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関西学生野球2021年春季リーグ戦を主観で振り返る

令和3年度関西学生野球春季リーグ戦は関西学院大学が28年ぶり6回目の優勝を飾り、全日本大学野球選手権への切符を獲得しました。近年では近畿大学、立命館大学、関西大学の3校が優勝を争うリーグが多かったのですが、関西学院大学の今年のスローガン「執念~関西をひっくり返せ~」にあったように見事に関西をひっくり返してくれました。関西学院大学にとって久しぶりの優勝を飾った今シーズンの関西学生野球を振り返っていきたいなと思います。

※かなり主観的な内容になりますが、ご容赦ください。

令和3年度関西学生野球春季リーグ開幕!

昨春はコロナウイルスの感染拡大の影響を受け中止。昨秋はリーグ戦を開催できたものの無観客での開催。そして今春、2019年秋以来となる観客を入れての開催となりました。私自身も久しぶりに関西学生野球を生で観戦できることにワクワクが止まりませんでした。そしていざ開幕。

開幕戦を戦うのは立命館大学と関西学院大学でした。立命の秋山選手(③愛工大名電)と関学の黒原選手(④智辯和歌山)の息詰まる投手戦が繰り広げられました。試合が動いたのは6回表、立命は好機を作ると桃谷選手(②履正社)のタイムリーで1点を先制します。この桃谷選手、履正社の甲子園優勝メンバーで昨秋も1年生ながら試合に出場し活躍をしていたため、生で観られるのを楽しみにしていました。今後も非常に楽しみな選手です。試合はその後立命が塚原選手(④創成館)、高塚選手(③立命館慶祥)の継投で逃げ切り勝利を収めました。関学は再三チャンスを作るもあと1本が出ず。

一方2試合目は関西大学と同志社大学の試合でした。優勝候補筆頭の関大は2019年の神宮出場経験者が多くスタメンを連ねる中、同大は昨秋からガラッと選手が変わった印象。試合は初回から関大が安藤選手(④西条)のヒットを皮切りに久保田拓選手(④津田学園)のタイムリ―で先制と実力を見せつける鮮やかな攻撃。この強力打線に対して、同大は小刻みな継投でピンチを切り抜けていく。1点差として迎えた7回裏、チャンスを作るとパンフレットにはまだ記載のなかった浅野選手(①大阪桐蔭)が代打で登場。彼のタイムリーで同点に追いつくと、今村選手(②今治西)の犠牲フライで勝ち越し。終わってみれば同大は7投手の継投で関大打線を3点に抑え見事な先勝を飾った。

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開幕の2試合を観戦し、関学は負けはしたもののベンチの雰囲気がとても明るく、今年はそこそこやれてもいいんじゃないかという感想。同大も優勝候補の関大相手に小刻みな継投と粘っこい打線で見事な勝利。今年の関西学生野球はいつも下位に沈むこの2チームが上位のチームとやりあえる気がして今後が楽しみになりました。

第1節2回戦は関学が立命に何度も追いつかれるも最後は振り切って1勝1敗のタイに。関大も意地を見せ同大に完勝し、こちらも1勝1敗のタイに持ち込む。第1節3回戦、同大が関大に勝ち勝ち点を獲得。今年から監督を務める花野監督の采配が光る第1節であった。雨天順延等もあり関学と立命は4節の前に行われたが、関学も黒原選手(④智辯和歌山)が見事に完封し、勝ち点を獲得。リーグとしては非常に面白いスタートであった。

関関戦!

関西学院大学と関西大学の試合は伝統の一戦で関関戦と呼ばれており、例年春は甲子園球場で行われる。今年は例年より早く第2節で関関戦が組まれていた。この関関戦が有観客で観られたのは本当に良かったです。関関戦1戦目、関学は怪我で出遅れていた髙波選手(③川越東)がセカンドの守備でスタメンを務め超攻撃型打線に。早速関学が初回に大谷選手(④大社)の犠牲フライで鮮やかに先制すると、黒原選手(④智辯和歌山)が7回4安打無失点の好投。さらにリリーフで登場した西選手(③福岡大大濠)も2回4Kと圧巻のピッチングで試合を締め見事先勝。

