小生もるが考えたことを書いてみた-2022年12月

みなさんどうもこんにちは。 もる と申します。

穂樽(@LL_uciole)がラブライブシリーズのコピユニのAdC企画を立てるということで、それなら是非とも何か書こうと参加してみました。企画・広報お疲れ様です。様々な方の言葉が紡がれていて、毎記事面白く読ませていただいています。

さて、書きたい雑多なことはあるけれど、こういうブログとやらを書くのも初めてでどうしようかと考えた結果、2つのことに関してお話しようかなと思います。ただ、ここで言っていることは、特段役立つものでもないですし、読者のみなさんから「んなわけねぇだろ!」と叱責されてしまう稚拙な内容を勝手に言葉にしているだけですので、その点ご理解いただけますと幸いです。拙文ながら無駄に長文になってしまったので、気になった箇所をかいつまんで読まれるのがよいかと思います。



0. 自己紹介


東京工業大学コピーダンスユニットTechours(@LLtitechdance)で渡辺曜役と代表を務めております。うちは“コピーユニット”ではなく“コピーダンスユニット”で、その名の通り、ダンスに真剣な団体です。「ダンスの知識を活かしてAqoursを踊りたい!」を合言葉に活動しています。ダンスパフォーマンスに重点を置く故、基礎練にも注力していたり、振り入れの後の詰めをめちゃくちゃやったり、フルコスプレはせず衣装はメンズアレンジしていたりと、個性的な団体なのかもしれません。ただ、その理念が私個人には合っていて、渡辺曜役として4年間、代表としては3年間、こちらで踊らせてもらっています。ちなみに私はTechoursに入るまではダンスなどしたことのない、全くの初心者でした。




1. 目を育てたほうがいいよというお話


「ダンスに真剣」をうたっている団体の長なので、流石に何か一つダンスのことは書こうかなと思い、この話題を選びました。ダンスを見る目を育てることについてのお話です。

ダンス微経験者のコピユニにおけるダンスの話|ざきんぐhttps://note.com/theking0713/n/n6883bf81f377

弊団体の2代目代表を務めていたざきんぐさん(この呼び方に慣れないので非常に困っているが仕方ない。)が、同AdC企画の記事の中で、ダンスとコピユニに共通して重要なことの一例として「ダンスを見ること」を説明されていました。そういえば、「目を育てる」方針はTechoursで代々受け継がれてきたものでした。歴代の方が書くのも当然のお話ですね。失敬。そうとあれば、ざきんぐさんの記事の補記的な位置づけ、かつ、今のTechoursの活動も踏まえながら本章を書くことにしました。


目を育てるということは、振付への解像度をあげるとも言い換えられるでしょうか。例えばの話をします。本家さんの映像で解析を行い、「胸の前に両腕を持ってくる」という振りだと結論づけたとしましょう。しかし、軌道をよく見てみれば、まっすぐ持ってくるのではなく、少しカーブを描いていることに気づけます。速度や加速度に着目してみれば、徐々に減速しながら動かしているとわかり、手先のニュアンスに注目すれば、動きのあるときにすこし指と指の間隔が空いていて、スッと終点におさまったときに合わせて優しくしぼめていることがわかるでしょう。このように、動き一つとっても様々な注目すべき要素があります。解像度を上げることで、「ただ腕を持ってくる」振りだったものが、「なにか自分の痛みを包むように、腕で優しく抱き込む」という振りとして見えるようになりましたね。ちなみに、例に出した振りは、Techoursの十八番『Daydream Warrior』のサビの前半 3-4エイト目の8-1カウント目(歌詞でいうと「抱かれ“たわた”しの」)の両腕の動きを想像しながら書いています。

先ほどの例で振りを記述する際に「○○のような感じ」とありました。ダンスを見る目の話をするとよく出てくる単語、Techoursの詰めにおいては毎回のように飛び交う単語ですが、このような振りの動きの表現を質感と言うことがあります。軌道や速度、加速度など、動き方を変えるだけで、振りは如何様にも魅せることができます。すなわち、ダンスにおいて高度な表現をするには質感の意識は避けては通れない道というわけです。空間を切り裂くように動かし離散的に止めれば力強い印象を与えますし、余韻を残して止めればなにか意味ありげな相貌をみせることができるでしょう。動かし方の質感以外にもアップダウンの質感、ノリの質感……挙げればキリがありません。ただ、この質感への気づきはどうしても目が育ってなければならないのです。後述しますが、様々なダンスをみることが重要になるでしょう。

