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【短編声劇台本】お兄ちゃんの彼女が手強いけど、妹だって負けたくないもん!!(男1:女2)

登場人物(男:1、女:2)

・フユ/女
中学生の女の子。おにいちゃが大好きで彼女なんて許さない。

・ツバキ/男
大学生のフユの兄。優しくてイケメン。妹と彼女が大好き。

・エリカ/女
ツバキと同い年で同じ大学。ツバキの彼女。スタイルが良く、ミステリアスな雰囲気。

【時間】約20分
【ジャンル】コメディ


フユ「はぁ〜ぁ、学校疲れたなぁ。でーも、今日はお兄ちゃんが大学終わってバイトもないらしいし、お家で私の帰りを待っててくれてるんだもんねぇ♪はー、お兄ちゃんと同じ部屋で同じ空気を吸えるだけでフユちゃん天にも登る気持ちだお〜、ふっふふ〜ん♪」

自宅

フユ「たっだいま〜!ツバキお兄ちゃんが大好きな妹、フユちゃんが帰ってきたよぉ!お兄ちゃぁん、玄関までお迎え来てぇ……ん?何この靴…誰の?」

ツバキ「あ、おかえりフユ。今お客さんが来てるんだ」

フユ「ツバキお兄ちゃん!ただいま〜。お客さんってママのお友達?」

ツバキ「母さんと父さんはまだ帰って来ないよ。まぁ、俺のお客さんというか……」

フユ「え、でもこの靴って明らかに女物…」

エリカ「ねぇ、ツバキ君今の声ってさっき言ってた妹さん?」

ツバキ「エリカ!」

フユ「!!??」

エリカ「こんにちは、お邪魔してます」

ツバキ「エリカ、こいつが俺の妹のフユ」

エリカ「可愛いーね。中学生だっけ?」

ツバキ「フユ、彼女は俺と同じ大学で同い年のエリカだ」

フユ「え…あう…ふぇ……」

エリカ「ツバキ君の彼女です♡」

ツバキ「おい、照れるじゃねぇか〜」

エリカ「だって事実じゃない♪」

ツバキ「そうだけどさぁ」

エリカ「うふふ」

フユ「いやぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!???」


暫くして

エリカ「フユちゃん落ち着いた?」

フユ「フッー!」

エリカ「猫ちゃんみたい〜」

ツバキ「ごめんねエリカ、フユは少し人見知りなんだ。俺や家族には明るいんだけどさ」

エリカ「ううん、フユちゃん可愛くて見てるだけで癒されるちゃう〜」

ツバキ「今日は少し冷えるから温かい飲み物でも淹れてくるよ。俺の部屋で待っててくれる?フユ、エリカを俺の部屋に連れて行ってくれないか?」

フユ「え!?何で私が!?」

エリカ「案内お願い、フユちゃん」

ツバキ「頼むよ、フユ」

フユ「ぐぎぎぃ……」

ツバキ「お前の好きなお菓子も買ってるから、一緒に持って行くよ。二人で待ってて」

フユ「お菓子!?……ぐぎぃ…、つ、着いて来なさい…」

エリカ「ありがとぉ」


ツバキの部屋

エリカ「わぁ、ツバキ君のお部屋綺麗に整頓されてるのね」

フユ「普段はそこら辺に脱いだ服とか置きっ放しよ。私が拾って洗濯に出してあげてるの」

エリカ「あ、結構漫画とか読むのね。本棚漫画でいっぱい〜」

