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おおさか府民牧場 ―売り飛ばされる財産(2)

 こちらの施設は、30年の府債でリニューアルされているので、府民は存在しないこの施設の為の借金をいまだに支払わされています

 大阪府民だけではなく近隣の多くの人々にとっての「憩いの場」「自然と触れあえる場所」「体験学習ができる場所」「畜産のサポート」「森林問題(里山保護について)」と沢山の機能を兼ね備えていました。

 なぜ、廃止されなければならなかったのでようか?
 あなたは、廃止が妥当だと考えますか?

 (1)観光名所が出来たと地元民に喜ばれていました。
 (2)施設の閉鎖を撤回してもらおうと、存続を望む人たちによって17,167筆の署名とともに陳情書が提出されています
 (3)跡地には、学校が建設されましたが、6校が統廃合されたので、小学一年生もバスで通うことになったのです。地元では強い反対の声があがりました。

 それでも強行されました。

 こちら、統計本を元に作成した「野外のレジャー施設」の2016年の状況です。

野外レクリエーション施設 (834)


 廃止までのプロセスを、大阪府の議事録や、いろんな方のブログを元にまとめてみました。
 これを、まとめた当初は、経緯が理解できませんでした。でも、それ以外の事業について調べていって、ようやく理解出来ました。
 市民の声、その声を元に行政を実行する議会、
 これらは、維新にとっては「ミクロの世界」なのだそうです。 

 おおさか府民牧場が、廃止に至ったプロセスで、維新がどのような手法を使うのかが理解いただけるかもしれません。


閉鎖直前の「酪農体験の様子」です
2012/03/19 酪農体験(おおさか府民牧場) 実施報告

「おおさか府民牧場」の廃止が決定された直後の平成23年8月3日に監査請求が却下されました。そこには、「28億円をかけてリニューアルされ、府債で30年かけて償還している」と記載されています。
また、「平成21年2月定例会」において、河田教雄氏(動物愛護畜産課長)「おおさか府民牧場を整備した際に発行した起債について、多額の残高が残っており」と議事録に残っています。

こちらの施設 オープン当初の「名誉場長」に
黒い交際で芸能界を引退したS氏が名を連ねています

<< 廃止までの経緯 >>

【平成19年】
中島健二氏が、「子どものコミュニケーション能力を高める」「地域の森林を守る」とその重要性を述べています。
[平成19年2月定例会本会議 0227-05号]


【平成20年2月】
橋下氏が知事に就任。悪夢の「ゼロベース」の見直しが始まります。


【平成21年度
民営化について審議されています。存続の意向が示されています。
その際に「整備した発行した起債について、多額の残高が残って」と、河田氏が発言しています。

池田氏「府の負担を減らすという観点で廃止したり処分するということでは困るわけでして、仮に民営化できなければ、この府民牧場をどういうふうになさるおつもりですか」
河田氏「運営の一層の効率化を図る
「民間事業者に売却した場合は、仮に採算ベースに乗らなければ事業が廃止され、放置される可能性なども考えられます。また、おおさか府民牧場を整備した際に発行した起債について、多額の残高が残っており、民間事業者への売却についての大きな支障となるものと考えております。」
[平成21年2月定例会環境農林常任委員会において 03月16日-02号]
池田作郎氏、河田教雄氏(動物愛護畜産課長)

【平成22(2010)年】
6月
(誤)私が確認できたのは、ここで初めて廃止に「府民牧場」が登場します。
(正20201020)平成20年6月5日の「大阪維新」プログラム(案)
◇「民営化」を行うもの(3施設)に記載されていました
大阪府財政構造改革プラン≪たたき台≫
について 

6月30日
朝日新聞のデジタル版 「廃止する8事業は、能勢町のおおさか府民牧場の管理運営費(同8千万円)  の文字が躍ります。

7月
しかし、こちらの一連の資料にはでてきていないようです。
知事と改革プロジェクトチーム・部局長のディスカッション
ディスカッション項目・資料 (平成22年7月12日・14日・22日)

9月
こちらのパブコメにも、市民からの意見はなかったようです。
「大阪府財政構造改革プラン≪素案≫」に対する府民意見等の募集結果について  (資料)大阪府財政構造改革プラン(素案)パブリックコメント意見等集計表

どんなに探しても、議論されいる記録は見つけられませんでした。

11月
議会で、「廃止が既定事項」として語られています。
[平成22年度会計決算特別委員会 11月11日-03号]


