103話のやつ
はじめに
どうしてもツイートが―できない………ッッ!!!
こういった仰々しくなにかを書き連ねるのは苦手なのでこれっきりだとは思いますが…。
私が何かしらを読むとき、かなりその世界観に入り込んでしまい、登場人物に感情移入をしてしまう癖があるのです。その一方で「お話の中だから」と、一歩引いて俯瞰して読んだりもしています。それ故に変な感想になったり、独特な意見になったりすることもしばしばあるようではございますが…
そんでもって、今回はその「一歩引いて」ができず、私の中では滅多に起きないような現象でありましたから、ものすごく混乱してしまったのです。そうなるといつものツイート形式では、己の中の稚拙な考えすらも書き表すには頼りないのです。この時点で2ツイート以上の文章量ですし。
あとはやはり内容的にもかなりセンシティブなものだったのでね…
つらつらと正直に書いてもいいものか、と悩んでしまったのです。だからといってこちらで馬鹿正直に何もかもを書くわけではありませんが、多少の自由はこちらのほうが利くような気がするのです。
いつも以上に身勝手なものになってしまうことをご了承くださいませ…
羽香里の行動について
羽香里による今回の出来事は「抜け駆け」と言えるのか、ということにちょっとだけ触れようかと。私としては正直「はい」と答えざるを得ないのかな、と。事故ではありつつも、結果的に恋太郎は自分の意志で羽香里の胸を触った、ということを考えるとどうしても…
44話の牛タン回とは事情が違うのは承知していますが、胡桃だってできることなら恋太郎とのディープキスを望んでいたかもしれません。しかし、手段は割愛するがそれは上手く回避しています。「ファミリーの足並みを揃える」ために。
それに照らし合わせると、どうしてもその答えになってしまうんです…
とはいえ、みんながみんなと同じことしかしないというのも違うのかもしれませんね。現在のヒロインは20人いるわけですが、彼女らは年齢も、生き様も、道程も、恋愛観も、欲するものも違う。そんな状況で”望まない者のために望む者が我慢する”構図は完全とは言い切れないような気がします。
それでも、誰かが何かをし始めて、歯止めが利かなくなるというのが最悪の結末と言えます。恋太郎ファミリーの愛と絆の強さならば、そう簡単にそんな事態には陥ることはないでしょう。しかしながらやはり、それを防ぐ一番の方法は、”なにもしない”ことには違いありませんから。
今回のお話を読んで初めて意識したことではあるのでここら辺はもうちょっと考えて、詰めていきたい部分であります。
感想とか
今回のお話はこれまでから二歩も三歩も進んだような気がします。正直、73話の時点でこんな話が来るのかもしれないとは思っていました。羽香里は“恋太郎が自分を大切に思ってくれてる”と嬉しそうにインタビューで語るわけですが、見ようによっては「拒絶」と感じられてしまうのではないでしょうか。103話はそれに対する答えがほんのちょっと出たように思うのです。
まあ、何と言いますか…。前述した「答え」が描かれる10ページ目からは読んでいてかなり苦しかったのです。どちら側の意見も痛いほど伝わってきてしまいますから。強硬手段に出る羽香里も、それを避けんとする恋太郎のどちらにも共感し、応援してしまう。本当にどちらも責めることが私にはできない。この時点での彼らの関係はいわば、均衡状態とでもいいましょうか?関係を一歩進めようとする羽香里と、それを抑えんとする恋太郎。一進一退どころかピタリと動かない。103話まではずっとこの状態が続いていたのでありましょう。
それを崩すアイテムとなったのがタイトルにもなっている「羽香里の発情期」と「全ての感情を失う薬」ですね。(羽香里の発情期のことを「アイテム」と呼ぶのは心苦しいところではありますが、記号的な意味で捉えていただければ。) 恋太郎が、羽香里の心からの本音をやっと受けきることでようやく一段階先へ進むわけではありますが、ここで今回の鍵となる「全ての感情を失う薬」の出番であります。