関関戦2戦目は4回に試合が動き、関学が石井選手(②大阪桐蔭)、佐藤海選手(③市尼崎)のタイムリーなどで一挙に4点を先制し、関大先発の定本選手(③三重)を攻略。その裏関大は無死満塁のチャンスを作り、上神選手(③佐久長聖)の内野ゴロ、小河選手(③大社)の犠牲フライなどで2点を返す。5回以降関学は西選手(③福岡大大濠)へ継投。昨日に引き続き、関大打線に対して力のある球を投げ続け5回を無失点に抑え、関大から勝ち点を獲得。伝統の一戦で久しぶりの勝ち点となった。

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これで関大は同大に続いて勝ち点を落としてしまう。2019年秋の神宮大会経験者が多く実力者揃いなのは間違いないが、少し歯車の合わない感じ。きっと選手たちはめちゃくちゃ悔しいし、なんで勝てないのかと悩む序盤だったのでは…。私自身もそんな選手たちを観ていると少し心が痛くなりました。

第4節!からの…

第3節は京都大学と近畿大学がそれぞれ初戦を迎えました。結果は近大の打線が活発で2勝し勝ち点を獲得。今年は関学と近大の2強ムードがこのあたりで若干匂ってきました。そして迎えた第4節。京都大学はコロナの影響で活動ができず辞退し、関西学院大学が不戦勝という形に。同志社大学と近畿大学との対決。近大は初回に竹谷選手(③星稜)の3ランホームランで先制する。同大も8回に無死1塁2塁と同点・逆転のチャンスを作る。しかし代打の浅野選手がバントを打ち上げてしまい、ランナーも飛び出しゲッツー。このピンチを凌いだ近大はそのまま逃げ切り先勝。今季の近大を初めて生観戦しましたが、打線に厚みがあり1番から6番まで気の抜けないバッターが続くな~という印象。そして緊急事態宣言発令に伴い、この第4節1回戦をもってリーグ戦は一時中断に。どうなってしまうのか…。

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リーグ戦再開!いきなり首位攻防戦

5月15日から無観客ではあるもののリーグ戦が再開。しかし全日本大学野球選手権に間に合わせるために超過密な日程に。そんな中記念すべきリーグ戦再開の試合は関西学院大学と近畿大学の首位攻防戦。1戦目は関学が序盤に7得点を奪う猛攻をみせ、投げては黒原選手(④智辯和歌山)が2失点完投。大事な一戦で先勝。2戦目は逆に近大打線が16得点の猛攻を見せ1勝1敗のタイに持ち込んだ。迎えた3戦目。雨天順延等で近大は同大との2回戦を戦った次の日の試合となった。試合は関学黒原選手(④智辯和歌山)と近大久保選手(③関大北陽)の手に汗握る投手戦。試合が動いたのは8回裏関学の攻撃、2死2塁から代打で登場した髙田選手(④社)のタイムリースリーベースで見事に先制。そのあとは黒原選手がしっかりと抑え完封勝利をおさめ、近大から勝ち点を獲得。関学にとっては優勝に向けて大きな1勝となった。

優勝へ王手、そして…

無観客開催なもので、各試合については正直詳細を書けません…。関学は同大に2連勝で勝ち点を4に伸ばす。残るは京大戦となった。一方近大は立命に連敗を喫し、優勝の可能性は関学と立命となった。リーグ戦はクライマックスを迎え、関西学生リーグとしては珍しく1日に3試合が組まれた。それぞれの2戦目では近大×関大、同大×立命が2試合とも引き分けという激熱な試合を演じた後に関学×京大を迎える。関学は山本選手(④佐久長聖)が先発。試合は4回に大谷選手(④大社)の犠牲フライで先制すると、関学は西選手(③福岡大大濠)、鈴木選手(③静岡)と継投でつなぎ、9回2死、優勝まであと1つの場面でここまで大車輪の活躍を見せた黒原選手(④智辯和歌山)が登板。先頭打者にはヒットで出塁されるも、次の田中選手を空振り三振で抑え、見事28年ぶりの優勝を決め、マウンド上には歓喜の渦が出来上がった。

