119話のやつ

感情が先に来た。

 もやっとするので少しだけ書ける範囲で書いておきます…

 無理矢理だ、とかイメプレが、とか色々あるけれど、それ以前に話そのものに違和感を覚えてしまった。キャラクターの行動だけを見れば納得できないこともない、とは思いつつも、“100カノ”という作品として「おかしい」ってなっちゃう。

 前回の118話ならば「現代先生の言い分は真っ当だよね」とか、「恋太郎ファミリーはこの結末で納得するのかな」とか、もやもやした考えを具体的に出せたんだけど、今回はそうはいかなかった。「なんか違う!!!」という拒絶感(?)が先行したとでも言うのでしょうか……

 というわけで現時点でのそれらをまとめてみるのです。

感想など

 次回予告からも119話は紅葉ちゃんメインの回との認識で良いと思うんだけれど、100カノ個人回および少人数回特有の“新しい魅力的な一面”を見ることができなかったどころか、紅葉ちゃんというキャラクターを下げるような展開になっていたのがやっぱり大きいように思う。

 行動だけ見れば紅葉ちゃんに割と違和感はない気もする。元来“柔らかな女性の体の感触を味わう”ことを楽しみとしている。隙あらば揉みに行くスタイル。自分の手ではなく、男性の手で感触を味わってみたいという好奇心。まあ穴がないと言えば当然大嘘になってしまうけれど、まあ分からなくはないかなあ……程度にはなるはず。

 紅葉ちゃんは元々危ういキャラともいえる。他人の身体を衝動的に触りに行く構図って、やっぱり好ましいものとは言えないし、見る人が見ればいつもの紅葉ちゃんに対しても良い感情を持てない人もいるだろう。
 ただ、さすがは中村先生であって、大多数の読者ちゃんが彼女を受け入れるだけの要素を持たせて100カノに登場させているんですよね。

 まず、人のためにマッサージ師としての腕を磨こうと努力していて、それが真剣であるとわかる描写が多々あること。恋太郎との出会いも運動部のマッサージがきっかけだし、恋太郎自身がそれを知ったからこそ魅力を感じただろうし、合流回でも最初はファミリーのための行動している。夢を叶えようとする真摯な姿勢を見て応援もしたくなるし、紅葉ちゃんの向上心によって培われた技術は他人にいい影響を与えて、それが自分にも還ってくる構図になっていたから、絶妙なバランスで好きになれるキャラクターなのかなあ、と。

 あとは幼女組に入れられるほどのキャラデザとか、掴みどころが難しい少し不思議な性格とか。年齢の要素もやっぱりあるのかな。ファミリーの中でも年少組に入るほどだし、ファミリーとしても、読者ちゃんとしても、「子どものいたずら」程度の認識にも持っていきやすくなっているのも受け入れやすくなる理由の一つだと思う。中には行動と年齢、立場によって常にやべーやつ扱いされている御方もいらっしゃるわけで……

 今回はそういった「読者ちゃんが好きな紅葉ちゃん」が見えづらくなってしまったことが辛かった。

 あとはやっぱり、嫌がってもやめないって描写がマイナスに拍車をかけてしまっていた。正直2ページ目の時点でその不穏さは感じていたが、最後までやり続けるとは思わなんだ。今回のような状況を楽しんでいる彼女もいるし、誰も彼もが心の底から嫌がっているわけではないんだろうけれど、状況が呑み込めてないとか、逃げているとか、多少でも抵抗しているのを揉み続けるのはキツかったですね……
 嫌よ嫌よも好きのうちは通用しないんだなあって。

 あとは凛ちゃんの描写を“バイオレンスさで喜ぶ”で終わらせちゃったのが個人的には一番しんどかったです。良くない単語が浮かんだ人は絶対私以外にもいると思うわ。
 そして“イメプレだからヨシ!”みたいな部分もそうかなあ。これらはいつもの中村先生の読者を納得させる「理論」というよりは、読者を宥めるための「屁理屈」のように見えてしまった……

 奇しくも「新しい自分に生まれ変わる薬」で紅葉ちゃんの“悪い新しさ”を見つけてしまった。なんとも皮肉なものであります。23話の微笑ましさが懐かしくなるよ。

103話と絡めて

 そういうことへのステップアップという題材では無理矢理似てなくはないといえるね…

 「(曲がりなりにも)恋太郎が彼女の胸を揉む」という構図は同じ。そんでもって違う部分と言えば、103話では“感情がない”のに対して119話では“別人格”であったということ。

 感情がない=欲がない状態から、中身は別人といえど欲を状態の恋太郎が彼女に触れるっていう変化があります。果たしてこれが前進なのか後退なのかは分かりませんが、確実に動きはある。最終地点が「恋太郎本人が意志と欲を持って彼女に触れる」だとするならば、なんだかそこに近づいているような気もするんですよね。

 あの話の後にこれやる?とはちょっと思ってしまいましたがね。

終わりに

 なんだかんだで恋太郎といざそういう状況になったときにどんな反応をするのか、を見ることができたという意味では大事な一話だったと思います。イメプレと知っていた以上、実際は別の反応かもしれないし、この話の通りの反応なのかもしれない。この話で見られた彼女達の反応にも可愛さや面白さは見つけられましたから、読みごたえはあるには違いないもの……

 それに、“恋太郎はこんなことしない”という前提があるからこそ、今回の話のような反応になっているわけですから、「良くも悪くもifルート」と思うことぐらいが私のこの話に見出した落としどころですね。(紅葉ちゃんが汚れ役過ぎない?って点では正直あんまり納得できてないです。)

 にしても103話の時と同じくその直後が休載なのは何かしらを狙っている…?(考えすぎだよ)
 まあ、幸か不幸か次の更新までに考える時間はいつもよりあるし、嚙み砕けそうなところは噛み砕きたいですわ。

 いつかこの話がキーとなる展開が来るかもしれませんし、己の好きな作品の一部として留めておこうと思います。

おわりです!

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