蛇足になりますが、目線と手、ダンスにおけるこの2つの動きは見る人に強い印象を与えやすいと考えており、振り入れや詰めの時にはその点を意識して練習しています。無論、それぞれ理由があります。

目線については読者の皆様にとっても想像しやすいかと思います。元来から、人間は集団で生活する生物であり、狩猟時にはアイコンタクトで目標を伝えたり、他人の目線移動から敵の襲来を知覚したりしていました。このようなことから、人間である以上、本能的に他人の目線の先に意識が向かってしまうのです。(と勝手に思っています。別に私の専門分野ではありません。)これを逆手に取れば、自分の目線で見せたい要素・動きに観客の視点を誘導できるというわけです。手を反対の腕に添わせる動きに目線を追従させれば、その動きを強調して魅せることができますし、他のダンサーにぱっと移せば、「こんな仲間がいるんだぜ!」といった印象を持たせることもできます。ここで、Aqoursの楽曲に立ち戻ってみると、特に『未来の僕らは知ってるよ』は歌詞と目線移動が非常にリンクしているなと思い返します。1番Aメロや2番Aメロ-曜ソロなどがその例でしょうか。青空は綺麗でしたし、踊っているメンバーの笑顔も素敵でした。

手の動きが強い印象を与えやすい理由ですが、こちらは尾関晃輔さんというJAZZ(テーマパークやシアター系)ダンサーの方の言葉から説明していきたいと思います。この発言を聞いたとき、一瞬ハッとして、なるほどと思ったのですが、「手はおしゃべり」なんだそうです。ぱっと指を開けば元気な印象を与えますし、拳をつくれば力強い印象、ないしは我慢といった心情表現をみせるかもしれません。軌道の見せ方で様々な意味をもたせることができるでしょう。これらは、手自体が左右10本の指とそれぞれの関節からなる故に様々な相貌をみせることができ、かつ、そのような手が腕の先にあることによって、非常に多くの領域をカバーし、変幻自在に移動・軸回転させることができるからなのだと捉えています。

ここまで、質感についての一考察をしました。一見、目を育てるという話題からそれたように思われるかもしれませんが、実際そうではありません。先述のような知識を持つことが、ダンスを見る際の理解に役立つというわけです。「こうだから、こう見えるんだ」と着目できれば、ダンスを見る際の解像度は飛躍的に向上するのではないでしょうか。無論、先にあげた内容だけがダンスを説明する理論ではありません。様々なダンスをみたり、ダンスの上手な方の話を聞いたりすると、そのバラエティーは増えていくと思います。


さて、ここまで語ってきたダンスの見かたですが、私自身、2種類の見かたがあるのではないかと考えています。ここで、読者の皆様に一考していただきたいのですが、映像を一見してよくわからなかったパートがあったとき、どのように見返すでしょうか。「一時停止を繰り返しながら、コマごとに動きを追っていく」方と、「そのパートを性懲りもなく繰り返し再生する」方がいらっしゃると思います。私個人は、この2つの見返し方が似て非なるものであり、両方の見かたができたほうが良いと踏んでいるのです。

前者の見かたは主に、シルエットといった形(カタチ)を見るのに有効でしょう。動画が画像の連続によりできているように、ダンスも微小時間のシルエットの積み重ねによりできあがるものです。やっていることが合っていたとしても、身体のラインが見せるカーブや手の形などに違和感があれば、それが観客にはノイズとして伝わり、ダンスの印象を下げてしまいます。また、LoveLive! を始めとしたメディアコンテンツ系、踊ってみた系、アイドル系の振付・ポーズは、元気だったり、可愛らしかったり、かっこよかったりと、キャッチーなものが多いように思えます。Genre LoveLive! のコピーダンスをするとあれば、丁寧なシルエットづくりはなおのこと欠かせません。なお、男性の方がLoveLive! の振りを踊るときのシルエットの汚さは「野郎っぽい」という印象を与えてしまいがちです。確かに男性と女性では骨格が異なる故、無理があるシルエットもあるのですが……この話題は「ダンスの見る目」とは別のものになってしまいますし、同AdC企画の記事であるみりんさんのブログに関連記述がありますのでそちらを参考になさるとよいと思います。

