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本当に「ワンオペ育児」って、大変?

年末年始の休暇で、海外に単身赴任中の夫が一時帰国して約1週間。
夫が赴任先に戻り、フゥ〜〜〜と一息。
夫の帰国のたびに思う。

家事が多かった…!!!

男性が一人増える生活は、家事が一人分増える、という程度ではないんですよ。
私の夫は、家事は女が、というタイプではなく、なんでも進んでやってくれるし、私が家事している時には必ず自分もなにか家事を見つけて働いていないと申し訳ないと思うような、脱昭和タイプなんですが、それでも私の家事負担が増えるほど、とにかく家事が多い。

で、私はよく、「ずっとワンオペで育児なんてすごいよね〜」と言われるんですが、その度に思います。

純粋なワンオペ育児って、実はそんなに大変じゃないよ…

って。少なくとも子供が一人なら、断言できます。

だって、母と娘の二人生活って、圧倒的に家事が少ないんです。
さらに自分以外の大人がいない分、当然ですが他人の目もないので、自由気ままに、自分のペースで生活できます。
ワーママ仲間には、必ず「ワンオペ育児は辛いのにmouさんはすごい」と言ってもらいますが、そう言われるたびに、

ご主人と子供との生活を回す方が大変なんですよ、なのにみなさんは褒めてもらえないですよね、どう考えてもあなたの方がすごいんですよ

と力説したいんですが、なかなか理解してもらえなさそうなので、いつも飲み込んでしまいます。

「ワンオペ育児」を大人一人で子供の世話をすること、としてくくると同じように見えますが、「純粋なワンオペ育児」=母一人と子だけの生活での育児、は意外と大変ではない。もちろん話の通じない子供相手なので大変なことがないわけではないけど、みんなが思っているほど大変はないんです。
でも、「平均的な家庭でのワンオペ育児」=大人二人と子供の生活における、母一人での育児はとてつもなく大変。毎日カツカツ。だと思うのです。

ということで今回は、私が日頃、ワーママ仲間を見ていて感じている、

ワンオペ育児よりも、ワンオペ育児をしながら夫と生活するのが大変なのよ説

について言語化してみたいと思います。

母ひとり子ひとり生活の家事量

例えばご飯。

よく食べるとは言え、3歳児の食べる量なんてしれているし、私は体重増加抑止のため、炭水化物は控えめにしたいところ。
娘に朝おにぎり、お昼は保育園で、夜お茶碗1杯。2合炊いたら、数日は持ちます。
お夕飯には、ご飯と、簡単に作ったお味噌汁、プチトマトに、作り置きして小分けに冷凍しておいたひじき煮の小鉢で十分です。
お米が切れていても、おうどんひと玉、卵とワカメ、刻んでおいた油揚げでも入れて、あとは子供の好きなフルーツでもデザートに出せば満足できます。

例えば洗濯。

子供の洋服は一つ一つが小さいので、あまりたまらない。
私も子供も小さめのタオルでも事足りるので、大きなバスタオルは使いません。
洗濯回して干す日、洗濯物を畳んでしまう日、洗濯周りは何もしない日、を順番に繰り返す程度。つまり洗濯は週に2、3回です。

純粋ワンオペ育児生活の一日

その程度の家事の量だと、娘@3歳保育園児とフルタイムワーキングマザーの平均的な生活は、こんな感じ。

6:30  起床。自分の身支度&朝ごはんの準備。
7:00  娘を起こす。朝ごはん&娘の身支度。
7:50  出発。
8:00  娘登園。
8:30  出勤。
17:30  退社。
17:50  保育園にお迎え。
18:00  帰宅。お夕飯準備。
18:30  お夕飯。
19:00  お風呂。
19:30  一緒に遊ぶ。プチ家事。
21:00  ベッドで寝かしつけ。
21:30  娘就寝。ベッドから這い上がる。
   家事&自分時間
23:00  私も就寝。

