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忘れていた危機

「敦賀では屋根のないところでものを食べてはいけない。特に海のそばでは」

私には、特に子孫に残したいモノもコトもないのだけれど「何か一つくらい遺言を」と言われたら、きっとこれを言い残すだろう。

屋根がないところにいる限り、ヤツらに常にロックオンされていると思っておいた方がいい。

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今日は、金ヶ崎緑地という海沿いの公園で「クレヤルカエル」というイベントが開催された。

キッチンカーや、屋台も出ているとのことだったので、美味しいものを買って、海を見ながら芝生広場で食べようと張り切って出かけた。

そして実際に、美味しそうなジビエのソーセージのパイと、米粉のロールケーキをゲットして、ベンチに座ったのである。

まずは、ジビエからいただこうと袋から取り出したところ、後ろから重たいものが思い切りぶつかってきた。

この感覚は、おぼえがある。
ヤツだ。トンビだ。

つい数ヶ月前にも、初冬の気比松原海岸で、ヤツに体当たりされておにぎりを落とした。
そのさらに数ヶ月前には、海から少し離れたローソンの駐車場でパンを一口かじってもぐもぐしていた時に、ヤツに手に持っていたパンをかっさらわれた。
さらにその数ヶ月前には……。

いやもう、いいだろう。
私の学習しなさ加減を挙げても、別に面白い読み物にはならない。

とにかくヤツらは、どんな上空にいても、食べ物とそうでないものをきっちり見分けて、音もなく背後からアタックしてくるのである。

今回は、超楽しみにしていたジビエのソーセージパイが持っていかれた。
ほんっとーに気配が全く無いので、気付けない。

たぶん、ゴンでもジンでもヤツらの攻撃を防ぐことは不可能だと思う。
キルアなら、もしかすると、円(エン)の範囲にトンビが入った瞬間に、オートモードで落雷(ナルカミ)を発動させて倒すことができるかもしれないが、わざわざそこまでしなくても、屋根のあるところに移動すれば良いだけだ。

春めいてきたので浮かれて、油断していた。
もう一度、脳にしっかり刻まねばならない。

「敦賀では屋根のないところでものを食べてはいけない。特にうみのそばでは」

**連続投稿43日目**

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