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「成果出そうレース」を降りた男なんて、好きじゃねぇじゃんお前ら

最近、コチラの漫画が話題のようですね。

内容をかいつまむと、

・男性は、学歴や仕事で勝ち抜き、高い成果を出し続けないと、世間から認められない
・このレースから降りる=価値がない人間、という感覚が蔓延しているので、辛くとも降りられない
・男性は、存在そのものをもっと認められてもいい

と、いったもの。

うん。ほんとに男性は、常に競争に晒されていて大変ですよね。
きっと太古の昔から、社会的な成功を収め、序列の上に立たないと生き残れなかったんでしょう。
だから今でも、男性は競争・勝ち負け・序列に非常にこだわりますし、とてもセンシティブになっているように思います。

ある日、なんの気なく「ここのお鮨おいしい!」とツイートしたら
「そんなので満足するのは2流。1流はここの・・・」
という謎マウントを取られたことがあるのですが、
それも男性に染み付いた哀しい競争意識から来てるのだ・・・と気づいた時は、涙がちょちょ切れる切なさを感じたものです。

この漫画を受けて、競争にとらわれて生きる男性の辛さを想い、
「もっと男性も生きやすくなろう!」
と声をあげている女性も出てきていました。


男女問わず、誰もがより生きやすくなるために、思考をしていくべきだ!
というお考えは、大変ごもっともです。

ただ、声を上げている方の主張を見て、ちょっと見落としている部分があるのでは?と思い、こんなツイートをしてみました。

つまり男性の息苦しさに加担しているのは、われわれ女もでは?という問題提起です。

この漫画も、シオリーヌさんも、
「男性の息苦しさは、男性社会の競争が作り上げる」との解釈をされているようです。
半分はそうだと思います。
しかし、もう半分は、私たち女に原因があるでしょう。

だって、われわれ女は、成果を出さない男など、愛せないのですから。

「強い男」しか、愛せないわたしたち

われわれ女は、基本線として強い男が好きです。
この「強い」とは何かというと、
「資源を獲得できて」「外敵から守ってくれる」という意味です。

女性は妊娠出産育児時に弱ることが想定できますから、そういう時にちゃんと飯を持ってきてくれ、家族を守れる男がいいのです。

なので女性は、太古よりそういう男性を優秀とみなして、タネを欲しがります。
原始時代では、マンモスをブッ倒せて、敵と戦えるフィジカルメイウェザーな男性が優秀でしたが、現代では競争に勝ち、金を稼げる男性がそれに該当します。

いくつかデータもあげましょう。
図1の平成27年・国立社会保障・人口問題研究所の出生同行基本調査では、女性が結婚相手に求める条件として、男性よりも経済力を重視するとの結果が見て取れます。

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また、年収の低い男性ほど、未婚率が高いというデータもあるようです。

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こちらの図は、以下の記事からお借りしました。

これらから考えるに、
資源獲得能力、つまり金を稼げる能力が高いほど、異性獲得上有利になるのは否定しにくいかと思います。
そして、現代で金を稼ぐためには、男性社会で「成果」を出し、競争に勝たねばなりません。
つまり、「成果出そうレース」から降りるということは、同時に繁殖レースからも降りることを意味します。

これこそが、本当の男性の生きづらさを生んでいる原因ではないでしょうか。

社会的な成功=繁殖の成功がもたらす辛さ

女性は、高年収女性の未婚率がむしろ高くなるように、社会的な成功と異性獲得の成功に、あまり関連がありません。
よくバリキャリ独身女子と専業主婦女子が喧嘩してますが、これが成立するのも、それぞれの成功が独立して存在し得る証拠です。

一方で男性は、社会的な成功と、異性獲得の成功が密接に関わっています。
つまり、「成果を出そうレース」に勝ち、社会的地位や年収が上がれば、異性獲得上も有利になります。
しかし、「レース」を降りれば、異性獲得競争の上で不利になります。

社会的に勝てば、繁殖競争上も勝つという、勝者総取りの世界観こそが、男性の生きやすさでもあり、生きにくさの本源でもあるでしょう。
だって敗者には、何も与えられないのです。
それが分かっていながらレースから降りるのは、なかなかに勇気の要ることだと思います。

よって、男性の生きにくさの原因を、男性社会の競争のみに帰結させるのでは足りません。われわれ女の、異性選好も勘案しないと、男性の本当の辛さは理解ができないと思います。

わたしたち女は、「成果を出さない男」を愛せるのか?

こうしたご意見も頂きました。

ま、理性的に考えればそうなんですけどね笑
でも基本線として、成果を残さない男性を優先的に愛するのは、難しいと思います。

確かに、家事育児を担ってくれる男性のニーズも高まっているでしょう。
しかし、事実として、子どもを産むと女性は確実に弱ります。
「その時に飯と安全を確保できる男じゃないと困る」というのは、ネックとして残りがちだからです。
なまじ現在だとまだ、産休後に女性が復職できるかわからなかったり、給料が下がるケースもあると聞きますしね。

また、「強い男が好き!その遺伝子を残したい!」という叫びは、本能に近い部分に根ざしているので、理性でねじ伏せるのは骨の折れる話でもあります。
男性も、若くてボインで美女が好きでしょ。
理性を奮い立てても、ブスデブババアじゃ興奮しないんでしょ?
それと同じです。

しかしながら、異性の好みや「強さの定義」は、時代によって変わります。
人工子宮の登場や子育て支援の拡充やらで、女性の感じるネックが取り除かれれば、女性の好みも変わる可能性はあると思いますし、すでに時代の変遷に従って、じんわりとした変化も感じられます。


この記事にも書きましたが、
どんなに成果を出している男性でも、つまらないとパートナーとして選ばれないという風潮は、すでに出てきているようです。

女性の社会進出が進んだことによって、男性の経済力の重要性が以前と比較して下がり、パートナーとしての相性の方を、女性がより重視し始めているのでしょう。

よって男女平等が進み、女性と男性の経済格差がもっともっと埋まれば、資源獲得能力=経済力に表される男性の「強さ」以外に価値を見出す風潮がさらに強くなり、社会的な成功と繁殖の成功が分離するかもしれません。

そうなれば、男性は「成果を出そうレース」から降りても、今のように全てを失わなくてよくなります。
漫画にもありますが、家庭に自分の存在価値を認めてもらい、心穏やかに生きていくことができるのです。

シオリーヌさんもおっしゃる通り、男性が「成果出そうレース」から降りやすくなるためには、社会構造を変えるのが近道かもしれませんね。


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