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【中路の中身 #001】高校時代友達に布教失敗したバンド・ユニット

おはようございます、中路です。
大雪騒ぎに東京は大混乱、私と言えばベランダが雪まみれになったりしながらも部屋で粉雪(レミオロメン)を熱唱しながら寒さに震えておりました。

帰宅ラッシュと交通機能の停止、両方が予想される大都市において
帰宅命令が出るタイミングがおかしいと思う人は多いようで
Twitterでは悲しみの嵐、工藤静香もびっくりの、ネット・リアル共に冷え切った2018年の1月でございます。

さてさて、中路の中身、と題しました今回の記事。
こちらは僕が日々生活する中で思ったこと、見たことなどを
徒然なるままに書き記すというものを、定期的に行っていこうという試みとなっております。

長さや熱量を気にせず、ただ好きなことを書いていこうということで普段より長く、かつ読みにくい内容になるかと思いますが、
皆様の暇つぶしや話題の種にでもしていただければ幸いです。

読むラジオ、にでもなればいいかなと。
さてさて、では記念すべき第一回テーマのほうやっていきましょう。
「高校時代友達に布教失敗したバンド・ユニット」
でございます。

実家ではネットも通っておらず、CDのフラゲなんて基本無いような土地に過ごした田舎出身の中路でございますが、その中でもずっとFMに齧りつき、聞きたい番組を調べてはMDに録音する毎日を過ごしておりました。その中で知ったアーティストの新譜情報を持ってCD屋で毎月のように予約をしており、結果手元には同級生と盛り上がることのできないCDばかり。

この良さを誰かと共有したーーーーーーい!!!
そう思うのは世の常。そして人の業。
しかしながら好みとは千差万別ゆえ、少なくとも自分の周りにはリーチしなかったバンドたちは多数。今でこそ人の多い東京にいて、ネットもあるのでそのバンド好きだった!
という知り合いは多いですが、彼らもそういった想いがあったであろうと思うとなんともいえない温度差に震えが止まらない方々も多いかもしれません。

それでは、紹介の方していきましょう。

■babamania

レッチリリスペクトが多く見えるファンキーでポップなバンド。
軽快でキャラ立ちしているラップボーカルとさわやかなボーカルのバランスと
洋楽を噛み砕いたようなリフやコードワークが非常に素敵です。
「SUNRISE」はテクニカルな曲が多い彼らの中ではとにかくシンプルにまとめた曲。
サビのキャッチーさとバースメロ部分の渋さが絶妙なバンドです。
Take it」や「Jungle Radio」あたりはルーツのパロディ的な要素がありつつしっかりと日本的でもあり面白い曲です。


■スムルース

綺羅びやかな和メロと独特の言葉選び、遊びがチャームポイントのバンド。
比較的な有名なバンドだと思いますが、青春パンク全盛の同級生には
刺激不足だったのかウケはイマイチでした。
「冬色ガール」は彼らの色は薄いですが、サビの入りに「ポツリ心コロリ恋ぬけがら」という単語を連ねることで情景を描いているのは本当にすごい。
擬音やあえて接続しない単語で構成することでファンキーな歯切れの良さを
出していて、日本語の妙を感じられるバンドです。
歌詞は「LIFE イズ 人生」、メロの面白さは「スーパーカラフル」が好みです。

■APOGEE

不気味ともとれる世界観、切なさ、やるせなさを含んだバンド。
ストイックな展開とチープでローファイなのが最高にエモい美味しいラインの
シンセフレーズ、ゴリゴリのベース、粘りのあるドラム、引き算のギター、
崩壊しそうで成立している廃墟を見ているようなバランスでとにかくかっこいいです。
「ゴースト・ソング」は一旦音を止めて合唱するところは鳥肌が止まらないです。そのあとのピアノ、エモすぎる。「アヒル」と、このあとリリースされた「グッド・バイ」はとにかく圧倒されます。

