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休日にラーメンを食べた話

【事の経緯】

5月10日金曜日、ゴールデンウィークに働いた振り替えで珍しく平日に休みを貰えた。
朝早く目が醒めたのでゴミ出しと洗濯をした。
しばらくすると妻は仕事へ、息子たちは学校に行ったので家の中でひとりぼっちになった。

窓を開けると冷たい風が吹き抜けた。
まるで植木を抜いた後にできる穴のようなポッカリした気持ちになった。
孤独だ。
ソファーに腰を掛けコーヒーを飲んだ。気がつくと涙が頬を伝っていくのが分かった。

無限とも思える時間の中で世界平和について考えていると身体の向こう側が透けて見えるんじゃないかと思うほどの空腹感が僕を襲った。
ふと時計(Apple Watchの鷹作)を見ると11時になっていた。
…ラーメンが食べたい。そう思った。

【出会い】

昼食のメニューは決まったが、ほとんど外食をしない自分がラーメン屋など敷居の高い場所に1人で行けるはずが無かった。
コンビニでカップラーメンを買って家で食べようと車に乗ったときに、職場の先輩(チキタツ)から買い物を頼まれていたのを思い出した。
忘れてしまいそうだったので先に[頼まれた物]を買いに行くことにした。

空腹でふらふらしながらTSUTAYAに到着した。
店内に入り[頼まれた物]を探しショーケースを眺めていると気配を感じた。
振り返るとそこには、かつての戦友ナツヲときょっぺの姿があった。

【出発】

軽く挨拶をしようと口を開きかけた時、2人が小さく頷くのが分かった。
次の瞬間、自分の愚かさに赤面した。
何度も死闘を繰り返した戦友たちだ。言葉などいらない。
彼らもまた、ラーメンが食べたいのだ。

急いで3人で車に乗り込み目的地へと向かった。
道中は終始無言であった。
皆、期待と不安で胸がいっぱいだった。
奇妙な光景だが不思議と気まずさは無かった。

【ラーメン】

ラーメン屋に到着してからは記憶がない。
時計(Apple Watchの鷹作)を見ると16時になっていてソファーに座っていた。
スマホに残ったラーメンの写真と満腹感が僕を優しく包み込んだ。
チキタツに[頼まれた物]は買い忘れた。
※誇張表現あり


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