平成23年
6月
第5回大阪府戦略本部会議 議事概要【議題1】
「資料1 府民牧場の廃止と無償譲渡等について」廃止が決定されます。

資料1より抜粋【「財政構造改革プラン(案)」】
○プログラム案の方針である民営化は、受け手がなく断念
○民間等による代替施設が存在する(※1)ことや、
 かなりの運営費(※2)を要していること等から府民牧場(ふれ あい事業・子牛育成事業)については、平成 23 年中に廃止を含めそのあり方を決める。
○府民牧場を小中学校候補地にしたいという地元能勢町の意向(※3)を受け、地元自治体との連携・支援等 の観点から、並行して能勢町との調整に努める。(本文抜粋)
※1 代替施設について、六甲山牧場くらいしか、私は知らないです。
※2 運営費:8000万円/年間
※3 地元では、学校の統廃合を巡って住民投票を求めるが議会で否決される
また、地元の70%が廃止に反対だったといわれています。

この時、能勢町に例外的に無償で土地を提供しています。牧場を作る際に、上下水道の整備も行われたそうです。当時の能勢町は財政状況が黒字だったそうです。そして、学校の用地確保には困らない地域です。無償で提供する理由が理解できません。

8月
「監査請求」が提出されますが、却下されています。
「バター手づくり体験 4872人、アイスクリーム手づくり体験 2607人」
これだけの利用者がいたそうです。

9月
跡地利用について、
宮原威氏の質問に対して、中島英夫氏(動物愛護畜産課長)が、
まきばエリア」として「自然や動物とふれあう憩いの場所として府民牧場のふれあい機能の一部を継承する」としています。
[平成23年9月定例会環境農林水産常任委員会]
※跡地には、馬が数頭いるそうですが、憩いの場所とは認識されていないようです。今でもおでかけサイトの検索にヒットします。

おおさか府民牧場情報 (492)


10月6日「明るい民主府政」さんのブログ
「憩いの場つぶす橋下知事 府民牧場見学して」
「府民牧場は12年間で約150万人の利用者がある、能勢の観光の目玉。今日も観光バスで保育所の園児がたくさん来ていました。府民が動物や自然と触れ合える数少ない施設をつぶすわけにはいかないと、府に1万5000近い署名が提出されています。」
本文抜粋

活動報告

10月11日「能勢町 学校統廃合を考える」さんのブログ
「9月20日と本日2度にわたり、橋下知事に、合計17,167名の署名を届けました。また、20日は知事に「要望書」を本日は府議会議長に「要望書」をそれぞれ提出」

11月2日「能勢町 学校統廃合を考える」さんのブログ
「極暑の8月、9月、大阪府民牧場を存続するための署名活動を展開しました。
能勢町はいうに及ばず、近隣の市や町からも「府民牧場をなぜつぶすのか」との切実な思いが大きな輪に拡がって、たくさんの署名が集まりました。
…しかし、残念ながら10月21日の府議会において廃止条例が可決されました。私たちの願いを無視したなかで、知事、大阪市長のダブル選挙がおこなわれる様相です。」
「8割が学校再編をよく思わない意見であった」
「11年4月22日 臨時議会において「学校再編に関する、住民投票条例制定」についての採択が行われ、賛成5人=反対8人で否決され、学校問題では例のないと言われる、住民投票は実現しなかった。」

学校建設が、地元住民の望みではなかった事がうかがえます


平成24年
3月12日 「能勢町 学校統廃合を考える」のブログ
「大阪府民牧場」感謝デー の賑わっている様子が掲載されています
http://nosetown.seesaa.net/article/447455937.html

3月21日 別のブログには

動物300頭うち、譲渡先が決まっていたのは30頭
残りが殺処分される事を海外の知人から知らされたそうです。

「前大阪知事(橋下徹氏:現大阪市長)に対して 17,414名の抗議署名が9/20に提出されたにもかかわらず、知事交代によりそれらの貴重な市民の声が無視

能勢町住民の70%が反対していたにもかかわらず、
能勢町長からの電話などでの個人的な圧力がかかったため、声を潜めてしまったそうです
能勢学校新構想の建築・造成費が倍ほどの42億円もかかるのでしょうか?」
本文抜粋
通常の2倍の建築費がかかったとも言われています。

大阪府民は、当時20年近いローンを残したまま
みんなに愛された「おおさか府民牧場」を失い
多くの動物が殺処分され
現在も償還し続けているのだと思います