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ギバー型ビジネスとテイカー型ビジネス【2019年の学び】

今回のNoteのテーマは「ギバー型ビジネスとテイカー型ビジネス」です。
よくある1年の振り返り的なものも兼ねて2019年12月31日に書いてます。笑

僕は今年も去年に引き続き多くのアップサイドの方や意識高く行動している同世代などに会ってきましたが、そこで妙な違和感を覚えることがありました。
具体的にはこの人お金は稼いでいるけど何か引っかかるなぁ、と感じることがありました。

僕は何かを決める時だけではなく人に対しても直感的に判断することが多いので、そんな時はめちゃくちゃ知識もあって頭の回転も早い人でも直感的に「この人に付いていきたい」と思えなかったりするわけです。

1回生の時からそれがずっとモヤモヤしていたのですが、今年を振り返った時にやっと言語化できたので2019年一番の学びを忘れないように明文化して残してしておこうと思います。

今回の記事は6045字で読了目安は15分です。

違和感の正体

長々書いても読んでもらえないと思うので、結論から言います。

「人から何かを搾取する(TAKEする)商売をしている人にはあまりいい印象を持てない」
というのが結論です。

そんなの当たり前じゃないかと思うかもしれませんが、少し話をしただけで見抜くのって結構難しいと思います。

僕は以前から「その人(ビジネスオーナー)自身の性格がやっているビジネスに大きく反映されている」という仮説を持っていたのですが、2019年に新しく経営者の方約30人とお会いしていただいてその仮説がほぼ確信に変わりました。
(この30人の中にはMLMの経営層の方や情報商材を売っていたりする方も含まれます。)

まず、ビジネスには沢山の種類がありますが大別すると2つになります。
ギバー型ビジネステイカー型ビジネスです。

ギバー型ビジネスをしている人は、
いつも幸せそうで、自分の所有しているビジネスについてすごく熱く語っていただけるので「この人から色々学びたい!」と思います。

一方でテイカー型ビジネスをしている人は、
一見物腰の柔らかい人が多いのですが目の奥がギラギラしていて、対人で関わった時になんだか怖い雰囲気の人が多いです。

僕はこれが違和感の正体だと思いました。
(ほとんど感覚なので言語化するのが難しいんですよね。伝わってますでしょうか、、、?)

結局このNoteで伝えたいことは以上なのですが。笑
せっかくなのでこれに気付くことが出来た背景である「ギバーとテイカーの違い」を説明して、読んだ人がギバーとして今後の人生を生きようと思ってもらえるように記事を書こうと思います。

_________________________

この違和感の正体に気づいたのは『GIVE&TAKE』(アダム・グラント著)という本を読んで著者に興味を持ち、TEDのこの動画を見たのがきっかけです。
https://www.ted.com/talks/adam_grant_are_you_a_giver_or_a_taker?language=ja#t-796140

アダム・グラント氏が言うにはどんな職場にもギバー(与える人)、テイカー(奪う人)、マッチャー(損得のバランスを取る人)という3種類の人々が存在するといいます。

このプレゼンはどんな組織が理想なのかを説いていくという内容ですが、僕はこれをビジネスに写像してみると見えてくるものがありました。

ひとえにビジネスといっても沢山の種類があリます。
モノを売るのもビジネスだし、サービスを提供するのもビジネスです。
好きなアートを表現するのも、何かを評論するのも、他人にアドバイスをするのもビジネスになりえます。
広義で捉えるとマルチ商法やMLMだって一部の人にとってはビジネスだし、もっと言えば詐欺や人から搾取して食べている人にとってはそれさえビジネスかもしれません。

このようにビジネスには善悪問わず沢山の種類がありますが、最初に書いた通り大別するとギバー型ビジネスとテイカー型ビジネスの2つになります。

例示しながら説明します。

1.ギバー型ビジネス

ギバーはものをGIVEすることで利益を得ます。
しかし、ただあげてるだけでは利益は得られません。
ではギバーはどうやって利益を得ているのかと言うと、付加価値を付けて相手にGIVEすることで利益を得ています。
その付加価値の分がお金という定量で測定可能なものになって返ってくるということです。

ただし付加価値は普遍的なものに付けたほうが安定した商売ができます。

僕がこれについて説明する時によく例に出すのは「ミッキーマウス」と「芸能人」です。

「ミッキーマウス」は「ネズミ」という普遍的なものに「夢の国」とか「可愛さ」とかを足して出来ています。
長い時間をかけて築いたブランドは簡単に崩壊することはありません。
おそらくDisneyが何か不正をして問題になっても、ミッキーマウスに対するイメージは下がリにくいはずです。

対して「芸能人」は価値は特殊です。
「芸能人」自身にブランドや価値が付いているので、スキャンダルが発覚すると一気にイメージが落ちます。
薬物使用や浮気・不倫が発覚すると、CMも打ち切られるし、テレビも出れなくなります。
おそらく僕たちが思う以上に不安定です。