フユ「お兄ちゃんは私の部屋から勝手に漫画取っていったりするのよ。私もお兄ちゃんの部屋から漫画とか勝手に借りてるわ」

エリカ「仲良いのね〜」

フユ「羨ましいでしょ?」

エリカ「うん、とっても羨ましい〜。私一人っ子だから兄弟とか憧れてたの。フユちゃんみたいな可愛い妹がいたら楽しいだろうなぁ」

フユ「かわっ……!?そんな事言ったて絆されないんだから!あんたいつからお兄ちゃんと付き合ってるのよ!?」

エリカ「えーっと、一ヶ月は経ったかなぁ?大学で知り合って、仲良くなって付き合ってるけど、特に周りには言ってないかな〜」

フユ「一ヶ月も…!?お兄ちゃん何も教えてくれなかったわよ…」

エリカ「私もツバキ君も言うの苦手だから…ごめんね、びっくりしちゃったよね?」

フユ「うぐぐぐ……」

ツバキ、部屋に入ってくる

ツバキ「お待たせ二人とも。お菓子のクッキーをお皿に盛り付けてたら遅くなっちゃったよ」

エリカ「わぁ、綺麗に盛り付けられてる〜」

フユ「お兄ちゃん、いつもはお皿にお菓子を盛り付けたりなんてしないわよっ」

エリカ「あら、そうなの?」

ツバキ「フユ〜、エリカの前でそんな事言うなよ〜」

エリカ「え?もしかして私の為?ふふ、ツバキ君ったらかわい〜」

ツバキ「やめろよ〜、ちょっと位見栄張ったって良いだろー?」

エリカ「部屋が綺麗なのも私の為?」

ツバキ「もー、フユに何聞いたんだ〜?」

フユ「ぐぎぎぎぃ…」

ツバキ「はい、エリカ。紅茶、熱いから気をつけて?」

エリカ「ありがとう、ツバキ君」

フユ「あ!こ、これ私の!?」

ツバキ「あぁ、そうだよ。熱いから気を付けて飲みな」

フユ、紅茶を飲む

フユ「あっつ〜い!!んぅ、お兄ちゃぁん舌火傷しちゃったぁ」

ツバキ「もー、だから言っただろ?熱いって」

フユ「お兄ちゃぁん」

エリカ「あらあら、フユちゃん大丈夫ぅ?ほら、舌をべって出して私に見してごらん?」

フユ「はぁぁ⁉︎」

エリカ「わぁ、フユちゃんお顔小さぁい!お肌もすべすべだし、お目目ぱっちりでかわいぃ♡」

フユ「ちょ…離して、私はお兄ちゃんに……」

エリカ「あ、そうね。ツバキ君がいるのに私とイチャイチャしてたらお兄ちゃんヤキモチ妬いちゃうね?」

フユ「ちが、そうじゃない……」

ツバキ「良いよ良いよ。彼女と妹が仲良くしてくれんのは嬉しいし。本当の姉妹みたいに見えるよ」

エリカ「え〜嬉しい〜」

フユ「…………私ちょっとトイレ…」

エリカ「あら、行ってらっしゃい」

部屋を出るフユ

フユ「………………ふざけやがってぇぇ!あの泥棒猫ぉ!ちょっと顔が良くてちょーっと胸が大きいからって余裕ぶりやがってぇ!あぁいう女は絶対裏があるはず…化けの皮をむしり取ってやるんだから!……でも、私とお兄ちゃんが仲良しって言うのをアピールしても全然動じなかった…。お兄ちゃもデレデレしやがってムカつくぅ!!絶対許さん!マジで許さん!………今部屋は二人きりかぁ、腹立つけどどんな会話してるんだろ…。そうだ!まずは情報収集よ!……もし、私の悪口言ったらドア蹴破ってやる!」

