見出し画像

【月刊noo】月刊noo創刊【2023.4月号】

《月刊noo 2023.4月号 目次》
・ごあいさつ
・エッセイ:「ペンネーム イズ マイネーム」
・サバイヴ:季節の変わり目が苦手な人の、春の過ごし方。(再掲)
・レシピ :《お気持ちガーリックライス》
・推し :ロシア料理店 マトリ・キッチン


【ごあいさつ】

新年度からの新しい試みとして、noteで毎月最低1本、マガジンのようにいくつかの記事を公開していくことを始めたいと思います。
マガジンと言っても書き手も編集も私一人の超零細なので、エッセイを一本と、私の推しの紹介やレシピ、あと余裕があったら創作等、まとめて記事に出来たらと考えています。
マガジンの名前は『月刊noo』です。どうぞよろしくお願いいたします。
(某ムーと被るという意見もありますが、多分勘違いする人はいないはず)

【エッセイ:ペンネーム イズ マイネーム】

記念すべき『月刊noo』の創刊号。
創刊号なので、ご存じの方が多いと思いつつ、あらためて書き手の自分の自己紹介をさせて頂きます。
このマガジンの作家兼編集兼アシスタントの私はモスクワカヌといいます。主に舞台の脚本を書く劇作家という仕事をしております。
詳しいプロフィールはこちらからhttps://mosukuwakanu.hatenablog.com/entry/n571c0f021f6e

ところで、このモスクワカヌという偽名、もといペンネームの由来を初めて会う方にけっこう聞かれるので、今回はこのペンネームも由来について書こうと思います。

思い返せばほぼ15年前、2009年に劇作家デビューする前、私は別のペンネームを自分につける予定でした。
今も覚えているそのペンネームは、なんか美人風の…詩的な…若干読み方がキラキラした…うっ、頭が…。
ええ、覚えているけど言いたくないので、墓場まで持っていこうと思います。今となっては若気の至りで書いたポエムとタメをはれる恥かしさです。
とはいえ15年前の私は、すでに健やかな生存が難しすぎる社会へのルサンチマンと、憎んでやまない世界に健やかに適応できない自分への絶望を魔女の窯のごとき胸のうちでドロドロ煮込みつつ、一方でわりと真面目に「アーティスト」への歪な憧れでキラキラしてたので、そのポエミーなペンネーム候補を恥ずかしげもなく周囲に吹聴していたのですが、かえってくる反応は空気の読めない私でも読めてしまうくらい芳しくない、というより、言葉は濁してるけどわりと真剣にとめる人が続出。
あの時とめてくれた人達、15年越しとなりますが、本当にありがとうございます。当時、魔女の宅急便の冒頭でホウキを取り換えられるキキみたいな反応しててごめんなさい。今ならわかります。あの時とめてくれた人達、初孫にフィーバーしすぎて私に「真珠と書いてパールと読む」という名前をつけようとした祖母を止めた母と同じくらいいい仕事してくれていました。
(注:個人的にはキラキラネームと呼ばれる名前は可愛く思うのですが、自分がパールになるのはキャラと見た目が名前からくる印象と違いすぎてハードル高いなって感じです…)

そんなこんなで美人風のペンネームをつけることは不承不承あきらめた私。かといって本名は使いたくない、ではどうするかという時に、ふと思いついたのが今のペンネームでした。
自分は昔、ロシアのモスクワに住んでいたワカヌ…(と、いうあだ名で呼ばれていた)。
そうだ、モスクワとワカヌをつなげてモスクワカヌにしよう。

皆様おわかりでしょうか。
名づけがまるっきり「ペンパイナッポーアッポーペン」の世界です。
替え歌も歌えます。
I lived in Mosco. I am called Wakanu. …Oh!
Moskuwakanu!

そうして3分くらいで爆誕した「劇作家モスクワカヌ」
ウルトラマンもびっくりのインスタント命名ですが、そんなペンネームが馴染みに馴染んで10年以上の付き合いとなったことに、誰より私自身が驚いてます。
思いつき畑からの産地直送でお届けした命名だったのですが、キャッチーで覚えやすく「なんでモスクワカヌなんですか?」という、ごもっともすぎる疑問が話の糸口にもなりやすい。実は有能ペンネームだったようです。

