自分を知る旅のはじまり
今から20年ちょっと前のお話し。
看護師になって2年目の春に、母親が癌になった。自分が勤務する病院に入院し、手術や化学療法で毎月入院が必要だった。
まだ私は新人に毛を生えたレベルで、仕事がものすごく大変だった中、仕事終わりに面会に行っては、母親の身体拭きをしたり、休みの日にも病院に行って、母親の看護にあたりながら、実家に行って掃除をしたりと多忙な日々を送っていた。
それよりも辛かったことが、私は子供の頃から精神的に両親に甘えることが出来なかったのに、母親が私に甘えてきたことだった。
「癌だから仕方がない」
自分が甘えられなかったのに、なぜ母親の甘えを受け止めなきゃならないんだと思いながらも、そんなことは微塵も感じさせないように献身的に介護した。
母親だけでなく、家族や親戚中から頼りにされ、ベテランナースでもないのに頼りにされることがプレッシャーでしかなく、重荷だった。それを誰にも言えないまま、みんなから頼られるものを全て引き受けていた。
そんな生活が半年過ぎたころ。
病棟内での人間関係で、大きく傷つく事件が起きた。
限界だった私は、心が折れてしまったんだ。
「もう1人では立ち上がれない」
そう思った私は、先輩ナースに相談して生まれて初めてカウンセリングを受けることにしたんだ。
初めてカウンセリングを受けた時のこと
「あなたは愛される存在なんですよ」
「あなたは生きる価値があるんですよ」
カウンセラーの先生からそう言われた時、ただただ驚いた。ほんとに?嘘でしょ?真剣に驚いたんだ。そんなこと、誰からも言われたことなかったもの。
その時に初めて気付いた。
「私は愛される存在ではない」「私は生きる価値のない人間なんだ」と自分自身が強く、それも疑いもせずに当たり前のように思っていたことに。
それが私を知る旅の始まりだった。。。。
これから、少しずつその旅について書いていきたいと思う。
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