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シェアハウスの倫理とか見えない仕事とか

こんにちは!金欠と生理前を極めているいっちーです。昨日の男子バレー惜しかったですね。。🏐


冷蔵庫の食べ物がシェアされてる件についての続き

以前noteに書いたシェアハウスの所有と分配について、Podcastで収録して公開されました!ぜひ聞いてみてください。

noteはこちら👇

Podcastは2部構成で、後編は問いを元に本を読んでみて問いとどうリンクしたのかを話しています。そちらは今週日曜公開予定です。

シェアハウスの倫理

最近は、シェアハウスでの暮らしは学習し続けることを求められるのだろうななどと考えています。

何の学習を求められるかというとシェアハウスでの倫理観に基づく行動だと思います。
シェアハウスにおける倫理観はシンプルにいうと相手を不快にさせないこと。会社など他の組織でも一緒かもしれません。

倫理観(りんりかん)とは、倫理(人として守るべき善悪や是非の判断や判断基準)についての捉え方・考え方、を意味する語。 倫理に関するものの見方。 万人が同意する普遍的な善悪・正邪よりも、むしろ立場によって意見の別れる(対立が生じる)ような話題を扱う文脈で用いられることが多い。

weblio辞書

ただし家族と同じくらい生活の密度が濃いため交渉のコストが低く、悪く言えば関係性の近さを逆手にして相手の優しさに甘えたり、逆になあなあにしておきやすい。またケア労働(掃除やゴミ捨てなど)という換算しづらい仕事が存在しておりそれをどのように分担するかという、こちらも家族に近い課題がありながら、シェアハウスなので人数が多く人の入れ替わりもあるため責任の所在があいまいになりやすい。など、非常にシンプルな倫理観でありながらそれをもとに行動に落とし込むにはかなりのバランス感覚を求められるのが実情です。個人的にはケアの倫理に近いと思います。

ギリガンによれば、従来の倫理は、他者から自立していること、理性的であること、規則に基づいていること、人びとの権利をベースに思考すること、そしていつでも・どこでも・誰にでも普遍的に通用するような判断を下すことを、その理論の基盤としていた。

それに対してギリガンが提唱した「ケアの倫理」は、関係性のなかで他者に依存していること、感情を大切にすること、文脈依存的に判断すること、他者(や自己)への責任をベースに考えはじめること、そして個別的な状況において目の前の具体的な他者に応答することを基盤としている。

道徳判断のその先へ。「ケアの倫理」がひらく“問い直しの倫理学”|倫理学研究者・冨岡薫

ちなみに複数人が関係しているはずの問題や仕事を1人で対処しようとするのはあまり得策ではなくて、例えば1人だけ掃除し続けたり、1人だけ足りないものを買い続けるなどすると大抵だんだんと我慢のストレスが溜まって爆発します。(これがご飯など1人で完結できるものであれば、ほとんどストレスはかかりません)

シェアハウスの住人の関係は親と子のような関係と違って基本的に平等なので、1人だけという状態が続くとストレスになりやすい。(話が逸れますが、そもそも1人だけ価値観の違いが大きすぎるとストレスが生まれるというのも、シェアハウスは平等が前提で公平性については無視されやすいから、ということだなぁ。。)

平等(左)と公平(右)
ケアの倫理に寄っているから公平であるという態度が難しいのかもしれない

なのでやはり個々人の違いを埋めるためにもある程度交渉をして、不満がたまらないような状態を保つ必要があります。自分がたまらないようにするのが何より大事。

逆に何もしないという態度も、自分ではうまく見て見ぬふりができていると思っていても罪悪感が溜まっていくのではないかと思います。

あるいは自分では何も問題が起きていないと思っている場合もあります。それでも他の人からすると不具合が起きていると結果的には空気が淀みます。(知らぬふりや気付かない人の割合が全体の4割を超えるとなんとなく「みんなのためにやっても何も報われないから自分1人の範囲で快適さをやっていこう」という方向に変化していきます)

共同生活において最低限発生する仕事には目を向けて、それに対して自分だけやりすぎていると思わない状態にする、逆に最低限このくらいやっておけば罪悪感を感じずに済む、というバランス感覚が求められるというのが私の持論です。

そのために必要な行動は学べます。私自身寮生活時代に(自治寮だったのでシェアハウスより仕事が割り振られていたのですが)「いっちーは自分が動かないから周りが動くっていう特殊能力を持ってるよね」というのを皮肉めいて言われたくらいには何もしてない人だったので、そこから学んで今は最低限やっていこう、という所存でいます(今できてるかは知らない)。