余談ですが、このペンネームについてもう一つよく聞かれるのが
「どこで区切るんですか?」「どこまでが名字なんですか?」という質問。これに関しても本気で何も考えていなかったので、いつもすみません、という気持ちになります。
あの時自分は…どこで区切るのかをこんなに気にされるなんて…想像もしていなかったんだ…。どこまでが姓でどこからが名前なのか、より多く残っているのはモスクワ成分なのかワカヌ成分なのかは、すでに神のみぞ知る領域です。
ちなみに個人的にはどこから区切られてもいいので、人によって色んな呼び方をされています。「モっさん」「モスクさん」「モスクワさん」「ワカヌさん」「カヌさん」エトセトラ。

最初にあこがれた名前とはだいぶ違っておりますが、私は今はこのトンチキなペンネームを気に入っています。
なんやかんやで15年ほど劇作家を続けてこれて、いまや本名よりも「モスクワカヌ」として付き合う人間関係のほうが、今の生活では多いかもしれません。「モスクワカヌ」として、友人を持ち仕事をもち生活や演劇ができていることを、とても嬉しく思っています。
これからも長い付き合いになりそうなペンネーム、引き続き「モスクワカヌ」をどうぞよろしくお願いいたします。

ちなみに最近巷で話題のAIに「劇作家モスクワカヌについて詳しく教えて」と聞いたら「存じ上げません」と言われました。
ネットに情報あるやろがい。
AIに認知されてないのちょっと悔しいですが、自分はまだ人工知能にもとらえきれない存在なのだということで、前向きにとらえていきたいと思います。

次回はペンネームの由来でもある、私のモスクワ時代の思い出についてお話できればと思います。

著者近影の撮影中の著書

【サバイヴ:季節の変わり目が苦手な人の、春の過ごし方。】

※こちらの記事は、2019年3月8日の記事の再掲です。

季節の変わり目が苦手だ。発達障がいや鬱のある人には結構多いらしい。
私の場合、心身ともに具合が悪くなりやすいのが春のはじめで、まさに今、現在進行形で弱っている。季節の変わり目でもあり、年度末と年度初めで社会の変わり目でもある3月~4月にかけては、変化に弱い私にとってはダブルパンチで試練の時期なのである。清少納言は「春はあけぼの」と書いたけれど、私にとっては「春は弱り目」であって、自分の誕生月なのに全然あけぼのの美しさとか感じる余裕がない。だいたい春のあけぼの見てる時は不眠で一睡もできなかった一夜明けである。

3月には誕生日あるのに…。そして春という季節は好きなのに。
そう、私は春が好きだ。それなのに、そんな自分の気持ちと体とメンタルは別物なのだ。猫アレルギーだけど猫が好きみたいなもので、大変に切ない。
春の長雨が続くと、ベッドでドテーッと横たわっているだけで精一杯になったりする。もはや人型の水に濡れた米俵である。
だけど何度か調子の悪い春をやりすごして、近年の自分は春に備えるようになり、以前よりは過ごし方が賢くなり、以前よりは辛さがマシになった。といっても、ヘタレないように準備するとか、ヘタレない方法を編み出したわけではない。ヘタレることを前提に過ごすようになっただけであり、弱った心身によくない行動を避けるようになったのだ。
以下、個人的な対処法なのだけど、私が季節の変わり目やストレスのかかりやすい時期に心がけている方法10選である。もしかしたら誰かや何かの参考になるかもしれないのと、自分の意識にもあらためて落とし込んでおきたいので書き起こしてみた。

①ヘタレることを前提に、なるべくスケジュールを詰めない。
季節の変わり目は具合が悪くなりやすい。家どころか布団から出られない日だってある。だからなるべくこの時期に予定はいれない。出不精を心がける。

②全部気圧のせい
フラッシュバックや自己嫌悪、スペック低下は全て気圧のせい、気圧が悪い、気圧絶対悪。

③心身の調子を魔法のようによくする方法はないと知る
辛いけれど、この辛さを魔法のように「今!すぐ!」なくす方法はない。面倒だけど、日々の微調整、自分で自分をよく見て、その都度自分の心身が求めている最適をさぐること。それがこの時期のミッションということにする。「今すぐこの辛さから解放されたい!」と思いつめると「頭痛から解放されるために高所から飛び降りてこの頭をカチ割ります!」的な発想にいきついちゃうから…。

④雨が降ったら諦める、雨が降りそうでも諦める
雨にはただちに白旗を掲げる。家にいられるなら家にいる。外出しなくてはいけないなら、「今日の私は外出してるだけでえらい」を胸に刻んで、それ以上を自分に求めない。それ以上を求めてくる他人には「こいつ…何もわかってないな…やれやれだぜ…」という、普段は実力を隠している実は強キャラスタンスでいく。