(参考)
範馬勇次郎がかわいいアイドルになるためにできること|みりんhttps://majirinchan.hatenablog.com/entry/2022/05/11/105718

ここまでシルエットについて偉そうに書いていますが、実のところ、私自身も大の苦手分野になります。ただ、弊団体にはシルエット大臣のふな(4th~6th千歌役)がいまして。彼には大変お世話になりました。

 さて、もう一方の「そのパートを性懲りもなく繰り返し再生する」見かたですが、こちらは、ダンスで言う動きや質感を見ていることになります。たとえ、1コマごとの形相が合っていたとしても、それらのつなぎ方が間違っていればせっかくのシルエットも台無しです。質感がダンスに表情を与えるのですから、一時停止ばかりしているのではなく、動き全体(1~2秒)を通しでながめてみることも重要になります。なお、この質感を映像から読み取るには限界があります。多くの動画が60fps化した昨今ですが、それでも約0.017秒ごとに途切れてしまいます。そもそも、ダンスというものは離散的ではありません。生でしか知覚し得ない質感があるはずなのです。実際、私も60fpsの動画による解析に限界を感じつつある状況です。ましてや、自宅で見るアーカイブ配信はさらにfpsが小さく、満足できないことが多いです。「生しか勝たん!」といってライブに行っているのは、これが理由です。とは言いつつ、眼球から得た視覚情報を完璧に録画する機能は(少なくとも私の頭には)備わってないので、どうであれ映像から解析をしなければなりません。その際には補間をすることになります。この補間の精度こそ、見る目の解像度の違いに直結します。


 「それじゃ、何をどう見ればいいのさ?」と突っ込まれている頃合いでしょうし、この章の結びとして、「こんなものをこんな風に見てみたらいいんじゃないかな」と私がとらえていることを書こうかなと思います。

 まずは、本家さんのパフォーマンスが一番になってくるでしょうか。とは言っても、アニメやゲームの3D映像などのキャラクターが踊っている資料とキャスト(生身の人間)が踊っている資料は明確に違います。キャラクターの持つ骨格と生身の人間が持つ骨格が異なる故、関節のまわり方、動き方の特性や質感はまだまだ両者乖離しているかなと思っています。また、先述の通り、映像ではダンスの質感を完全にとらえられるわけではありません。特に、MVなどの映像はかなりのコマ数が落ちているはずです。質感を出すには、補間の領域を超えて、解釈する必要も出てくるでしょう。やはり、見るなら生だと思います。キャストさんがどこの音をとって、どんな加減速をつけて、どんな質感を表現しているのかに着目しながらパフォーマンスを見るとよいと思います。ただ、ライブ自体楽しむのを忘れないようにしてくださいね。私はダンスの質感を観に行くのが好きなのでいいのですが、ライブのストーリ-を追えなくなってしまいがちなので。

 キャストさんの研究をするならソロ現場にも行くとよいかと思います。歌うことがメインだとは思いますが、振りがないからこそ、そのキャストさんの癖や音の取り方・ノリ方がわかりやすいのではないでしょうか。ただ、ここで気を付けたいのは、ソロ現場とキャラクターを演じるコンテンツライブでは、キャストさん自体も質感を変えている場合が多いという点です。当たり前のことですね。ラブライブ!のキャストさん方はキャラクターを表現しているわけですから。キャラクターの表現の根底に、キャストさんの癖や素の質感が多かれ少なかれあると捉えて、自身のコピーダンスに取り入れるか決めるべきなのかなと思います。この取り込む量で、キャスト寄せかキャラクター寄せかが変わってくるでしょう。

