アメリカの龍騎と仮面ライダーウィザードやってた頃の思い出

昨日に引き続きまして。
ではスーツアクターとは何が違うのでしょうか??
外見から解放されているという意味では同じな気がします。実際、役者さんよりもスーツアクターさんの方が感覚は近いです。
でも最後の最後越えられない外見があります…

身長・体格ですww

流石に身長160センチにも満たない身長で戦隊やライダーを着るのは無理です。
体格に対して、面をはじめとした装具が大きく、ちんちんくりんに見えてしまいます。

仮面ライダーウィザードも、常にはリスペクトが止まらないレジェンド、高岩誠二大先輩が超かっこよく演じられてるので、スタイルに恵まれてない自分が中をやるのは気が重かったものですww 
ただ実際には高岩さんが、アクション監督の石垣さんと共に動きの前後や現場全体のことなど様々なことにご配慮くださり、私のスキルを充分発揮出来る環境にしてくださったので大暴れさせてもらえました。今も感謝しております。


ここからは一旦モーキャプ関係なく、自分の思い出話に振ります!
10日間続いたので許してください。

国内ならまだマシなもので、仮面ライダー龍騎のアメリカ版【仮面ライダードラゴンナイト】に参加しているときなんか、周りが全員180センチ越えのアクターばかりなので、、、
まースーツの似合うこと似合うこと。どうやったって私は見劣りしてしまいますね。

(この写真は監督が出してたから大丈夫だろうww 真ん中左がエイリアンの造形なども手がけられていたスティーブ・ウォン監督。後めっちゃちゃお世話になり可愛がって下さった野口さん、前田さん、中村さん)

さらにいうと、先ほども触れた装具。
これも日本が誇る優秀な造形部さんたちが可能な限り軽く作ってくださってますが、それでも
体重80キロの人が身につける2kgと
体重50キロの人が身につける2kgでは比率が違いますよね。海外のスタントマン達は装具を付けていてもさして影響なく軽々動いているように見えて、当初悔しかったです。

とはいえハンデがあると研究し始めるものです。(出た!日本一理屈っぽいモーションアクターww)その中でも彼らに負けないようにXMAやtrickingの動きを取り入れていくためにそこでもまた色々なテクニックを開発しました。

例えばですが重いものを持ったり、身につけてたりすると普通はジャンプの高さは低くなってしまいますね。 アクロバットなどもバランスを崩してしまいます。

しかし大地や壁など、固定物に触れている間に、その重いもの先に加速させてしまっておけば、実際に技に入る時にはその重さの影響をほぼ受けずに済みます。

そして空中においては、事前に加速させていその物体に引っ張ってもらったり、軸にさせてもらうといった身体操作を利用すると、なんなら普通より高く飛べたりとハンデは大きく解消できたりします。

自分はこれを勝手に、
【モーションアクターの呼吸 一の型 事前加速!!】と呼んでいました。 (嘘です、今考えました。そしてダサいww)

文章にすると面倒くさいですが、スーツアクターさんは初めとする優秀なパフォーマーの方々は皆さんは自然にやってることだと思います。
でも理論で理解しておくと、様々な状況に対する修正が早いですね。どうしても最後にバランスが崩れてしまうといった場合でも修正が早いです。根性で! 気持ちで! は最後の最後に取っておきます。


今のは一例ですが、他にも発見した様々なテクニックは、帰国後ウィザードに抜擢していただいたときも存分に活用させてもらいました。

最近は真剣持って、アクロバットしながら空中で藁えお切ったりもしてますが、それもこれらのテクニックの応用でやってます。


モーションアクターはスーツはほぼタイツなので、見た目はイケてないのかもしれませんが(自分は好きなんですけどね?トロンみたいで。)、自分にとっては重さの影響を受けずに常に一定の環境で全力で動きにこだわれる最高の環境でなのです。
ふう、ようやくモーキャプに帰ってきました。

ただ身長・体格の話でひとつ補足をさせて下さい。
リアルな等身大のキャラを演じるときには骨の長さが違いすぎると、後で修正が大変なのでモデルと近い身長の方のキャスティングを好まれます。
なので当然、完全自由というわけではありませんが、ハイレベルなアクターはそれすらもモニター見ながら修正していきます。
色んなことに挑戦させてもらえて楽しいですよ。

以上、昨日は役者としての立場、本日のはスーツアクター・アクション・スタントマンとしての立場から見たモーションアクターの特異性についてでした〜

いいなと思ったら応援しよう!