだけですので、なぜその作家を予想に選んだのかという明確な【根拠】を示せるはずがないのです。

上記の動画でしている私の分析や予想は、パクった場合に速攻でバレます。

他人がマネできないレベルの分析をしているからです。600近い作家のデータを毎日とり続けていく中で、ごくたまに訪れる変動にめざとく気がつき、別角度からの様々な情報を照らし合わせることで漸く至ることのできる事実から、受賞者予想を割り出しています。

改めて、上記の動画内で発表した私の予想を、ここにまとめて記載しておきましょう

5位予想 Germany ドイツ
 
★Jenny Erpenbeck ジェニー・エルペンベック
 ・Yoko Tawada 多和田葉子
 ・Esther Kinsky エスタ・キンスキー

4位予想 United Kingdom イギリス
 
★Rachel Cusk レイチェル・カスク

3位予想 France フランス
 
★Hélène Cixous エレン・シクスー(エレーヌ・シクスー)

2位予想 United States アメリカ
 
★Joyce Carol Oates ジョイス・キャロル・オーツ
 ・Marilynne Robinson マリリン・ロビンソン

1位予想 Denmark デンマーク
 
★Naja Marie Aidt ネイヤ・マリー・アイト
 ・Solvej Balle ソルベイ・バッレ

先日noteに書いた「的中偽造」の記事で言及した浦野喬氏、鴻巣友季子氏のリサーチ力ではこれらの作家たちには絶対に辿り着くことができません

1位から順に見ていきましょう。


1位予想 Denmark デンマーク
 
★Naja Marie Aidt ネイヤ・マリー・アイト
 ・Solvej Balle ソルベイ・バッレ

→浦野喬氏、鴻巣友季子氏が参考にしている大手ブックメーカーのラドブロークスの予想リストには1度も名前が出てきていない名前です。彼らが自身の独自のリサーチでこれらの作家に辿り着くのは、不可能とは言わないまでも、非常に難しいでしょう。

まず、そもそも「なぜデンマークなのか?」という【根拠】の説明ができないはずです。私のように、毎日600名近い作家のデータを追っていないと、本年の予想におけるデンマークの重要性には絶対に気づくことができません。

ネイヤ・マリー・アイトは、過去に北欧理事会文学賞やスウェーデン・アカデミー北欧賞の2つの賞を受賞しているので、彼ら(特に鴻巣由紀子氏)がそのことを理由に自分の予想リストに加える可能性もありますが、これら2つの賞を受賞している作家は他にも、Pia Tafdrupなどがいるため、「なぜネイヤ・マリー・アイトなのか?」という必然性と【根拠】を、私のように説明することは不可能です。

ソルベイ・バッレも同様です。2022年に北欧理事会文学賞を受賞していて、且つ、なんと一昨日、全米図書賞(National Book Award for Translated Literature)の最終候補へのノミネートが発表されました。全米図書賞は2018年に多和田葉子が受賞した賞です。

そのため、「自分は以前からソルベイ・バッレに注目していたんだ」という知ったかぶりをしてきそうですが、ノーベル文学賞の最終候補は5月末の時点で確定しているため、今年9月に発表された全米図書賞の結果を理由に、本年のノーベル文学賞の予想に加えるのはさすがに無理があります。

また、ソルベイ・バッレは2020年に代表作『Om udregning af rumfang』を発表して以来、海外、特にヨーロッパでは話題の作家ですが、現時点までにXで彼女について投稿している日本人は一人しかいません。

今デンマーク語の翻訳者向けのWEB上の読書会を主催しているのですが、他の国の翻訳者さんから本について有益な情報が得られてうれしい。先日ヨーロッパ文芸フェスティバルのスピンオフ・イベントで紹介したSolvej Balleの『体積の求め方について』。翻訳者にとっては恐怖のセプトロジーΣ( ̄ロ ̄lll)カ

翻訳者 枇谷玲子氏の2023年12月14日のXでの投稿
https://twitter.com/barndombooks/status/1735132286025380072


