マガジンのカバー画像

望月慎の経済学・経済論 第一巻

11
(「経済学・経済論」の2017年6月~2017年9月の記事をまとめたものです) 財政破綻論批判、自由貿易批判、アベノミクス批判から通貨論(金融システム論)、ケインジアンモデル概説…
¥2,800
運営しているクリエイター

#異次元緩和

なぜ異次元緩和は失敗に終わったのか

2013年3月に黒田東彦総裁が就任して以来、いわゆる『異次元緩和』は4年以上に渡って続けられてきました。 2013年3月は130兆円ほどであったベースマネーは、2014年3月に210兆弱、2015年3月に280兆強、2016年3月に360兆強、2017年3月には実に436兆円にまで拡大しました。まさに「異次元」の緩和であったといえます。 (マネタリーベース額面の推移 日本銀行「主要時系列統計データ表」より) 一方で、目標として掲げられた「2%インフレターゲット」の方は、

¥300

雇用増加の下でも賃金が停滞する理由

安倍政権への政権交代が起きる前後(2012年末頃)から、雇用量については大幅な改善が見られています。 (アベノミクスで雇用が増えたと言えるのか?より引用) (労働力調査(基本集計)平成28年(2016年)平均(速報)結果の要約より引用) ただし、その一方で、賃金(実質賃金)は下落・停滞傾向です。 (島倉原氏のTwitterより引用) 尤も、実質賃金の場合は、新規雇用者が増える場合、(一般的に、新規雇用は既存雇用に比べて賃金が低いので)全体の(平均)実質賃金に低下圧力

¥300