 また、LoveLive! のダンスをするならストリートダンスの映像も見ておくべきなのかなと私個人は考えています。というのも、LoveLive! のダンスは幅広いストリートダンスの要素にアイドル系に見られるシルエットづくりを合わせて作られた、一つのGenre、Genre LoveLive!としてとらえるべきだと思うのです。もちろん、振りの中に出てくるステップ・技に関しては、各Genreに元となるものがあるはずなので、それを参考にすべきでしょう。今やYouTubeをみれば解説動画が転がっている時代です。1度見たところで理解できないのは日常茶飯事なので、繰り返し見て、踊ってみて、慣れていくというのが習得の流れになります。反対に、いろんなステップ・技・技法などを常日頃から見ておくというのも非常に重要です。ダンスにおけるボキャブラリーとなります。新しい曲に取り掛かるとき、「これ取り入れたんだ」とすぐ参照できたり、「ちょっと質感違うけど、あのステップの応用でいけそう」というように参考にできたりと、振り入れ時から解像度を上げることができるでしょう。なお、ショーケースなどの実際に曲で踊っているものを見るのも目を育てるのには有効です。結局これもボキャブラリーを増やすことにつながります。ちなみに、Genre LoveLive! はContemporary、JAZZ、JAZZ HIPHOP、Girl’s HIPHOP、HIPHOPこのあたりがメインの基礎で、曲によってTHEATER JAZZ、BREAK、WAACK、SOULの要素が入ってくる感じなのかなと捉えています……が正直まだまだよくわかっていません。そもそも、各Genreに対する理解が未熟ですし、毎年、自分の中でも定義が変わっているくらいなので。一応、参考になさる方がいるかなと思ったので現時点での私の理解を書いておきました。

 目を育てる訓練として、Techoursでは2年目以降のダンサーには曲責を務めてもらっています。曲責とは何ぞやというお話ですが、これは曲責任者の略でその曲の振り起こし(解析)、振り入れ、構成、詰めのすべてを統括する担当者です。曲責を担当することになれば、まず、映像に関しては物凄い時間見ることになりますし、振り入れ時に他人に教えるため、振りや動きを言葉に起こしたりします。また、練習でとった動画をみて、各ダンサー先輩後輩関係なしにコメントをつけていくことになります。無論、この作業は曲責だけではなく全員がやりますが、曲責が主導となるのは確かです。曲責を担当することで、本家さんの映像・自分たちの映像含め、見る量は増えますし、言葉に起こす・コメントをするという作業から、ダンスにおける身体の動かし方や表現の仕方への理解が深められるのかなと考えています。


 私が「ダンスを見る目」に関連して意識していることをまとめてみました。ここまでの量になるとは思っていませんでしたが。これまでの内容は、すべて自分の論というわけではなく、今までTechoursでライブを創ってきたメンバーの言葉や考え方もお借りしてまとめたものです。この場を借りて感謝申し上げます。ただ、このまとめ方が必ずしも正しいとは限りませんし、私個人としても、まだまだ理解が未熟だなと思う部分があります。読者の皆様におかれましては、うま~く「参考にしてみたり、してみなかったり」していただけますと幸いです。




2. 3年目以降の代表を務めて思ったこと


私が所属するTechoursは、団体組成から約5年の団体です。私は『Techours 3rd LoveLive! -Extra Stage-』の終了後、2019年12月から代表を務めてさせてもらっています。“一応リーダー”です。弊団体では今のところ、代表とリーダーは同じ人が務めることになっています。

リーダー・代表について語ろうと考えたはいいものの、ろくにリーダーっぽいことはしていないので、Techoursの代表として考えてきたことを言葉にしたいと思います。私の経験部分は「しくじり先生」ならぬ「しくじり代表」的な感じで読んでいただけたらと思います。1章と比べたらだいぶラフに書いていますがご容赦ください。


リーダーという役職が表立つのは団体組成の“0から1”の時。それはなぜかというと、リーダーが団体を常に引っ張る船頭だからだと考えています。団体の発足直後というのは、何事にも非常に不安定です。ダンス団体として言えば、練習スケジュール・場所といったルーティンも決まっていませんし、団体の雰囲気も定まってはいません。そんな中で、リーダーが担う役割というのは「目標を定め、がむしゃらに引っ張っていく」という姿勢です。その熱意を前に出し、時にはぶつかり合いながらも団体を前に進めていく立ち回りが重要なのだと思います。なにもかも初めて、先の全く見えない状況において、常にあふれるリーダーのその情熱が無ければ、初めてのステージまで到底たどり着くことはできないと思います。夢をステージまでもってくリーダー、すげぇなぁって思います。