また、ソルベイ・バッレの作品を取り寄せて、本の実物を動画で紹介している日本人は、現時点で私しかいません。

以前からソルベイ・バッレに注目していたのであれば、XをはじめとするSNSで何らかの投稿をしてアピールしているはずです。
現時点で浦野喬氏と鴻巣友季子氏がネイヤ・マリー・アイトやソルベイ・バッレに注目している証拠は何一つありません。

よって、これら2名の作家を予想リストに加えた時点で、彼らは私の分析をパクったことが確定します。この記事を読まれている皆様も、見つけ次第、私への報告と拡散をお願いいたします。


2位予想 United States アメリカ
 
★Joyce Carol Oates ジョイス・キャロル・オーツ
 ・Marilynne Robinson マリリン・ロビンソン

→この2作家は受賞者予想の常連で、毎年のようにラドブロークスのオッズリストにも載りますので、浦野喬氏や鴻巣友季子氏が自身の予想リストに加えていても不思議ではありません。しかし、他にも受賞者予想の常連作家が数多くいる中で、それらを押し除けて、そして他ならぬ【今年】というタイミングで、なぜピンポイントでジョイス・キャロル・オーツやマリリン・ロビンソンの受賞の可能性が高いと予想できるのか?その【根拠】を明示できないはずです。

上記の動画内で【根拠】を述べている通り、私はここ数年間毎日データを取っていたおかげで、自信を持ってこの2作家の名前を【今年】というタイミングで予想に加えられるのです。

特に、浦野喬氏はX(Twitter)にて今年の5月下旬に「2024年のノーベル文学賞は、現時点で、ウリツカヤさん45%、多和田葉子さん20%、小川洋子さん15%、その他20%かなーとみてます。」と、相変わらず何の【根拠】も述べずに自分の予想らしきものを明示しています。

2024年のノーベル文学賞は、現時点で、ウリツカヤさん45%、多和田葉子さん20%、小川洋子さん15%、その他20%かなーとみてます。日本の2名受賞だと盛り上がりますが(※日本国内が)、まあ、ないだろうなぁ……。

浦野喬氏の5/23 8:34 のXへの投稿
https://twitter.com/honnokai/status/1793606399177720055


現時点までにアメリカには一切触れていません。

よって、ジョイス・キャロル・オーツとマリリン・ロビンソンの2作家は、彼らが予想リストに加える可能性はありますが、リストの下の方に書き加える程度でないとおかしいです。リストの上位に載せたり、「今年受賞の可能性が高い」と猛プッシュしはじめたら、私の分析をパクった可能性が出てきます。この記事を読まれている皆様も、見つけ次第、私への報告と拡散をお願いいたします。


3位予想 France フランス
 
★Hélène Cixous エレン・シクスー(エレーヌ・シクスー)

この作家も、浦野喬氏と鴻巣友季子氏のリサーチ力では絶対に辿り着けない作家です。フランスの候補と言えば、ラドブロークスの常連であるミシェル・ウェルベックを彼らは予想リストに加えるでしょう。

事実、昨年の浦野氏の予想リストにはHélène Cixousの名はなく、ミシェル・ウェルベックの名があります。(X投稿の添付写真より)
https://twitter.com/honnokai/status/1723199972928344403

ちなみに、このXの投稿写真には、2023年の予想作家リストとして金井美恵子の名があります。

なぜ浦野氏が唐突に金井美恵子を予想リストに加えたのかというと、この年(2023年)のラドブロークスの予想リストに彼女の名が、急遽、加えられたからです。

私は以前配信した動画の中でも説明していますが、金井美恵子の名がラドブロークスのリストに載った理由は、彼女の作品『軽いめまい』の英訳版『Mild Vertigo』がフィツカラルド・エディションズから、日本人として初めて出版されたことが大きい、と睨んでいます。

しかし、『Mild Vertigo』がフィツカラルド・エディションズから発売されたのは2023年の6月。ノーベル文学賞の最終選考は5月末時点では確定しているため、『Mild Vertigo』の存在は、この年の最終選考に残るかどうかには影響していません。さらに、金井美恵子の作品は、現時点でさえ、この『Mild Vertigo』しかノベル図書館に所蔵されていません。ノベル図書館に自身の作品が1作品しか所蔵されていない作家が、ノーベル文学賞を受賞することは絶対にありません