同級生達には「わけわからない」と一蹴されました。
当時「お前ら大学生になってAPOGEEにハマったら呪ってやるから」
腹の底に秘めていたのは秘密です。

ちなみに、このバンドも上京してからはけっこう好きな人の多かったバンドなのですが、久々に聞きたくなってTSUTAYAでシングルを買ったら名前サイン入りの歌詞カードが出てきて複雑な気持ちになったバンドでもあります。


■laica breeze

ついにYoutubeでは一曲も出なくなってしまった。
バンドか怪しいですがMC兼シンガーとトラックメイカーのユニット。
ハウスビートの4つ打ちをボトムに、ジャキジャキしたアコギを多様に加工したトラック、ちょっとナルシストっぽいキザなラップ、圧倒的貴公子オーラが特徴です。
「STANDING STILL」はL'Arc〜en〜Cielの「winter fall」を、
「C.C.A(carnival comes around)」はThe Cardigansの「Carnival」をサンプリングした意欲作。
基本的な作曲センスが高スペックで、サンプリングものは原曲要素を過剰に押し出したりせず、かなり渋く構成音として用いている(そもそも選曲が独特だし、押し出さないゆえ、地味とも)。

ミニアルバム「SUN OVER BEACH」は完全オリジナルですがこの時点で完成されています。
収録曲「Round da World」は自分も馬鹿みたいに聞いていて、非常に影響された曲の一つ。彼らは個人的に「出来上がりすぎててインパクトがない、ハウスは地味」という、問題でやはりオススメしづらかった経験があります。
ただでさえラップなのにキャラも独特で人を選びますしね。

現在MC BliezeことTAKUさんはNEONE& Flamingo Rougeというバンドで活動しているようで、公式のアップしているものでリミックスアレンジではありますが、Round da WorldとSummer of loveをカバーしています。


■ASIAN2


長野県松本市出身のミクスチャーバンド。当時あまりミクスチャーでこういうラップスタイルがいなかったこと、そして上記メジャーシングル「ASIAN VIBRATION」がとにかくかっこよかったことで衝撃を受けたバンド。

ミクスチャーらしくジャズチックなサウンドやハードな音もあり、ファンキーでダーティ。歌詞は大きめの問題提起から、めちゃくちゃ具体的な内容まで、しかし芯のある「今思ってること」をしっかり歌っており、作詞陣の目線が詰め込まれています。とにかくシングル「ASIAN VIBRATION」に収録されている4曲はどれもかっこいいのでおすすめです。

ジャギジャギとしたドライなミックスのものからしっとりしたものまで音の幅もノリも広く、面白いバンドでした。
しかしデビュー時期がラップユニットは下火、ミクスチャーは評価の目が厳しいという時代なのもあり、2nd「遠く」ではCMタイアップもあり、めちゃくちゃ「置きに行った」かんじの美メロバラードをリリース、2000年代中頃お約束の「日本語ラップ曲はモテそうなバラード歌ったらその呪縛から抜け出せない」に飲み込まれるようにシングルはそういった曲調がメインになりました。
この「遠く」は聞いたことがあるという方は多く、友人にも「遠く」は好きという人が居ましたが、自分はこの完成度の高い1stシングルがとにかく好きでオススメしたかった。

同じアーティストでも温度差というか、そういったものを感じられて聞いてもらえない、そんな歯がゆさが当時の思い出です。

■そんなわけで
5バンド・ユニットをご紹介しました。
もちろん、今見れば有名なバンドばかりなのかもしれませんが、
若い時分にはその良さを伝える仲間というのは非常に少なく、
またそのせいで友人等に「音楽センスがない」などと言われて凹んだり怒ったことも多いです。
同じような境遇で、自分の感性を信じられなくなる人も少なくないのではないかと感じます。

しかしながら、
自分の好きなものはその人にとって土台であり糧であると思います。
バカにされても好きでいろ、なんてことはいいませんが、そのバンドに惹かれた自分のセンスは信じてもいいと思います。
そして大学生になったり、twitterの知り合いが増えた時ふと好きだった人について呟いてみるのも面白いかもしれません。
新しい発見や、生でライブを見た人の感想。
あの時できなかった話が今、できるかもしれません。

そんなわけでまた次回、中路でした。


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