“0から1”を成し遂げた団体に必要なのは団体のカタチを定めていくこと、大体2年目くらいの団体のリーダーが担う一番の役割はその辺なのかなと思っています。初めてのステージまでたどり着いたとはいえ、まだまだ不安定。この先、団体が続いて行くには、活動するための様々な仕組みをつくっていく必要があります。1年目の反省を生かして、ルーティン活動を変えてみたり、あやふやだった仕事分担をしっかりと明確にしたり、前々から団体を動かして準備時間を増やし、様々な検討ができるようしたりというのが、その例だと捉えています。「この人の決めることならうまくいきそう。」、「この人についていきたい。」と自然と思わせられるリーダーが適任でしょうか。(これを某氏が“カリスマ性”と呼んでいた記憶があります。)まさに団体の軸。このリーダーもやっぱすげぇなぁって思います。

【注:ここからだいぶ口語体になります】

ここまで、ざっと「3年目より前の団体のリーダーってこんなもんだよな」と考えていたことをまとめましたが……まぁ、私にはその素質がこれっぽっちも無いんですよ。常に引っ張るような人でもないですし、自然と上に立っていられる人でもないです。じゃあ、どうしようかって考えたときに、ふと「Techoursにいるメンバーってどんなだったっけ」って思い返すと、プロばっかだったんですよね。案内のプロだがよくわかりませんが、団体誕生2年間で培ってきた技術・仕組みがすでに根付いていたわけです。なら、メンバーそれぞれの得意分野が活きるようにその基盤を用意できるように立ち回ろうと思ったんです。実際、ダンスだけでなく、やりたいことというのが増えつつありました。なら、それを全部とはいかないまでも一緒に叶えたいと。団体が止まりかけている時だけはちょっとだけ前に立って、エンジンかかったらあとはメンバー皆が進めてくれるので、それを後ろで各所調整しながら、必要な情報だけ整理しておいて、あとは居るだけという“一応リーダー”になることにしました。もはやleaderじゃないですね。それでも、Techoursのみんなはそれでいいと言ってくれたので感謝しかないですが。

この姿勢になったもう一つの理由が“コロナ禍”です。お気づきの方もいるかと思いますが、私がリーダーを務めたのがちょうどその時期だったのです。ダンスの団体にもかかわらず、まったく会えない日々、遅れていくスケジュール、もし会えて練習再開できたとしても、今まで当然だったことにいろいろ事前検討しなければなりませんでした。その上、ライブをやるとなれば、団体構成員以外のお客様を呼ぶことになります。しなくてはならない対策は山積しました。基本的にライブにむけてのあれこれを考えるのは非常に楽しいことです。しかしながら、このコロナ対応の検討というのは、まったくもって負の感情しか生み出しません。何せ、検討の結果がほとんどの場合何かしらの“制限”になるわけですから。とはいいつつ、制限しなければ、団体自体が崩壊し兼ねない。それなら、せめてもリーダーが背負おうと。団体の雰囲気に、団体の活動に、その展望になるべくマイナスを出さないように、メンバーが前向きに色々検討できるような状況を用意することに専念しようとしていました。それでも“コロナ禍”というのは威勢を弱めることなく、メンバーには数多く「できない」と返答した覚えがあります。申し訳ないばかりです。


ここからは「リーダーとして意識したほうがよいと思っていること」について書いていこうかなと思います。「じゃあ、いままでなんであんたのリーダー像のお話をしてたのさ」と突っ込まれそうですが、いろいろな考えの根底に自分なりのリーダー像があってのことだったので触れておきました。

まず、メンバーは大切にした方が良いです。当たり前のことですが、これは誰がどういったって自分の中では不変で、声を大にして(?)書きました。メンバーによってやりたい事、できること、忙しさ、性格……様々なわけですから、それぞれがなるべくストレスを抱えないように様々なことを検討しておく必要があります。仕事の割り振り、練習スケジュール、本番のスケジュール……これらを団体としてやるべきこととメンバーをすり合わせていくわけです。常日頃から、団体のことを考えて足りることはないくらいです。とは言いつつ、私は自分勝手に考えるだけで、結局寄り添えていないのが本当のところです。考えるだけでなく、ちゃんと面と向かって聞くことも大切だと思います。コロナ禍を通してそう感じました。

