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[原神]会心率ダメ1:2が最強って本当?

みなさん、原神でこんなことをいわれたことはありませんか?


1:2至上主義者
たまに半ギレするやついるよね

まぁ、言われたことないにしても、いろんなところでこういう発言を目にすると思います。僕はこのような発言を「率ダメ比率1:2最強理論」と呼んでいます。この理屈、合ってるとも言えるし、間違ってるとも言えます。
ところで、みなさんなぜ率ダメは1:2にするといいのか知っていますか?

こう思ってる人も多いはず

まぁ、実際そうなんですけど、今回は、
・実際に期待値の一番高い率ダメは何か
・なぜ、率ダメ1:2が良いといわれるのか
・なぜ、「率ダメ比率1:2最強理論」は間違ってるのか
をちゃんと解説していこうと思います。



率ダメの期待値計算

確実なダメージとして出る期待値は、実際にダメージ計算をしなければなりません。しかし、会心ステータスだけで考える期待値ならば、計算方法はめちゃくちゃ簡単です。

期待値=会心率×会心ダメージ

これで出せます。つまり、自分のビルドで会心率と会心ダメージをかけ算した値が一番高くなるような組み合わせを選べばいいです。なので、会心だけ見るならこの考えだけで期待値の良し悪しは簡単に判断できます。

しかし、人間というのは欲張りなもので理論値だとか、理想ステータスみたいなものにこだわってしまう生き物なのです。みんなDPSとかって言葉好きでしょ?「原神プレイヤーは『ガチャ』と『1:2』と『DPS』が好き」ってアインシュタインも言ってたらしいですからね。原神というゲームの中で最高の会心率と会心ダメージのバランスはなんなのかを考えたくなってきます。

そんななかで生まれたのが、率ダメを1:2のバランスにすべし、という考え方です。しかし、率ダメ1:2が一番期待値が高いとは限りません

例えば、冒頭のこれ

ふたたび登場台パン君

期待値からすると、

$$
80×100=8000 \\ 60×120=7200
$$

なので、率ダメ80:100のほうが期待値は高くなります。こっちのほうが強いんですね。おかしいですよね。60:120が理想のバランスのはずなのに。

では、真に理想的な率ダメとは何なのでしょうか?


理想的な率ダメの比率

では、理想的な会心率と会心ダメージは何か、これも答えは簡単です。
パイモンでさえわかります。

会心率=100%、会心ダメージ=∞%

これです。はい、じゃあ、みなさん率は100%、会心ダメージはそこから可能な限りあげましょう。以上です。記事閲覧ありがとうございました。




そらそう

はい、できるわけありません。そんなん簡単に出来たら螺旋12層星9攻略なんかみんな余裕でできます。つまり、何かしらの制限を設けてその中で考えないと上みたいなしょうもない結論になります。

率ダメの理想比率とは「様々な率ダメの組み合わせを全部比較して一番期待値が高いもの」です。なので、比較する率ダメを絞らなければいけないわけですね。


制約「会心スコア」

何かと何かを比較するときには、比較したいもの以外の条件は同じにする必要があります。例えば率ダメ50:100と、80:120を見て「1:2だから50:100」が強いなんて思う人いないですよね。つまり同じような会心率と会心ダメージの強さで比較しないとなんも意味がありません。

そこで登場するのが「スコア」です。この概念はユーザーが勝手に作り出したものですが、強さを比較するのにはかなり良い指標となります。「スコア」の計算方法は基準によって少し変わりますが、「会心のみのスコア」なのであれば、下記のように導き出します。

会心スコア=2×会心率+会心ダメージ

なんでこうなるのか、というと、原神というゲームは会心ダメージを会心率の2倍の大きさで配るからです。実際、会心率冠は31.1%、会心ダメージ冠は62.2%ですよね。サブOPも伸び率に若干のムラはあるものの、大体会心ダメージは会心率の2倍の大きさで成長します。よって、成長の価値をそろえるために、会心率に2倍の比重をかけるわけですね。つまり、

同じ会心スコアの中で、期待値が一番高くなるのはどんな率ダメの組み合わせか?

頑張って考えていこう

という問題を考える必要があります。


実際に問題を解く

先ほどの同じ会心スコアの中で、期待値が一番高くなるのはどんな率ダメの組み合わせか?という問題を言い換えれば、

会心率スコアと会心ダメージスコアの合計値が一定とした条件のもとで、会心率と会心ダメージをかけ算した値が一番大きくなるのは、どんな会心率と会心ダメージの組み合わせか?