例えば薬物疑惑がかかった芸能人がいたとします。
本当に疑惑だけで薬物をしていない場合でも、悪魔の証明を強いられることになるので実質的には疑惑がかかった段階でアウトですよね。

ほんの少しの妬み嫉みが原因で積み重ねてきたものが一気に崩れるかもしれない厳しい世界です。。。

共通点としては両者とも価値がお金という定量的なものになって返ってくるのですが、安定性・永続性の観点で見ると付加価値は出来るだけ普遍的なものの上に乗せて商売したほうが良いわけです。

加えて、ギバー型ビジネスは
付加価値の分だけお金という対価がもらえるので、
「お金を稼ぐこと」=「新たな価値を創出している」ということになります。

価値の種類は先述したようにブランド力だったり、目に見えるモノだったり、お得感だったり、満足感だったり様々です。

めちゃくちゃたくさん例があるんですが
身近な例でいうとファストファッションなどでしょうか、
H&MとかUNIQLOとかで言うと

①安くて
②オシャレで
③機能性も高い
④しかもブランド価値もある

みたいな感じです。

ここで確実に言えるのは、
ギバー型ビジネスがグロースしていくことで財やサービスの受益者はみんな幸せになりますね。

世の中の時価総額TOP100くらいの企業はおそらく全部ギバー型ビジネスなんじゃないでしょうか。
要は社会的もしくは物質的に価値があって多くの人を幸せにしているビジネスってことです。

2.テイカー型ビジネス

一方でテイカー型ビジネスは人から奪う(TAKEする)ことで利益を生み出します。

奪う方法は様々で、暴力的に奪ったり、騙したりして奪うこともあります。
後者の場合、情報弱者は騙されたことにさえ気づいていない場合があるのでかなり危険だと思います。

2019年は色々なタイプのテイカー型ビジネスのオーナーさんを見てきた気がします。

僕は直接関わったりはしていませんが、友達がテイカー型ビジネスに引っかかってしまったり、勧誘を受けたりと色々と勉強になりました。笑

テイカー型ビジネスは殆どがゼロサムゲーム(Zero-sum Game)やマイナスサムゲーム(Minus-sum Game)です。
つまり市場参加者の利益と損失の総和(=SUM)がゼロかマイナスになるゲームです。

例えば、大学生でも親しみのある麻雀やポーカーは分かりやすいゼロサムゲームです。

イメージしてもらえると分かりやすいのですが、ポーカーなんかをしていると勝者は必ず一人で、

・Aさんが500$勝つ。
・Bさんが200$負ける。
・Cさんが300$負ける。

といった状態になります。

全部足すと0$になり、Aさんの1人勝ちですよね。
こういうゲームのことをゼロサムゲームと言います。

僕がスキマ時間にしている外国為替証拠金取引(FX)も同じで、
二国間の為替の取引を行うので市場全体の価値が上がるという事はありえません。
一方のレートが上がれば、もう一方のレートが下がるのでゼロサムゲームが成立します。
(厳密には運営側の控除率があるのでマイナスサムですが)

ちなみにマイナスサムゲームは
複数回参加すれば必ず負けるゲームのことで、市場参加者は殆どの場合搾取されています。

例えば国営ギャンブルである宝くじの還元率は46.5%です。
つまり100億円分の宝くじを売り出したとすると46.5億が当選者に配られ、残りの53.5億は丸々運営側の粗利益になるってことです。

やばいですよね。(語彙力w)
宝くじは完全に運営が参加者から搾取することを目的としたルールのゲームになっています。

友達10人集めて
「みんなから1万円ずつ集めて5万円は俺が持ってくわ。残りはくじで当たった数人に還元するから。」
って言い出したら
「こいつバカなんじゃないか」
って思いませんか。笑
でも仕組みとしてはこれと同じです。

もちろん「当たったらいいな」という期待を込めて「夢」を買ってるんだと言われればそれまでなんですが、合理的に考えれば絶対参加しないほうが良いと思います。

ですから、どうしてもギャンブルがしたいなら
株やFXの短期トレードをするか、リアルマネーでカジノをするか(海外でやってくださいね)だと思います。

これらはやり方によっては控除率がマイナス(還元率がプラス)になります。
少なくとも宝くじや競馬の数十倍は勝ちやすいです。 

というのがゼロサムゲームとマイナスサムゲームの説明です。
もっと詳しく知りたい方はゲーム理論の本を読むと出てきます。
ゲーム理論の中でも僕の一番好きな分野なのでぜひ読んでみて下さい。笑

さて、テイカー型ビジネスの説明に戻ります。
先述した通り、この種類のビジネスは分かりやすく、相手からTAKEする形のビジネス全般です。

例えば、泥棒とかお金だけ出させてトンズラする投資詐欺とかポンジスキームなどが代表的です。

しかし面白いことに利益を出すスキームはギバー型ビジネスと同じで、付加価値を上乗せすることでその分の利益を相手から得ます。

だけど問題なのは「売るものに価値がない」ということです。

「本当は1万円の価値しか無い商材を50万円で売りたい!」と思った時、どうしますか?

