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第6回 会話は「ゲーム」!〜システムとルールを理解して楽しくプレイしよう〜

「彼女いない歴35年からの非モテ脱却戦略」第6回

前回、非モテを克服するための、会話の初歩の練習をするにあたって、会話の相手というのは大きく3パターンに分かれるという話をしました。

で、それを受けて今回は会話の具体的なやり方に踏み込んでいこうと思います。今回のコラムを読めば会話の怖さが薄れ、会話をやってみたくなる人も出てくるんじゃないかと思います。ぜひ、会話への挑戦心を得てほしい。



■会話は攻略可能なゲームである。

大事な概念「会話はゲーム」

会話はゲーム、つまりルールがある。ルール、仕組み、システムがある。

会話、コミュニケーションを効率よく上達させようとする人は、これをきちんと理解しないといけない。

もちろん、自然にコミュニケーションをうまくやれるようになった人、会話の上手い人というのは、その必要は無いです。

会話が上手い人の中には、もう既に身についてしまっていて、自然にやれているパターンが多い。

そして不幸なことに、自然に身についた人は、自然に身についてしまったがゆえに、そのルールや仕組みを言語化する能力に欠ける事があります。彼らはいちいちそれを言語化する必要が無いので…

■会話というゲームには厳密なルールがある

何をしたら良い会話、コミュニーケーションになるのか
何をしてしまったらバッドコミュニケーションになるのか…

そして会話相手に「もう話したくない」と思われたり、「嫌われてしまう」と言う結末になるのか。

これを読んでいる、会話が苦手なみなさんも「会話した相手に」そういう気持ちを抱いたことがあると思います。

もちろん、そういうふうに思われてしまったこともあるかと思います。

そういう事態を避けるためにも、会話というゲームのルールを理解していきましょう。ゲームの仕組み、システムを理解して、攻略法を言語化、具体化していきましょう。

みんながよくわからないまま会話で苦戦しているところ「俺だけ攻略法を知ってるから無双状態」という、異世界転生モノのチート状態が味わえる、かもしれない。

■会話の勝利条件「みんなが楽しく会話した」


「会話ゲーム」の勝利条件は「みんなが楽しく会話した」です。

これが、最大にして唯一の「勝利条件」

非モテを克服する会話術の「軸」で「大黒柱」です。

これを軸にすべてを考えていきましょう。
これより優先させなければいけないものは一切無いです。

「自己PRは?」
「すごい人だって思われないと…」
「共通の趣味で盛り上がらないと…」

こういうのは一切いらないです。そこをゴールにしなくて全然いい。
「みんなが楽しく会話できた」これだけでいいです。

この会話ゲームは「みんなが楽しく会話ができた」という勝利条件のために…

自分に何ができるか
どんな手が、何をしたら有効なのか

ということを考えて、勝利点を稼ぐためのルールを理解して、そのルールに則って会話のやり方を考えていくのが重要です。

もちろん気まずい会話になってしまった、会話を楽しめない人がいたという、敗北条件もあるのだな。

みんなで負けるか、みんなで勝つか、そういう協力ゲームです。


このルールをふんわりと共有している人もいれば、平気で無視してチームを敗北に突き進ませる人もいます。

自分はどちらに回るのか、暴走をくいとどめてみんなで楽しむ方向に行くのか。

ぜひ考えてみてほしいです。

■人が話して「楽しく」なる、最もかんたんな仕組み

みんなで会話をして、みんなが楽しくなるにはどうしたらいいのか
「会話で人間が楽しくなる仕組み」を理解するのが大事です。

その楽しくなる仕組みで最も簡単なもの、それは

「自分が話したいと思っていることを思う存分話して、人に聞かせること」です。

これをするだけで人は簡単に気持ちがよくなれます。楽しくなってしまいます。

自分のパターンに置き換えてみてほしい。

語りたくてしょうがないこと、人に聞いてもらいたくてしょうがないこと、そういうことを思う存分話して、とても良いリアクションで反応され、喜ばれたり、感謝されたり、感心されたりしたらどうだろうか。