⑤諦める
晴れてても駄目な日は駄目。諦める。

⑥寝る
夜は寝る。眠れなくても21時とかに布団にはいる。あるなら薬も飲む。それでも眠れなかったら「寝転がっているだけでも体は休んでいる」と信じて、浜に打ち上げられたクジラのごとく横になっておく。昼間も疲れたら寝る。

⑦腹をあたためる、とにかく体をあたためる
気温があがっても体温が低いことはままあるので、3月だろうが4月だろうが腹巻をする。私は肌が強いので腹巻の上からホッカイロはったり、湯たんぽあててお腹をあたためます。あとレッグウォーマーは必需品。足首を冷やさない。冷えると気持ちが悲しくなる!

⑧暴食しない。砂糖の多いお菓子や肉など消化に悪いものを避ける
これは自分が普段大食らいのため…。でも、消化の悪いもの食べる→消化に体力を使う→体の疲れをとるためのエネルギーが消化にまわされ疲労回復力がおちる→体が疲れているのでメンタルも疲れる、という仕組みはあるので、疲れている日は夜ご飯抜いて寝ると翌朝の回復度がアップする。私の場合、具合の悪い時にスパイスてんこ盛りのアジアンフードを食べると元気になるのですが、一般的には弱っている時に刺激物はあんまりおススメじゃないみたい。食べ物のあうあわないは個人差があると思うので、自分の心身をアゲるソウルフードを見つけられるといいのかも。

⑨苦みのある野菜を食べる、草むしりする
苦い野菜はストレス軽減効果があると聞いて。もともとクセの強い野菜が好きなので、春菊、菜の花、セリ、パクチーなどの香味野菜を多めに食べる。草むしりはもともと好きで無心になれるから。気休めかもしれないけれど、この時期の不調はメンタルからくるのも大きいから気休めって大事だと思う。

⑩刺激的なものに触れない、近寄らない。イベントとか情報とか。
ネットサーフィンやツイッターを永遠に見ちゃうとかやりがちなんだけど、玉石混交な情報の洪水を浴びるツールは弱っている時には避ける。一見それをするのは楽な気がするのだけど、弱っている時は普段はひっかからないようなことで怒りとか悲しみとか辛さとかが誘発されやすいし、そういう時の強い感情には中毒性があるな…と最近気づいて「よくない」という結論。私の場合、腹のたつ呟きや情報について調べだしたり炎上してるアカウントを検索かけだしたりしたら「あ、これはいつもの私じゃない」と思ってスマホの電源を切る。

あと、これはちょっと番外編なのだけど、心身が落ち込んで自己肯定感が最低レベルの時、「人の用事をすませる」というのに効き目があった。人のためにちょっと調べ物をするとか、誰かのかわりにちょっとした用事をすませてあげるとか、簡単なことでいいんだけれど、それをするとこの時期すぐに瀕死になる自己肯定感がちょっとだけ回復する。
色々試しても、この時期はまたすぐ分厚い雲のような鬱々した気分に塞がれてしまう。だけど荒波にもまれている間、ちょいちょい息継ぎをして生き延びるイメージで、自分を水面にだすためのちょっとしたこと、をこまめにやっておくのが、この時期の個人的なライフハックだ。

私と同じように、季節の変わり目が苦手で、毎年春に死にそうになってる人はいると思う。その人たちもその人たちなりのやり方で息継ぎしているのだと思う。もしオススメの方法があったら是非教えてほしい。
皆で生き延びる方法をシェアしていけたらいいと思う。

春のよきところ。
夜桜の道。

【レシピ:~お気持ちガーリックライス~】

こちらのコーナーでは「料理がひどい」と言われ続けて幾星霜な私、モスクワカヌの手料理レシピをご紹介します。
大前提として、こちらで紹介するレシピは”胃腸の強い方向け”であることを、あらかじめご了承ください。
ところで最近、店で買った野菜でも洗う必要があることを知りました。
今までどうしてたのかって? 洗ってましたよ、気が向いた時は…。

さて、本日ご紹介する晩ごはんは、気持ちのうえではガーリックライスな一品です。疲れて帰ってきた夜…自炊の元気はないけど明日のためにカロリーとパワーを荒っぽく摂取したい、そんな気分の胃腸の強い人におすすめ。


