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人生を煙に巻いて生きて行こう。

いきなりの自分語りで申し訳ないが、僕は結構「他人事」な性格だ。他人が幸福になろうが不幸になろうが、自分に影響がないならそれはさして重要ではない。どこかの呪いの王ではないが、己の快・不快のみが判断の基準というのは非常に納得できる。
唯一の例外は彼女ぐらいだ。彼女が笑っているならば、多少なら損を負う。負ってもいいとおもう。そう思うがゆえに自分がこれだ!と思うものを押しつけてしまうこともあるが。
まあとにかく、トロッコ問題だとしても迷わない。
親族5人と彼女一人でも迷わない。

まあとにかく、こんな性格だ。
そして世の中の大多数はきっとこうではない。
大多数の人はみんな僕より優しくて、人間的に出来ている。
自分は悪くないのにすみませんと謝ったり、常に相手の目を見て、相手のことを考えて話すような、優しすぎる人もいるぐらいだ。

でも同時に思う。傍若無人な僕ですらたまには疲れたなと感じる日もあるのに、どうしてみんな疲れないのだろうか。疲れてもそれを表に見せない(見せられない)のだろうか。内にため込んでいるのだろうか。

だとしたらそんなあなたに、僕はシーシャを勧めたい。
文化的にも知識としても僕は詳しいわけではないけれど、とにかくあの空間に惚れ込んでしまったのだ。
だからこれは、勤勉なあなたに自堕落な僕が送る、享楽的で、刹那的な悪魔の声だ。
「今日会った嫌な事や、疲れや悩みは何も解決しないけど、煙に巻いて生きて行こうぜ」というモルヒネのようなものだ(依存性はないが)。

事前に準備するものは特にない。強いて言うなら、スタッフさんに伝えるシーシャの味を考えておくぐらい。クッキークリーム、とか紅茶、とかそんな程度でいい。

後は2,3時間滞在するので、読みたい小説とかあれば尚よしといったところ。
恐らく大体のシーシャ屋さんは立地と見た目がなかなかに入りづらいところが多い。そして店員さんの見た目もファンキーな確率が高い。
だが見た目に反して、かなり優しい人が多いので臆せず店に入って話してほしい。
オーダーさえ済ませれば、あとは店員さんがすべてやってくれる。吸い方も教えてくれるし、煙の様子も見てくれる。
ただ一つだけ、いや二つだけ言うならば、①初めてシーシャに行くときはお酒の注文をしない、②吸った後は少なくとも30秒は寝かせておくとよい、の二つだ。
①は単純にヤニクラ、アルコール、酸欠が重なってしまえば、人間ぶっ殺しゾーンが完成してしまうので。②は味的にも肺的にも少し時間を空けて吸うのが良い。
ロングブレスダイエットみたいに息を吐くのではなくもわっと煙を吐き出した方が揺蕩う煙をよく見れる。
5分10分吸っているうちに、少し体が重くなってくる。そしたらあとはあなただけの時間だ。
好きな本を読むのもいいし、誰かと話してもいいし、ただ浮かぶ煙を眺めてもいい。

そして最後に、外に出たら一度深呼吸をしてほしい。いつも吸っている街の空気が少しだけ澄んで感じるはずだ。

そして家にまっすぐ帰って寝てしまえば、現実は何も変わっていないのになぜか次の日を迎えられる。憑き物が落ちたような、とまでは言わないが、憑き物の角が取れたような気がする。何とかなるような気がする。

この世に明確な解決策なんてある方が少ないが、その中でなんとなく解像度を落としてくれる存在。
だから僕はシーシャが好きなのだ。

というわけで、たまにはつらいことに向き合うんじゃなくて煙に巻いて逃げていいんだよというメッセージを込めた、シーシャのご紹介でした。

次回から、自宅シーシャ編が始まります。

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