室内

ツバキ「エリカとフユが仲良く出来そうで本当良かったよ」

エリカ「ふふ、私も楽しいわ。ツバキ君とフユちゃんって仲良しなのね。あの位の歳の子って反発的じゃ無い?私はそうだったわよ」

ツバキ「そうなの?あー、でも俺も結構尖ってたかも」

エリカ「えー、想像できない〜」

ツバキ「あ、アルバムでも見る?フユの子供の頃の写真もあるんだよ?」

エリカ「えー、見たい見たい〜」


フユ「イチャイチャしやがってよぉぉぉ!!何よあの態度は!私をダシにして仲良くお喋りしてんじゃ無いわよ!」


エリカ「わぁぁ!ちっちゃいフユちゃん超可愛いぃ!」

ツバキ「これね、俺がフユのお菓子を食べちゃってフユがギャン泣きして大暴れした時の写真〜。懐かしいなぁ」

エリカ「床に寝っ転がって手足バタバタさせてるの?写真なのに躍動感が伝わる〜」

ツバキ「はは、よく見たら顔中涙と鼻水でぐちゃぐちゃー」

フユ「なんてもんを見してんのよぉぉぉ‼︎?」

エリカ「あ、おかえり〜、フユちゃん」

ツバキ「遅かったじゃないか。腹でも壊したのか?」

フユ「違う!お、お兄ちゃん、なんて物をそいつに見せてんのよ!?」

エリカ「え?あぁ、このアルバム〜?可愛いフユちゃんの写真がいっぱいで癒されるわぁ」

フユ「見てんじゃ無いわよ!何よこのアルバム…ギャン泣きしてる私の写真、多すぎない!?」

ツバキ「えー?それでも俺のアルバムだぞ。写真全部に俺が写ってるだろ?」

フユ「たまに写ってる私が全部ギャン泣きなのよ!」

ツバキ「お前のアルバムはそうでも無いだろ?」

フユ「そっちまで泣いてたら、アルバムを作ったママ達を恨むわよ!」

エリカ「あ、私フユちゃんのアルバムも見たいなぁ」

ツバキ「おぉ、いいね!フユ、お前のアルバム持ってこいよ。三人で見ようぜ〜」

フユ「見せるもんですか!!」

エリカ「ざんねぇん」

フユ「ぐぎぎぎ……」

ツバキ「フユもトイレから戻って来たんだし、そこに座ってお喋りでもしようぜ?」

エリカ「そうそう、こっち座ろ?それともお兄ちゃんのお隣りがいいかしら?」

フユ「当たり前でしょ!」

ツバキ「どうしたんだ?ご機嫌斜めじゃないか」

エリカ「やっぱり私が急に来てびっくりしちゃったかしら?」

フユ「………私が言うことでも無いんだけどさぁ。普通、恋人がいるなら二人きりになりたいものじゃ無いの?」

エリカ「そう言うものなの?」

ツバキ「そう言うものなのかぁ」

フユ「え、えぇ…。私だってそうすると思うのに…」

ツバキ「えぁ!?ふ、フユお前…いつの間に彼氏を作ったんだ!?」

エリカ「嘘ぉ⁉︎フユちゃん彼氏いるの!?」

フユ「いないわよ!ってか何よその反応…むかつくんだけど」

ツバキ「あー、びっくりしたぁ、俺に内緒で彼氏作ってたら彼氏の品定めしないといけねぇじゃん!」

フユ「発想は怖いけど、…お兄ちゃんは私の身を案じてくれてるってこと?」

ツバキ「当たり前だろ?大事な妹なんだから」

フユ「お兄ちゃん…!!」

エリカ「尊ぉい♡本当に仲が良いのね。羨ましいわ。私もフユちゃんみたいな妹ほしぃ」

ツバキ「いつか本当に妹になったりしてなぁ」

エリカ「やだぁ、ツバキ君たらぁ」

フユ「妹をダシに目の前でイチャつくんじゃねぇ!」

エリカ「あ、ごめんなさい。フユちゃんも一緒にイチャイチャしよっか?」

フユ「ぐわぁぁぁ!!抱きつくんじゃねぇ!胸のデカさを押し付けんなぁ!」

エリカ「暴れちゃって、照れてるの?かわいぃ♡」

ツバキ「仲良くなるのは良いけど、俺にも構ってくれないと拗ねちゃうぜ?」

エリカ「やだぁ、ツバキ君たらぁ」

フユ「何やっても効かねぇのかこいつらぁぁ!!」

暫くして

エリカ「それじゃぁ、私今日は帰るね」

ツバキ「うん、近くまで送るよ。フユ、留守番頼んで良いか?」

フユ「うん…」

ツバキのスマホが鳴る。

ツバキ「あ、電話かかってきた。…友達からだからちょっと出てくる」

エリカ「分かったわ」

ツバキ、部屋を出る

エリカ「……フユちゃん…」

フユ「何よ…」

エリカ「やっと二人きりになったね?」

フユ「は?」

エリカ「私ぃ、今日でフユちゃんの事大好きになっちゃた…♡フユちゃんの色んな事が知りたいし、もーっと仲良くなりたい…」

フユ「はい!?ちょちょ…、何でにじり寄って来んのよ!?」

エリカ「フユちゃん、いいかしら?」

フユ「な、何よ…」

エリカ「ねぇ、フユちゃん…お願い」

フユ「ひっ、ひぃ…!?」

エリカ「私を………お姉ちゃんって呼んでみてくれない?」

フユ「は?」

エリカ「一回だけ、一回だけで良いの。駄目かしら…?」

フユ「ぐっ…、こいつなんて手強さだ……」

ツバキ、部屋に戻る

ツバキ「あ、もしかしてまだ話したりない?」

エリカ「あら、電話終わったの?おかえりツバキ君。そうね、もっといっぱいお話したいけど、今日は帰らなくちゃ」

ツバキ「あ、フユ。皿の上のクッキーもう後ちょっとしかないから食べ切ってくれよ」

フユ「えー、太っちゃうじゃん!…まぁでも、このクッキー美味しいからいっかなぁ。うん!美味しい♪流石お兄ちゃんのセンスだね」

ツバキ「それエリカが買って来てくれた奴だぞ。そんなに気に入ったのか」

エリカ「わぁ、嬉しい♡奮発してちょっと良いお店のお菓子なの♪」

フユ「っ……」

エリカ「私、フユちゃんの事とーっても気に入っちゃった♡また遊びに来るから、これからもよろしくね?」

ツバキ「お前がいるとエリカも楽しそうだし、これからもいくらでも邪魔して良いからな?フーユ♡」

フユ「!!??」

エリカ「やだぁ、ツバキ君たらぁ♡」

ツバキ「あははっ!」

エリカ「ふふふっ♪」

フユ「最初から負けてた………だなんて……悔しぃぃぃぃぃいい!!!」


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