<お気持ちガーリックライス>
■材料
・ご飯(温かいやつ)
・ニンニクチューブ
・塩コショウ
・オリーブオイル

■作り方
①ご飯を茶碗、もしくは底の深い皿に盛ります。
②ニンニクチューブから絞り出したニンニクを白米にのせます。量はお好みで。
③ご飯とニンニクの上に塩コショウをふりかけます。
④塩コショウした白米とニンニクのうえに、まんべんなくオリーブオイルをまわしかけます。
⑤白米とニンニクと塩コショウとオリーブオイルをよくまぜます。
⑥完成

このレシピのコツはただ一つ。
ご飯があたたかいことと、繰り返しますが食べる方の胃腸が強いことです。
生のニンニクは人によっては腸内環境が荒れて少量でもお腹を下してしまったりするので、お気をつけてお召し上がりくださいませ。

【推し:~ロシア料理店 マトリ・キッチン~】

不定期にご紹介していきたい「推し」についての話。
今回ご紹介するのは、銀座にあるロシア料理店、「マトリ・キッチン」さんです。

以前、「日々ぬ」という別のブログのほうでも「ヨシカミのカキフライかマトリキッチンのチキンストロガノフと結婚したい。(http://mosukuwakanu.blog122.fc2.com/blog-entry-972.html)」と題してご紹介したことのあるお店ですが、リメイクしての再放送をお許しください。本当に、末永く末永く残ってほしいお店の一つです。

マトリキッチンは、東銀座駅近くにある、赤い小さなテントと大きなシェフの人形が目印になっているの小さなお店なのですが、ランチセットは良心的なお値段ですし、何を頼んでも美味しい。
私はこれまでに、ストロガノフ、オムライス、グラタン、ランチセットのチキン、ボルシチ、キッシュ、ロールキャベツ、つぼ焼き、ピロシキ、前菜のサラダとセットのデザート等々を注文してきましたが、いずれも外れなし、安心と信頼の美味です。

ちなみに初めて来店した際は、オムライスのランチセットとつぼ焼きとロシア紅茶を注文した私に、「うち、けっこう量あるけれど食べられますか…?」と心配そうに聞いてきたシェフに「私、けっこう食べる方なんで大丈夫です!」と力説し、食後にストロガノフとデザートを追加注文しました。

なんでも美味しいのですが、特に私がおすすめなのが、お店も一押しのストロガノフ。
ソースはもちろん、ライスが絶品。
固すぎず柔らかすぎずの絶妙な焚き加減に、バターのコクはありつつもしつこくはなく、こっくりしたオレンジ色のソースと絡まりつやつやなのにふわふわと雪のように口内で溶けていくバターライスは、味わうたびに私の好きにクリティカルヒットして感動します。

サーモンの旨味だけを絶妙な塩加減で閉じ込めた、ほろほろなのにパイ生地がぼろぼろ崩れてこないキッシュや、熱々の中のシチューはもちろん、蓋がわりのパンまでが香ばしくもねっとりしたえも言われぬ食感と滋味深さのあるつぼ焼きもお気に入りです。

本当は私、このお店のランチセットならたぶん3周いけます。

ストロガノフのランチセットを頼んだ後、オムライスのランチプレートを追加し、さらに追いストロガノフすることが可能です。
(まだ実際にしたことありませんが…だって食欲は衰えないのに代謝は衰えまくってるアラフォーなんだもの…。そしてけっこういつもお客様がいるのにシェフは常にワンオペだから迷惑になりそうで…)

ちなみにこのお店のランチセット、私的には全然量多くないのですが、友人たちから常々「ワカヌちゃんの多くない、と、辛くない、は信用できない」と言われているので、もしかしてほとんどの人にとってはわりと量多めなのかもしれません…。
なのでご注文は計画的に。
個人的には、通って全種類制覇がおすすめです!
私もメニュー全制覇を目指して、今後も贔屓にさせていただきます!

《紹介したお店の情報》
Matori Kitchen  ロシア・欧風料理
TEL:03-6264-2564
住所:東京都中央区銀座3-10-14 東銀1ビル 2F
★赤い小さなテントが目印 ★
https://matori-kitchen.shopinfo.jp/


サーモンのキッシュ。
絶品ストロガノフ。
壷焼き。シーフードのが好き。



応援・サポート、いつもありがとうございます。 気持や生活、いろいろ助かります。 サポートを頂いた方宛てに、御礼に私の推し名言をメッセージ中です。 これからも応援どうぞよろしくお願いします。