娘が寝たあと、30分くらいで家事を片付けたら、あとはもう自分時間です。
自分が満足する程度にキッチンをつるっと仕上げ、洗濯物やおもちゃの片付けを済ませて家をリセットしたら、フリーダム。
お酒を飲みながら本を読んだり、動画を見たりして、好きなように過ごしています。
毎日ちょっとしたプチ家事と、30分程度の家事(もっと短い日もあるかも)ですみます。

夫がいる場合

これがたとえば、夫がいるとどうなるかというと、多くの家庭は、

・夫の方が帰りが遅い
・夫が家でお夕飯を食べる時は、ご飯を妻が用意しておく

というケースが多いですよね。うちも、夫が単身赴任していなかったらそうです。いくら昔より男性も家事をするようになったとは言え、家にいる時間が自分の方が長い分、遅く帰ってきた夫のためにご飯を用意しておこう、洗濯をしておこう、と思ってしまうわけで。

ご飯は朝も夜もがっつり食べるし、お洋服も一つ一つが大きい・・。
2合のご飯はあっという間になくなるので、毎日のようにご飯を炊くし、作り置きのおかずも小分けにする余裕なく1食で食べきる。卵とわかめのおうどんじゃ、フルーツをつけたって忍びない。
毎日洗濯をしないとすぐにたまるし、大きな洋服は乾燥機じゃ乾きにくいので、全自動洗濯機で干すのをはしょることもできない。
(スーツなら洗濯はクリーニングで済むかも?うちの夫はビジカジなので基本家でお洗濯)

この場合、子供が寝た後の21:30以降、家をリセットする間も無く、夫のお夕飯、翌日の朝ごはん&場合によってお弁当やお夕飯の下ごしらえをし、夫が帰宅すると夫にお夕飯を出し、夫が食べている間にも家事をして、夫が食べ終わると食器を片付け、キッチンを片付け、そうこうしているうちにあっという間にこんな時間・・・!!私の自由時間はどこへ・・・!という感じではないですか?

とにかく家事の量が違います。

「夫がいないってことは、家事する間子供を見ててくれる人がいないということでしょう?大変よね」とよく言われますが、夫が子を見ててくれる家事に専念できる時間<夫がいることで増える家事に必要な時間だと思います。

ワーママが大変な本当の理由

家事の量が増えると、当然すべきこと増えるし、心理的負担も増えます。
このとき増える心理的負担は、家事が増えた作業の分の疲れだけではないというのも知ってほしい。

母ひとり子ひとりの生活では、あんまり準備をしなくても、先のことを考えなくても、その場その場の対処でなんとかなります。

買い出ししてなくても、缶詰や乾物を使って適当にしのげるし、コンビニで端においてある程度の野菜や果物でもなんとかなる。お肉やお魚がなくても、ちくわやハムでごまかせる。
洗濯も、1日くらい先延ばししても大したことないので、洗濯するかと思った時に天気を見て、晴れていれば干す。雨が降りそうなら明日でいいや、明日も雨予報なら全部乾燥機でいいや、というお気楽さです。


これが、家事量が増えるとそうはいきません。
先を見越してタスクにし、こなしていかないと回せないからです。

冷蔵庫の中の食材が十分かを気にしながら、夫と自分の予定を考慮して献立を先の先まで考えて見通しておかないと回りません。買い出しに行けるか、行けるとしたらどこのスーパーか、何を買えたか、あっため直せるメニューか、夫の好みか、冷めたものばかりじゃないか、明日のためにしておくべき下ごしらえはあるか、といろんなことを考えながら、その日の家事のタスクに落とし込んでいきます。

1日洗濯を先延ばしにすると大変なので、天気予報を見ながら洗濯物の量やタイミングを計り、いつもなら夜干すところを少し早起きして朝洗濯干しておこうとか、夫がおふろ入った後に浴室乾燥機に干すために、このくらいのタイミングで洗濯機を回そうとか、あれこれ臨機応変にスケジューリングしながら自分の生活タイミングを変動させて、なんとか回しています。