あなたは気分よくなってしまうのではないでしょうか。

ちなみにキャバクラやホストクラブというような夜の接客業は
そういう人の習性をお金に換えています。

で、大事なのはこれを利用して「会話をみんなが楽しめるもの」にすること。

これが会話が苦手な人のミッションです。

会話ゲームに勝利するために、この人間心理の仕組みを利用しましょう。


■相手に楽しくしゃべってもらって、会話を楽しもう


つまり会話ゲームを勝利に導くぞ!と決意したあなたは

会話の参加者にたくさん話してもらって、気分よく、気持ちよく話してもらわないといけません。

基本のスタンスとして決して「自分がたくさん話して、自分が気持ちよくなろう」と思ってはいけません。

「会話で何を話せばいいのか」そういう悩みから、だいぶ違う悩みに変わったんじゃないかと思います。

「自己PRは?」
「相手からすごい人だって思われないと…」
「共通の趣味で盛り上がらないと…」

そういった悩みを持っていた今までの状況とは違う、より具体的な別のステージの悩みになったんじゃないかと思います。

「自分が何を話すか」ではなく「相手に何を話させるか」

つまり

「相手に気持ちよく話をしてもらうために、自分が何を話せばいいのか」

という話になります。



■自己顕示欲はいらない

この「相手に何を話させるか」をやるときに、自己顕示欲を出すと大変なことになります。

つまり

「自分の話を聞いてもらいたい」
「自分の存在をアピールしたい」
「すごいと思われたい」

こういった欲望は邪魔になります。

なんかいいこと言えたから、この会話は成功だった!と自分がひとりが気持ちよくなっても会話は失敗です。

むしろ相手の自己顕示欲を満足させ、自分は
「相手を満足させることができた」
ということに満足感を抱いてほしいのだな。


■まず相手にどんどん喋らせよう!

ここから具体論に入ります。

会話ゲームでみんなで勝利するための基本的な姿勢は
「相手にどんどん喋らせる」こと。
相手が喋ってくれる限り聞き手に徹する。

このとき、絶対にやってはいけないことや、やるべきことがあります。

やってはいけないこと
・話を聞いてないと思われてしまう振る舞い
・相手の話を遮って話し出してしまうこと
・相手の話を真っ向から否定すること
・無表情、無反応、関心を示さない
・質問しない

やるべきこと
・相手の話を聞いていると態度で示す
・相手の話を遮らない
・相手の話を否定しない
・相手の話に反応して、表情を変え、関心を示す
・興味、関心があることについて質問をする

これらです。

箇条書きでまとめてみてもらえれば傾向は読めると思うのだが、リアクションの良い聞き手、もっと言ってしまえば「良いインタビュアー」だったり「ライブのMCに反応する観客」みたいな態度を意識して取ればいいのだ。

ライブでアーティストが
「アリーナー!!」

観客「ウォー!」

「2階〜〜!」

観客「ウォー!!」

と観客がやるような感じです。

相手は、すごく気持ちいい。そうやって相手が盛り上げたい!話しを聞いてもらいたい!ということに、自分は「良い観客」として最大限応えればいい。

こういうコール&レスポンス、よびかけと反応がテンポよく決まると、“お互いに”気持ちがいいのだ。会話ゲームはいよいよ勝利に近づいていきます。

■会話は音ゲー

つまり、といってしまうと問題があるかもなのだが
会話は音ゲーなのです。そういう要素はかなり大きくある。

テンポよく相槌を打つ、相手が気持ちよく話せるように
リアクションの言葉を打つ、
相手の話でサビのフレーズ、「決め台詞」が出たらきちんと感心する。

そういう要素がどうしても必要で。

これも、内心では相手に舌を出しながらやる、というのを勧めているわけではなくて、できれば本心からやってほしい

相手のためだけでなく、自分のためだけでなく
会話に参加しているみんなのために行ってほしい。

相手の気持ちよさそうなしゃべりのリズム、メロディを邪魔しないようにテンポよく相槌、合いの手を入れる。

相手のギターソロが終わったら、こちらの番。
そのギターソロに応えるような感想と質問を奏でて相手に返すのだ。

またそこから相手の独演が始まる。

そうやって会話というフリージャズのセッションを楽しんでいく。

■会話が苦手な人は多少大げさにリアクションを

非モテオフ会という、非モテ男性と女性のコミュニーケーション練習のためのオフ会を主催していて何度も思ったことなんですが

コミュニケーションが苦手という非モテ男性の方に、人の話を聞いているときの反応が薄く、表情がかわらない、質問もしないという人が結構多く見受けられます。

「へえ〜」でも「ほ〜」でも「わっ」でも「ふふっ」でもなんでもいいのですが

「あなたの話をたのしく聞いていますよ」というメッセージは発していったほうがいいと思います。とても大事なポイントです。反応がないと壁に話しているのと変わらない。

ここで、薄々気づいてきている人もいると思うのですが
こういった自分の「反応」も、相手にとっては「メッセージ」として伝わります。

相手の話を聞いているだけなのに、きちんと反応を示すだけで、こちらのメッセージが相手に伝わるんです。

つまり立派なコミュニケーションになっているんです。
これぞ会話。

どのくらいのテンションでリアクションをすればいいのか
それは「相手のテンションに合わせる」のが良いです。

相手が楽しそうに話すならこちらも楽しそうに、
相手が悲しそうな話をしているなら、悲しそうに
テンションが高ければ高く、低ければ低く

相手をよく見て、観察して、テンションについてもしっかり把握して
相手に合わせて自分の調子も変えていきましょう。

きちんと、自分の感情を反応にのせて示しましょう。

■質問は「YES/NO」で答えられないものを

相手に気持ちよく喋らせる、語らせる時に
良い質問をすることで相手の勢いを更に強めることができます。

「私の話にこの人は興味があるんだ!」
「私の話にこの人は理解を示してくれる!」

こう捉えてもらえれば、相手はもっと会話が楽しくなる。

その質問をする時に「YES/NO」で答えられる質問はしないのが良い質問をするコツです。

聞かれた側が、YESNO以外の言葉で深く熱く語れる質問が良いです。

例えば…さかなクンを想像してみましょう。

どんな質問をしても楽しそうに語り尽くしてしまいそうな雰囲気がありますが…

例えば
「その魚は食べられますか、食べられませんか」

こういう質問をしたら
「食べられますor食べられません」という回答が返ってくるのだ。
食べられるならこういう食べ方があるよ、とか、
美味しいとか不味いとか語ってくれるとは思うんですが

