日本で働く外国人の年金はどうなるの?

■この記事で伝えたいこと

・日本にいる外国人労働者も年金の保険料を支払う必要あり
・受給資格期間が10年に満たない場合は、納付済みの保険料を返還してもらえる可能性あり
・返還を受けたい場合は、日本を出国後2年以内に請求する必要あり

■はじめに


現在、日本にいる外国人労働者の数は約170万とその数は年々増加しております。そんな日本で働く外国人が気になる日本の制度の一つが「年金」ではないでしょうか。
年金は老後にお金を受け取るために保険料を支払う制度ですが、将来的に帰国する予定の外国人にとっては、支払いたくないと思う方も多いのではないでしょうか。
そんな日本の複雑な社会保障制度である年金について、外国人労働者の視点から疑問を解決していきます。

■日本で働く外国人は年金の保険料を支払う必要があるのでしょうか?


結論から入ると、原則として支払義務があります。日本の年金制度では、日本に住む20歳から60歳のすべてが公的年金への加入義務があります。そのため、外国人であるか否かに関わらず、
保険料を支払う必要があります。しかし、申請により在学中は保険料の支払が猶予されるなど、支払の免除・繰延ができる規定があります。これについては、別記事にて紹介しますので、そちらを参照してください。


■外国人労働者が母国に帰国することになった場合、納付済の年金の保険料はどうなるの?


結論として、一定の要件を満たす場合は、納付済みの保険料の返還を受けることができます。
返還を受ける金額のことを「脱退一時金」といいます。脱退一時金の支給を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。要件がかなり多く、見るのも嫌になると思いますが(笑)。
【要件】
1日本国籍を有していない
2公的年金制度(厚生年金保険又は国民年金)の被保険者でない
3保険料納付済機関等の月数が6月以上ある
4老齢年金の受給資格期間(厚生年金保険加入期間等を合算して10年間)を満たしていない

5障害基礎年金などの年金を受ける権利を有したことがない
6日本国内に住所を有していない
7最後に公的年金制度の被保険者資格を喪失した日から2年以上経過していない(資格喪失日に日本国内に住所を有していた場合は、同日後に初めて、日本国内に住所を有しなくなった日から2年以上経過していない)

上記のうち、1. 2.6はすぐに理解できますし、5,7については該当する場合はほとんどないかと思います。そのため、2,3,4について別記事にて説明していきます。

■申請方法について


脱退一時金の支給を受けるための申請については以下のようになります。
【提出時期】
日本を出国後2年以内
【提出先】
日本年金機構本部又は各共済組合等
【提出方法】
郵送または電子申請
【必要書類】
1脱退一時金請求書
※請求書用紙については、次のURLからダウンロードできます。
2パスポートのコピー
3日本国内に住所を有しないことが確認できる書類(パスポートの出国日が確認できるページのコピーなど)
※帰国前に市町村に転出届を提出している場合は、不要。
4受取先金融機関名、支店名、支店の所在地、口座番号、請求者本人の口座名義であることを確認できる書類
5年金手帳その他基礎年金番号が確認できる書類
6委任状
※代理人が請求手続きを行う場合に限る


今回の記事は以上となります。みなさん、いかがだったでしょうか。皆さんの、感想や疑問点などをお待ちしております。
最後まで読んでいただきありがとうございました!

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