 どんな団体にするか明確にしておくというのも重要です。団体構成員に強制をもとめるのか、団体の緊張度をどのあたりに設定するかで、リーダーからのアプローチの仕方が変わってくるはず。団体の雰囲気にテンションのある、タスクチームのような進め方であれば、目標達成はしやすくなると思います。リーダーは、ある程度は鬼になって、メンバーの進捗を管理する立場になるでしょう。一方、団体を居場所のようにつくる方針もあります。もちろん目標は立てるけども、無理に強制をせず、居心地のよさを重視するというものです。私個人は後者の進め方が好き……というか前者をやったところでメンバーがついてきてくれるような人格者ではないので、必然的に後者よりの方針をとってしまいます。まぁ、団体2年目に入ったころからずっと居心地のいい団体で、メンバーが勝手に作ってくれるので、リーダーとしてはそれを眺めているだけでしたが。私、不和、キライ。ちなみに、居場所ってことで、この後場所論を展開しようかなとも思ったのですがやめました。

3年目以降の代表としての話をしているので、その辺に関わったお話も。団体が大きくなってくると、必然的にリーダーとして頭に入れておいたり、進捗を見守ったりすべき事項が増えてきます。そんな中で仕事をしては、頭がパンクするのも当然です。ある程度の仕事は他の人に投げていきましょう。リーダーのお仕事は、全体の把握、調整がメインになってくるはずです。問題が表面化する前に把握しておくだけでも、対処にかかる労力が少なくて済みます。ただし、投げるときは丁寧に投げましょう。今までやってきたことならポイントをおさえて説明する、自分でもわからない内容なら検討すべき点を明確にしてから投げるべきです。また、投げてできた成果物に関しては、プラスになるようなフィードバックを返してあげられるとよいです。まぁこれだけ偉そうに言っている当の本人は、去年まで仕事を投げることすらできないし、今年はスケジュール作成等を雑に投げてしまっていたので、ただの仕事のないおじさんになっちゃったらしいです。ダメっすね。

 また、団体が大きくなったのであれば、リーダーという役職を使って他の団体さんと交流していくことも重要です。お互い団体を知ってもらういい機会ですし、同じ悩みを抱えがちなので、他団体さんのいい施策があれば、参考にさせてもらうこともできます。ちなみに、Techoursは情報開示に肯定的です。うちでやっているコトが他の団体さんでもハマるのなら、使っていただけた方が嬉しいですからね。それでコピユニの輪が広がるのなら願ったり叶ったりです。なんか相談事とかあれば、代表なりメンバーなり公式なりのDMにどうぞ。私も相談したい!


 まとめです。(唐突)ここまで読んでいただいた方の中には「消極的でなんもしてないじゃないか」と感じる方もいらっしゃるでしょう。ごもっともです。というか、その通りです。途中で言ったでしょう?ろくなリーダーじゃないって。世の中には、いや、狭いコピユニ界だとしても素晴らしいリーダーさんはたくさんいます。普段はあまり前に出ないでメンバー思いのフォローにまわるけど、実はどっしりと構えていて団体の頼りどころになっていて、いざという時には船頭としてリーダーシップを発揮する。そんな方が、リーダーさんのコピユニはうまくいっているなぁという印象があります。他コピユニのメンバーさんへ。リーダはすごい人ばかりだから時には手伝ったり、精神的に支えてあげたりしてね。たぶんメンバーのことが大好きなので、死ぬほど嬉しいと思います。

話を戻しましょう。結局のところ、既存のライブに満足すること無く、さらにパワーアップさせるそのメンバーの姿勢や頑張りに恵まれたからこそ、そして外面はどこか変に尖っているけど根は優しいメンバーだからこそ、こんなへっぽこがリーダーで居られたのだなと思います。だからこそ、この恵まれた環境の中で思ったことを言葉にすれば、誰かしらには刺さってくれるのかなと思って今回記事にしてみました。1章同様、うま~く「参考にしてみたり、してみなかったり」してくださいね。

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