そうではなくて
「この魚の、他の魚と違う点はなんですか?」
この質問をできたら、それはいろんな予想もできないような語りを
さかなクンはしてくれると思います。

なにせ、さかなクンは魚に詳しくて、魚について語るのが大好きなので
たくさん楽しく思う存分語ってもらったほうが、さかなクンは楽しいと思います。

聞いてる側としても、楽しそうに話すところを見るのは楽しいのだ。

そういう「YES/NO」で答えられない質問をして、
相手の話をもっと深く掘り下げてみましょう。

 

■相手が「自分から話してくれないタイプ」だったなら

連載第5回の「会話相手は3パターン」のうちの、自分から話してくれないタイプだった場合、どうするか?という問題があると思うのだ。

相手がぜんぜん話してくれないから、相手がたくさん話して楽しくなるという技が使えません。

こういう場合

相手が話したくなるまでこちらが「話す→質問する」を繰り返す技を使うのがよいです。

どんな話題の質問をすればいいのか?それはもちろん、相手についての質問です。

自分から話してくれない相手というのは

・緊張して話せないというパターン
・何を話していいかわからないパターン
・こちらに警戒をしているパターン

色んなパターンがあります。

緊張して話せない、何を話していいかわからないパターンの人には
質問をするというのは有効です。

そして、質問をするために色々と自分が話すことで相手の警戒や緊張が解けるパターンもあります。

自分の話も交えつつ質問をする、といったテクニックもつかってみましょう。

アイスブレイク」という会話のネタがあります。興味のある人はぜひ調べてみてほしいです。

このあたりについてはまた別の回で話していきたいと思うのだ。


■会話はゲーム、楽しい会話はグルーミング(毛づくろい)

生物学の分野の話になりますが、猿の群れの大きさというのは、群れで行われる全体の「グルーミング」の時間に比例して大きくなるんだそうです。

毛づくろいをしている時間は脳内で快楽物質が出て気持ちが良くなる、その気持ちよさの量に応じて猿の個体同士の繋がりが大きくなっていくそうなのです。

つまりグルーミング上手の個体というのは大きな群れ、ネットワークに所属出来る確率が高くなります。

この毛づくろいというのはいわば「深い意味」は無くても「気持ちの良いコミュニケーション」です。

そして自分は今回の『会話はゲーム』という項目で、ゲームに勝利することで「気持ちの良いコミュニケーション」を取ろう、ということを勧めています。

つまり「会話ゲームに勝利し、気持ちの良いコミュニーケーションを取ることで、沢山の人と好意的なつながりを作ろう」ということが言いたかったのです。

好意的なつながり、関係性は、つまり友人や恋人といった関係性にも発展しうる。

そして、一番気持ちのいい「毛づくろい」的な気持ちのいい会話は…案外「無駄話」だったりもします。


■楽しい無駄話で「無意味」を楽しもう


よくコミュニケーションに悩む人は「なにか立派なことを話さないと」「なにか良い質問、良い議論ができないと」と悩むかもしません。

しかし、会話ゲームに勝利するには「参加者みんなが楽しければいい」。

立派ではない、意味がない、無駄、無意味な発言、そんな会話を文字通り「無駄」と切り捨てるのではなくて、そんな無駄や無意味を他人と共有する楽しさを知ってみてほしい。


それによって会話の幅も、会話できる相手の種類も、より多彩になっていくと思います。

文化の90%は無駄とゴミとカスでできていて、文化的に高尚とされるものはその10%の上澄みである、というような話を聞いたことがあります。又聞きなので出典はわからないんですが…

つまり90%の無駄がないと文化というのは成り立たないわけです。それを排除したら文化という山が低くなるだけ。大量の無駄とゴミとカスを積み重ねた先にやっと高尚なものが生まれます。

会話も、およそ90%は無駄話と思ったほうが良い。無駄な会話にイライラするというのは、だいたい90%の時間は会話でイライラしているということになります。

会話は無駄話でもともと、その無駄を使っていかに気持ちよくグルーミングし合うかが、人と仲良くなるポイントです。

会話はゲームである、勝利条件は会話したみんなが楽しかったと思えること。

そのために何が出来るか、今回書いたこと以外にもたくさんのことが考えられると思います。

みなさん、自分なりの「楽しませ方」を考えつつ、自分の「楽しみ方」も考えてみましょう。自分が楽しめなかったのなら、会話ゲームは負けです。

ぜひ、会話を楽しんでいきましょう!


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