関西学院大学は2019秋季リーグ戦では勝ち点0の最下位を経験。当時2回生だった杉園選手や大谷選手、1回生の佐藤海選手がスタメン等で出場。彼らは相当悔しかっただろうし、ベンチやスタンドにいたメンバーも悔しかっただろうと思います。そんな選手たちがこの春季リーグで見事に優勝を飾ったことは本当によく頑張ったしそれだけ思いが強かったのだと思います。

改めてにはなりますが、関西学院大学硬式野球部の皆様、優勝おめでとうございます。神宮でも躍進を期待しています。

やっぱり関西学生野球はいい

実に1年半ぶりに一部有観客での開催となった関西学生野球リーグ。大学によってもいろんなチームカラーがあって、どの試合も手に汗握る試合で本当に楽しいリーグでしたし、改めて関西学生野球の良さを再確認しました。最近はプロ野球界でも畠選手(巨人)や佐藤選手(阪神)など関西学生野球出身者の活躍が目立ってきました。もっとたくさんプロ野球選手が輩出され、さらに熱いリーグになることを祈っています。有観客での開催に踏み切っていただいた連盟の方々には本当に感謝ですし、素晴らしい試合を見せていただいた選手の方々にも感謝です。

おまけ:関西学院大学のココを見て!

せっかく全日本大学野球選手権に出場するので、関西学院大学の推しポイントをお伝えしたいと思います。

今年の関学の推しポイント、それはとにかく明るいチームなところです。

現地で観ていただければわかると思います。とにかくうるさ…にぎやかです。それだけチームの一体感もあります。連盟発表のベストナインには優勝したにもかかわらず2人しか選出されませんでした。それはつまり個々の力としては大物な選手はいないけれど、非常にまとまりのある気持ちの強いチームなんだと思います。特に副主将の渡邊選手(④掛川西)はとにかく明るいです。ぜひ注目してください。

ではせっかくなので推し選手も…

まずは中隈選手(③明徳義塾)。2020年秋季リーグでは首位打者を取るなどバッティングコントロールが素晴らしいです。今季は若干物足りない成績でしたが、神宮での切り込み隊長っぷりに期待です。

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中村選手(④三田学園)。足が速くてパンチ力もある選手。神宮でもその能力を存分に生かしてほしいです。

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大谷選手(④大社)。関学のビックフライオオタニサンこと大谷選手。長打力があり、チャンスでもしっかり犠牲フライを打てます。神宮での1発に期待です。

杉園主将(④明豊)。このチーム関学を引っ張ってきたキャプテン。リーグではチーム唯一のホームラン。試合でも勝負強さを発揮し、打点を稼ぐ。神宮でもキャプテン頑張ってください。

髙波選手(③川越東)。とにかく高身長な選手。バッティングセンスは素晴らしく、この選手がいるだけで打線の厚みが増す感じがします。少しリーグ戦で怪我をしたっぽいようで、神宮に間に合うのか不安ですが、頑張ってほしいです。

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石井選手(②大阪桐蔭)。高校時代はキャッチャーでしたがサードコンバートで出場。バッティングがよく、打率も3割を超え、勝負強さもあります。彼が6番を打っているのも相手からしたら恐怖なのでは…?

大石選手(④静岡)。打撃では目立たないが、ショートの守備は堅実。守備で流れを引き寄せるようなプレーに期待です。

佐藤選手(③市尼崎)。1回生からスタメンマスクを被ることもあった佐藤選手。最近は勝負強いバッティングをみせ、キャッチャーでもガッツ溢れるリードで観ていて本当に気持ちがいいです。彼のガッツポーズにもぜひ着目してください。

黒原選手(④智辯和歌山)。言うことなし。ついに一皮むけて関学の真のエースになった感。ピンチで打たれなくなった。彼のピッチングの間合いにもぜひ注目してください。

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西選手(③福岡大大濠)。リリーフで登場すると本当に勢いのいい球を放ります。黒原選手が好投しているのは後ろに彼が控えているからかもしれません。

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最後に髙田選手(④社)。スタメンでは出場しないものの、代打で結果を残している選手。神宮でもここぞの代打で登場したら要注目です。

…ってほとんど全員紹介してるじゃねーか。笑

素敵なチームなので皆様もぜひ応援してください。

全日本大学野球選手権…楽しみだ!

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