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FXトラリピ新戦略②/利益を極大化する第3の利確方法

マネースクエアのFXトラリピには、指値とトレールという2種類の決済方法が用意されていますが、この記事では、パフォーマンスをさらに向上させる第3の利確方法を紹介します。

もちろん、マネースクエアの注文システムに変更を加えるわけではないので、正確には「第3の」とは言えないかもしれません。

また、この第3の利確方法は、多少の作業を必要とするので、1日に1回程度はトラリピの状況をチェックすることが望ましく、それをできない(やりたくない)人には不向きの手法です。

しかし、理論上、この第3の利確方法は、価格がトラリピを仕掛けた方向に一気に動く局面では、指値決済の約2倍の利益を上げることが期待できます

その実績については、今後ブログで公開していく予定です。


本題に入る前に、まず、

・利益値幅はどれくらいに設定するべきか

・決済トレールは設定するべきか

について考察します。


パフォーマンスが最高となる利益値幅

利益値幅については、もちろんマネースクエアのウェブサイトに解説があります(「トラリピの設定項目」)。

しかし、具体的なトラリピ設定の提案(「トラリピ戦略リスト」)ではそれとは違う利益値幅となっていたりするため、どのように設定するべきか多くの人が迷う項目だと思います。


トラリピの設定項目」では、「1日1回は取引成立(リピート)させたい場合、利益値幅を1日の高低差以下にすると良い」と説明されています。

そして、「トラリピの運用期間の目途が1週間なら直近1週間の1日の平均高低差、1ヵ月間なら直近1か月間の1日の平均高低差」が適切であるとも書かれています。

1日の平均高低差というのは、日足ATR(Average True Range)のことであり、1日の最大の値動き(①当日の高値-前日の終値、②前日終値-当日安値、③当日の高値-当日の安値のうち最も大きい値)の平均値です。


つまり、ここでは利益値幅として日足ATRが提案されているわけですが、その理由は「1日に1回以上の約定が期待できるから」ということのようです。

しかし、これは、ちょっとわかりにくい説明です。

我々にとって重要なのは、約定回数よりパフォーマンスです。

「リピート回数が多ければ利益合計が大きくなる」のなら利益値幅をできるだけ小さくした方が良いはずですが、そうではなく日足ATRを推奨するのはなぜなのか?

1日に1回以上約定することとトラリピのパフォーマンスとの間にどんな関係があるのか?

その辺りのことが全くわからないのです。


トラリピのパフォーマンスを高くするための利益値幅については、以前にマネースクエアから送られてきたメール(トラリピ講座のような記事)の中に解説がありました。

それによると、「利益値幅をある程度大きくする方がトラリピのパフォーマンスが高くなる」というバックテスト結果が出ているとのことでした。

・期間 2016年1月〜2018年2月
・通貨ペア ドル円
・レンジ 100円〜115円
・通貨量 1万通貨╳151本(0.1円間隔)

という条件で、利益値幅をいろいろ変えてバックテストしてみると、

・利益値幅0.3円 → 利益合計9,273,147円(リピート回数2,952回)
・利益値幅0.5円 → 利益合計9,985,586円(リピート回数1,917回)
・利益値幅0.75円 → 利益合計10,707,812円(リピート回数1,374回)
・利益値幅1.0円 → 利益合計11,163,577円(リピート回数1,076回)

という結果だったのです(1.0円より大きい値幅については不明)。

このバックテス結果を見れば、「リピート回数が多ければ利益合計が大きくなる」と言えないことは明らかです。


なぜこのような結果となるのでしょうか?

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これは、ドル円の2016年1月〜2018年2月の日足チャートです。

トラリピを0.1円間隔で1万通貨ずつ仕掛けているので、基本的には、ジグザグの下降の波で0.1円下がるごとにポジションが増え、上昇の波で利益値幅に応じて決済されることになります。

例えば価格が115円から111円まで下落し、その後反発して113円まで上昇したとします。

仮にこの2円幅の上昇が一気に動いたものであったとすると、利益値幅の違いによって利益合計に次のような差が出ます。

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