そりゃそうよね

という問題になります。

では実際に問題を解いてみましょう。以下のような条件を設定します。

会心率=$${a}$$
会心ダメージ=$${b}$$
会心率スコア=$${X}$$
会心ダメージスコア=$${Y}$$

とします。ただし、$${a}$$、$${b}$$、$${X}$$、$${Y}$$はすべて0以上です(心海は会心率0%とする)。これらの文字を使って、先ほどの解くべき問題を言い換えると

$${X+Y}$$が一定とした条件のもとで、$${a×b}$$が一番大きくなるのは、どんな$${a}$$と$${b}$$の組み合わせか?という問題になります。

いきなり文字つかってごめん

ところで、先ほど言ったように会心率スコアは会心率の2倍で考えます。つまり、以下の等式が成立します。

$$
X=2×a \\ Y=b \\
$$

そのため、以下の変換が成立します。

$$
X×Y=2×a×b
$$

この式はイコールで結ばれていますので、片方が最大となればもう片方も最大です。つまり、$${X×Y}$$が最大となるとき、$${a×b}$$も最大となります。よって、

$${X+Y}$$が一定とした条件のもとで、$${X×Y}$$が一番大きくなるのは、どんな$${X}$$と$${Y}$$の組み合わせか?

あれ、これ進研ゼミでやったやつか?

という問題を解きさえすれば、その$${X}$$と$${Y}$$の組み合わせを$${a}$$と$${b}$$の組み合わせに変換することができます。

ところで、この問題、みなさんどこかで見たことありませんか?ある人もいると思います。一応解きます。相加相乗平均を使えば一発ですが、なんかずるい感じがするのでちゃんと代入しましょう。

$$
X+Y=k ⇔ Y=k-X
$$

とする。$${XY}$$に代入して、

$$
XY=X(k-X)=-X^2+kX\\
=-(X-\cfrac{k}{2})^2+\cfrac{k^2}{4}
$$

よって、$${X-\cfrac{k}{2}=0⇔ X=\cfrac{k}{2}}$$のとき、XYは最大値とる。

$${X=\cfrac{k}{2}⇔ k=2X}$$を$${Y=k-X}$$に代入して、

$$
Y=k-X=2X-X\\⇔Y=X
$$

よって、$${X=Y}$$のとき、$${X×Y}$$は最大値を取る。

はい、こんな感じです。よくたとえられるのは、縦の辺($${X}$$)と横の辺($${Y}$$)の合計値($${X+Y}$$)が一定になるように四角形を作ったら、一番面積($${X×Y}$$)が大きくなるのは正方形($${X=Y}$$)ってやつですね。
$${X=Y}$$のときに$${X×Y}$$が最大となるので、このとき$${a×b}$$も最大です。

ところで、もともとの条件を考えると、

$$
X=2×a \\ Y=b \\
$$

です。よって、

$$
X=Y⇔2×a=1×b⇔\cfrac{a}{b}=\cfrac{1}{2}\\
⇔a:b=1:2
$$

となります。この条件の時に$${a×b}$$が最大となります。aが会心率、bが会心ダメージなので、以下のことが言えます。

会心スコアが全く同じ条件ならば、会心率と会心ダメージの比率を1:2にすると、会心率×会心ダメージの値は最大となり、期待値が一番高くなる

これが解

はい、ようやく出てきましたね。これで「率ダメ比率1:2最強理論」の原型が出てきました。ここまではちゃんと真実です。


制約条件も理屈もガン無視の1:2最強理論

冒頭にあった、「率ダメ比率1:2最強理論」は、先ほどの解のはじめにある太字の条件「会心スコアが全く同じ条件ならば」と、太字の理屈である「会心率×会心ダメージの値は最大となり、」をとっぱらい、

会心率と会心ダメージの比率を1:2にすると、期待値が一番高くなる。

率ダメ比率1:2最強理論

が独り歩きした結果生まれたものです。なので、条件と理屈を忘れたら絶対にダメです。

さて、最初の台パン君の話に戻りましょう。

無限湧き台パン君

この2つの会心スコアを出してみると

$$
2×80+100=260\\
2×60+120=220
$$

はい、そもそも会心スコアが違いました。最初の段階で、なんとなく「率80%って組むのわりと大変じゃね?」って思った人もいると思います。「スコア」とは言い換えれば「ビルドの難易度」でもあるので、作るのが難しい「80:100」のほうが強いのは当然だったということです。


ビルドはどう組むといい?

何度も言いますが、「率ダメ1:2が期待値最大」というのはあくまで「同じスコア」という条件の上で成立します。ですが、会心スコアが全く同じビルドなんかほとんどありません。結局会心スコアがどのぐらい同じか確かめるためには暗算しないといけません。

だったら、はなから会心率×会心ダメージを暗算したほうが速くね?

っていうのが僕の正直な想いです。

ただ、会心率と会心ダメージが1:2で配られていく関係上、率ダメを1:2になるようにビルドを組むと、大体期待値が高くなりやすいのは事実だと思います。なので、最初は率ダメ1:2になるようにビルドを組み、そのうえでいくつかの候補が出たら、あとは会心率×会心ダメージで期待値を計算して比較するというのがいいと思います。

以上です。みなさんのビルドの参考になれば幸いです。記事閲覧ありがとうございました。


ま!!実際は攻撃力とか熟知とかダメバフとかチャージによって強さ変わっちゃうから率ダメだけで強さ評価できないけどな!!!!!!!!!!



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