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展覧会「隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則」を見に行った

2021/7/17(土)@東京国立近代美術館
夏生まれ夏嫌いっ子

大学の頃、学科の授業の一貫で建築デザインを学んでいて、理屈っぽいようで理屈じゃない、というイメージがあり建築デザイン分野の制作課題が出るたびに苦手意識が酷くありました。その中でも隈研吾という存在は私の中では最上位の苦手人物で、「木の人」と定義して、建物に木を象徴的にデザインしていればそれは全て隈研吾、という酷すぎる呪いをかけた学生時代。
それから数年経ち、隈研吾がネコの視点からみた展覧会をするという情報を聞き、”ネコの視点”という部分だけが先行して気になり、見に行ってみることに。

隈研吾が建築デザインを考える上で大事にしている「孔」「粒子」「やわらかい」「斜め」「時間」という5つの原則。それぞれの視点で考えられた過去の建築模型と説明がパートごとに並べられている展覧会でした。
特に「やわらかい」では、人間は物質を石→木→土(左官)→紙の順にやわらかくしてきたという話や、「時間」では、モノを弱くする・ボロくするという説明が印象的でした。

新国立競技場は仕事で入ったことがあり、その頃から観客席の疎らなカラーリングや配置はなぜなのかずっと気になっていましたが、天井に組んだ木材の影が観客席に広がり、客席自体を落ち葉に見立てていると説明があり、納得しました。(植物は46都道府県からそれぞれ取り寄せているという話も)

隈研吾展

そしてネコがその5原則の大切さを教えてくれたと最後に語られる展示では、神楽坂の半ノラ猫の2匹にGPSをつけ、24時間どのような動きをしているのかを検証した展示物がシュールで面白かったです。

ずっと苦手意識を持っていた建築デザインですが、それぞれの立地やデザインに理由があり、深く読み込むことでその面白さを少し理解できたような気がします。

木の人、いや、偉大な人でした。すみませんでした。


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