ここでは食事と洗濯だけを例にあげてますが、他にも掃除やらゴミ出しやら色々あります。
これを、仕事以外の限られた時間で子供の相手をしながらこなしていくんですから、そりゃワーママは大変です。

そしてこの、いつも頭から離れず、先を見通しながら臨機応変に対応する状態って、思っている以上にストレス。
常に次やること、今日中にやらないといけないことが迫っているので、気が休まらないんです。
母ひとり子ひとりの状態と、夫もいて主に家事をワーママが回している状態は、与えられた仕事をこなしていれば時給をもらえるバイトと、客層や時間帯を考慮しながら色々と工夫して運営し売り上げを確保しなければならない店長くらい、負担もストレスも違うと思います。

何より、これだけのタスクが頭にありながら子どもの相手をするんですから、思い通りにいかない子供にイライラしやすくもなります。
次にしたいことが山ほどあるから早く寝てくれないと困るし、ただでさえカツカツなのにご飯をこぼしたりして家事を増やされるとうんざりします。

長々と書きましたが要約すると、一般家庭でワーママが大変なのは、
家事がパンパンに膨大
→先を見越してあらゆる家事をタスク化&スケジューリング
子供の世話をしつつ自分の時間も犠牲にしつつタスクをこなす、
という状況だから。

母と娘の二人暮らしでは、家事自体がそんなにないのです。

どうでしょう、純粋なワンオペ育児よりも、ワンオペ育児をしながら夫と生活するのが大変なのよ説、伝わりましたでしょうか。

人の目を気にしてしまう

それともうひとつ。

他人と一緒に生活する、というのは、ひとりで生活する以上に、その人の目を気にするものです。

・夫が帰宅した時、散らかってたら嫌だろうな
・夫にうどんしか出さなかったら、しょぼいと思われるよな
・毎日お惣菜だと、夫にサボっていると思われるかしら

という具合に、どうしても、夫の目を気にしてしまう。
これもまた、世のお母さんが日々の家事に追い立てらえれてしまう理由だと思います。

3歳の娘しかいないと、部屋が散らかっていても寝かしつけながら疲れが溜まっていると感じた日は、そのまま子供と寝ちゃってもそれほど罪悪感はありません。
朝、散らかった部屋を見て「うへっ」と思うことが多少はあっても、部屋が散らかったままでごめんね、と一言謝る相手もいないのです。

愛があるから

長年連れ添って子供も生まれて、付き合いだした当初のトキメキはもう薄れているかもしれないけれど、夫はやはり、好きで一緒になった相手です。

多くのワーママがそうであるように家にいる時間が自分の方が長いと、家事をやっておいてあげようという気にもなるし、夫に嫌われたくもない。遅くに帰ってきた夫に、気分良くのんびり過ごしてほしいと思うものです。
だけどそれだけ、家事の多くを担うワーママって、すごく頑張っているんですよ。

ただ、夫がいると家事が多いかを散々力説しましたが、夫がいない方がいいとは決して思いません。
なぜなら夫がいてくれた方が、家族の会話も多いし、子供の遊び相手も増えるし、楽しいことはその分増えますから。
家族は一緒に過ごすに越したことはないと思います。

それでも私がこの記事を書いておこうと思ったのは、多くのワーママ達(多分専業主婦の方も同じだと思う)に、自分達がいかに夫のため家族のために自分を犠牲にして家事をこなしているか、家事を回すためにどれだけの負担に耐えているかを自覚してほしいし、それが(生粋のワンオペ育児の私よりもずっと)すごいということを伝えたかったのです。

というわけで、純粋なワンオペ育児(=夫は単身赴任中)はそれほど大変ではないんです、平均的な家庭(=夫の帰りが遅く、ワーママが家事の多くを担っている)のワーママのワンオペ育児の方がめちゃめちゃ大変でしょ、というお話でした。

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