ここでツンデレ奪還編の49話を思い返した方もいるかもしれませんね。そう、「アイア〇マンのガントレット」です。これを使うことで当時は物理的に邪なモノを排除していたのです。今回の「全ての感情を失う薬」を使って精神的に邪なモノを排除したことと上手く対比になっているのですね。当時は「さすが健全王!」ぐらいの気持ちで見ていたのですが、今回はそうも言ってられませんでした。
恋太郎が遂に自分の意志で(感情は無だけれど)羽香里の身体を触るわけですが、個人的にここが一番しんどかったですね。あそこまで本音を言わせておいて感情を無にすることが本当に向き合っていると言えるのかと思ってしまいましたし、何より羽香里が感情を無にしている恋太郎に触られて喜んでいるのが見ていて辛かった。また、恋太郎は己の中の性的な感情を全て”下卑た感情”と呼んでいますが、どうしても私はそうは思えない。みんなを大切にし、自分の欲をここまで抑えてきた恋太郎を責める気持ちは全くありませんが、これではあまりにも潔癖がすぎるのではないかなあ、と。どこかで落としどころをつける選択肢は取らなかったのか、というのはどうしても疑問として残ってしまうのですよ…。高校生なんてほんの少し不健全なほうが健全でしょうよってね。
だからこそ薬の効果が切れて心から良かったとさえ思うのです。結果論ではありますが、恋太郎が自分の意志で、そういった感情を持った上で羽香里と向き合うことができたのですから。そういう意味でも一歩進んだ回だったのかなと。
その後の「大福親方と桜色のベレー帽」と「※イメージ映像」はもうなんというか…ずるい!この漫画は直接的な描写は多分おそらくは出さないようにしているはずです(そんな確証ないのと同じだ)。100カノはこういう仕掛けがお得意でありますが、直接的な間接表現(?)だなあと思いました。
最終的にチャンスタイムが到来したのにも関わらず、これまでの恋太郎の行動を振り返って、自分の理性で見事に欲を抑え込んだ羽香里。「胸を触ってくださるだけでもいい」と訴えていましたが、羽香里はちゃんと自分を制御できるラインをきちんと把握していた証拠でもあると思いますし、何より恋太郎がそういう気持ちで向き合ってくれたからこその結果なのだと思います。もし薬の効果が続いたままだったら恐ろしい結末を迎えていた可能性すらあるのでは、と邪推してしまいます。
最後のページの羽香里がすごく満たされた表情をしていたのがとても安堵したというか、胸を撫でおろしたというか、とにかく嬉しかったしホッとしましたね。綺麗な終わり方だったと思います。あとは二人が風邪を引かないことを祈るばかりであります。
これからのお話
最後のモノローグには「ただのドスケベに戻った」とありましたが、単にいつも通りに戻るわけではないでしょう。羽香里はこれまでにも自分に対して自信を持つことができていない描写が数多く描かれていました。その結果、羽香里は焦ってセクシーアピールをするのですが、これがもう健全王な恋太郎とは相性が悪すぎるわけです。焦ってアピールをしても避けられて…を繰り返してきたわけですね。だからこそ、恋太郎に向けられたかった感情を向けられたことで、羽香里は自分に自信を持てるようになったのでしょう。それが今回のお話の中で大きな転換点だと思います。
これからもきっと羽香里は恋太郎にアタックをするでしょうし、恋太郎は羽香里を大切にしているからこそそれを避けるでしょう。
けれども、自分に自信を持ったことで、もしこれからアタックに失敗したときも今回の出来事を支えにして、「恋太郎君はちゃんと自分をそうやって見てくれている」と安心感を覚えることができるようになるのでしょう。
「全部この3人から始まった」うちの一人である羽香里。恋太郎ファミリーが大きくなっていく様子を常に優しく見守ってきた彼女ですね。
今回のお話でしっかり自分の持つものを魅せつけて、たっぷりと自信を付けた彼女がこれからどのように活躍していくのかが楽しみです!
終わりです!!!
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