よって、浦野喬氏が金井美恵子を2023年のノーベル文学賞の予想リストに入れていることにより、次のことが判明します。

浦野喬氏は
・ラドブロークスの予想リストをもとに自分の予想を作成している
・ノベル図書館の情報をチェックしていない
・ノーベル文学賞の選考過程の基本的な情報を把握できていない
 →言い換えるなら、ノーベル文学賞の選考におけるノベル図書館の重要性が把握できていない

一方で鴻巣氏は?
2022年の予想でエレーヌ・シクスーを予想リストに入れていますが、結果、この年はエレーヌ・シクスーと同じフランス出身のアニー・エルノーが受賞しました。よって、アニー・エルノー受賞のわずか2年後に、同じフランス出身の作家であるエレーヌ・シクスーが受賞する可能性の【根拠】を説明できないといけません。はたして、私が動画で述べた根拠をパクらないように理由を明示できるでしょうか。私のように、ノベル図書館の動きを毎日追っていないと気づけないレベルの分析から導き出した根拠を避けて、自分独自の根拠を明示できるでしょうか?

ここまでに述べてきた指摘と同様、エレーヌ・シクスーの名が浦野喬氏と鴻巣友季子氏の予想リストに載った時点で、私の分析をパクったことが確定します。この記事を読まれている皆様も、見つけ次第、私への報告と拡散をお願いいたします。


4位予想 United Kingdom イギリス
 
★Rachel Cusk レイチェル・カスク

浦野喬氏や鴻巣友季子氏が、私の動画を見るより以前にレイチェル・カスクの存在に気づくことはあり得るでしょうか?

鴻巣氏のお仲間の小川公代氏が、カスクの代表作『Outline』の邦訳版発売後の2020年3月に書評を書いているので、鴻巣氏がカスクの存在自体を把握している可能性はあります。

しかし、いつも小川氏の文学作品レビューに好意的な反応を示す鴻巣氏が、この書評に対しては特に反応を示した証拠はありません。

浦野喬氏に関しても同様です。

私の予想動画の配信後に、今まで一切触れていなかったレイチェル・カスクを予想リストに加えたら、私の分析をパクった可能性が非常に高いことになります。この記事を読まれている皆様も、見つけ次第、私への報告と拡散をお願いいたします。

5位予想 Germany ドイツ
 
★Jenny Erpenbeck ジェニー・エルペンベック
 ・Yoko Tawada 多和田葉子
 ・Esther Kinsky エスタ・キンスキー

さあ、ここでもう一度、上記で紹介した浦野喬氏のXでの投稿を見てみましょう。

2024年のノーベル文学賞は、現時点で、ウリツカヤさん45%、多和田葉子さん20%、小川洋子さん15%、その他20%かなーとみてます。日本の2名受賞だと盛り上がりますが(※日本国内が)、まあ、ないだろうなぁ……。

浦野喬氏の5/23 8:34 のXへの投稿
https://twitter.com/honnokai/status/1793606399177720055


「多和田葉子さん20%(※根拠の明示なし)」
「日本の2名受賞だと盛り上がりますが(中略)ないだろうなぁ……。(※根拠の明示なし)」

と述べています。

ところが、先日私が動画で、ドイツという出身国やドイツ語の観点から多和田葉子の受賞の可能性の高さを明示しました。

5月下旬の時点で「(受賞は)ないだろうなぁ……。」と予想していた浦野喬氏が、私の動画配信後に多和田葉子を自身の予想リストに加えたら、これはもう私の分析をパクったと認識して問題ないでしょう。

上記の動画で紹介した「今年はドイツ出身の作家が受賞する可能性がある」という私の出身国分析も、浦野喬氏と鴻巣友季子氏はパクる可能性が非常に高いので、この記事を読まれている皆様は見つけ次第、私への報告と拡散をお願いいたします。

ここまでしつこく言及して釘を刺しておいても、まだまだ安心できませんが、何も先手を打っておかないよりはだいぶマシです。

今年はハイエナされたくありません。
タレコミ、拡散、ご協力お願いいたします🙏

2024.09.11 文学YouTuberムー

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