たとえDV加害者であっても行動変容はできるという話

学びの必要性を実感するきっかけも与えられやすいと思います。私は寮から初めてのシェアハウスに越してしばらく、私自身の利便性のために私だけが洗面所に自分専用のタオルをかけていました。他の人の邪魔になる位置だったので、片付けてくれと住人の1人から注意を受けていました。それでも2,3回はスルーしていた(!)のですが、ある日片付けるとすごく喜んで(褒めて?)くれました。それが私の学びのきっかけです(笑)
寮生活を4年経てもなお、共同生活における倫理観を持っていなかったのも今となっては驚きです(住んでた寮が特殊すぎて、別の倫理観が通っていた可能性も大)が、シェアハウスは寮よりも住人との距離感が近いことが多くフィードバックを間接的にも直接的にももらう場面が多い。自分のどんな行動が周りにどういう影響を及ぼすのかについて知る機会が多いと言えます。

例えば真ん中っ子とかサッカー部のボランチとかはそういうことをものすごく考えて生きていて何を今更って思うかもしれないですが、私はそういうことについて恐ろしいほど無頓着で生きてきたので、シェアハウスがいい機会になりました。

何が言いたいかというと気付かない人でもフィードバックの機会はある(特に会議をやるシェアハウスとかだと直接のフィードバックを得やすい)ので、むしろそういう人にとっては学びを得るチャンスに富んでいると思います。
あ、でもフィードバックをもらったときにうるせーなとか全く賛同できないとなったらもう少し交流の少ないシェアハウスか一人暮らしを選んだ方がお互いのためかもです。共同生活での倫理観は絶対正しいわけではないので自分の人生には必要ないなとかもあるかもしれません。
あと厳しすぎるのも別の方向に行き過ぎている(閉鎖的になりすぎていたり権威化が進んでいたり)状態であまりフィードバックを間に受ける必要がないかもしれません。

そういうわけで私はフィードバックをもらったときに「なるほど〜」と思うことが多かったので、「最低限これをやっておけばここに居ることができる」ラインをなんとなく思いながら暮らしてます。もらいすぎない、気付いた時に(気になる時に)掃除する、など。こんなに長々と書いてきた割にはそんなに思ってないかもですが。特にうちアバジャンは与える人が多すぎる。これでも前いたシェアハウスよりは行動量が引き上げられた。もちろん行動量の増加には暇なことも関係している(何しろ金欠になるくらいには働いていないので)。

やっぱり、圧倒的にケアが必要な赤ん坊や老人などではない限りは日常のそのへんにある労働は自分でやっていく必要が出てくるし、そもそも交流のあるシェアハウスに暮らすのは体力がいるので心身共に健康が多い。その中で全員にとっての労働や義務を無視して何もせず「ただ居る」は少し難しいと思います。義務とか強い言葉を使いましたがトイレットペーパーがなくなってたら替えたりLINEグループの全員に対する呼びかけには反応したりみたいなことです。

少し前にケアについて思いを馳せていた時期があるので知らぬ間にケア過激派になってるかもしれません。
でもお金の効用を信じ過ぎてお金がもらえない無償の労働は時間の無駄だからやらないとか、そこまで直接的に思っていなくとも忙しすぎて掃除とかに手が回りません、とかもなんだか本末転倒な気がするのです。お金が生まれる仕事も生まれない仕事も必要であることには変わりないと思います。(掃除に関してはそれぞれの感じる必要性の違いを認める)

ケア実践は劣っていないはずということ(今手元にないのが惜しい)

あと解決方法はお金の場合ももちろんあると思います。あるシェアハウスの管理人は「シェアハウスの3種の神器はルンバ、食洗機、乾燥機付き洗濯機」と言ってました。ルンバと食洗機は完全に共同の労働を減らすための施策ですね。

バランス感覚とか考えること自体、俯瞰しがちだったりすぐクラファン支援しちゃう私の特殊性を現してるだけかかもしれません。まあこんな風に考えて暮らしてる人もいるんだなくらいの読み物になったら幸いです。あとシェアハウスはもしかしたらそういう倫理観うんぬんよりも家賃を払うことの方が大事かもしれません。あと今回の文体や内容は生理前テンションで書いたということが多分影響を与えています。

おわり

Instagramのハイライトにためている本の記録たちを見返して写真を追加しました。文量もさらに多くなって4,000字になってしまいました。

今後はケアの内在化がどんな文化だと起きやすくて、どんな文化だと起きづらいのかも考えたいです、自分も内在化されてる気がします。

最後に

最後に伝えたいのは、
クラファンの私のリターン候補があったらこっそり教えてください!(Instagram:https://www.instagram.com/aya__ichimura/)

(いっちー)


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