価値があるように見せなければ売れませんよね。

つまり商品本体の価値に上乗せして49万円分の価値をあるように見せかけることでモノを売ります。

だからテイカー型ビジネスオーナーはそこに「幻想」を上乗せします。
ハラリ氏のサピエンス全史に書いてある言葉を使えば、客に対して「虚構(fiction)」を見せるわけです。

高級なホテルラウンジなどで、全身をブランド品で固めて、数百万円の時計をつけて「あなたもこれを買えば僕みたいにお金持ちになれますよ」って幻想を見せながらクロージングします。

空っぽの情報商材を売ったり投資詐欺をしたりする人がなぜ札束の画像をSNSに乗せたり、高級車に乗ってるフリをしたりするかというとそういう幻想を見せる必要があるからだと思います。

これは非常に書きにくいにんですが、
ホストやキャバクラ、最近だと地下アイドルなんかも「幻想を見せる」ことがメインの仕事になってきている気がします。

もう少しお金を使えば
結婚できるんじゃないか、付き合えるんじゃないか、ヤれるんじゃないか、みたいな幻想を見せてお客さんからお金をTAKEしているように僕には見えます。
ある先輩にこのことを言ったら「それは違う」と言われましたが、お酒の値段設定を見ても僕にはやはりそう見えます。

なぜならコンビニにそういったお酒が同じ値段設定で売られていたらおそらく買わないだろうし、同じファン商売でも世界のトップアイドルに対してはこういった感情を抱かないと思うからです。
(関係者の方がいたら申し訳ないです。あくまで主観ですので。)

テイカー型ビジネスの説明だけ長くなってしまいましたが、つまり何が言いたいかというと、

テイカー型ビジネスはゼロサムかマイナスサムの上に成り立っていて、「幻想」や「虚構」を上乗せすることで本来ある価値以上の対価を得るビジネスである

ということです。

その価値は奪い取った、もしくは騙し取ったものであるのでテイカー型ビジネスをしても世の中のためにはならないし、なんなら不幸な人まで作ってしまっています。

ポーカーやFXなんかは「自己責任」という謳い文句のもと、市場参加者それぞれがリスクリワードを考えて参加しているのでまだゲーム性があり面白さを見いだせますが、本来価値のないものを売りつけるような商売を本業としてゴリゴリやっていくのは辞めた方が良いと僕は思います。

まとめ

結論として僕が2019年に学んだ(というより言語化出来た)のは、

①商売をするならはギバー型ビジネス(プラスサムゲーム)をするのが好ましい
②テイカー型ビジネスには出来るだけ関与しない方が好ましい
③モノを売買する時、その価値がリアルなのか幻想(虚構)なのか自分の頭で考える

の3点です。

あくまで主観ですが、とりあえずこれを抑えておけば周りの人も自分も幸せになるようなことが出来ると思います。

特に大事なのは③で、自分を必要以上に大きく見せようとしている人はほぼアウトだと思います。

具体的にはTwitterのBIOで、

X億円を運用する投資家 / ビジネスを初めてXヶ月で月収100万達成 / 史上最年少で〇〇 / 現在年収X億円 / 

みたいな人が居ますが、僕はそういう人は99%テイカーだと思います。
というか間違っていたら謝れば済む話なので、初対面はテイカーだと思って接すればいいと思います。

日本の大企業で考えるとわかりやすいんですが、彼らは必要以上に大きく見せたりしません。
トヨタ自動車が「俺たちは日本で一番の時価総額だぞ、エッヘン!」とかやりませんよね。
こうやって自分たちを大きく見せるのはテイカーのやることです。

ブリヂストンがCSR活動の一環としてタイの子どもたちを支援しているのも彼らはギバーなのでギバーとしてのメッセージを発信しているからです。

とまぁこんな感じで、僕の意見としては「テイカーよりもギバーの方が世の中的には良いと思う」ということを書いてきたわけですが、極端に考えるのはダメだとも思います。

(すいません。どっちやねんって感じですよね。笑)

なぜなら誰しも奪う瞬間と与える瞬間があるからです。

営業へ行って他愛もない話をしている時に相手がつまらないと思えば他人の時間をテイクしていることになりますし、自分が遅刻したりして相手を自分の都合で振り回しているときも他人の時間をテイクしています。

ハンムラビ法典には「目には目を歯には歯を」という有名なフレーズがありますが、これはめちゃくちゃテイカー的思想だなって思ったりもします。

ただ、僕だってやられたらやり返すタイプの人間だし、100%ギバーだといい人すぎて利用されて終わりです。
要はバランスが大事なんです。そこのバランスは各々の性格に依るので自分で決めればいいと思います。

とりあえず僕の中で2019年の学びとして大きかったのは、ギバーとテイカーの考え方が出来るようになったことです。

すごく使える考え方だと思うのでぜひ活用してみて下さい。
お読みいただきありがとうございました!


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