部活やめるってよ

最近、部活内で仲良くしていたAくん(仮名)が部活をやめると言ってきました。その子は私が今の部活に入ってすぐ最初に仲良くなった同期で、部活にうまくとけこめなかった私とチームを結び付けてくれた大切な存在でもありました。私はその人柄に惚れてよく相談をしたりとか一緒に飯行ったりとかもしていたので、その子がどう思っているかどうかはわかりませんが私は彼を慕っていたのです。

そんな彼が2週間前に、”同期内のLINE上でミーティングを開いてほしい"と頼んできまして、私はそこで彼が部活をやめることを知りました。常々、大学卒業まで部活をする気はないと言ってた彼ですがついにその時が来たようです。元々いつ辞めてもおかしくないとは思っていたのでその報告にあまり驚きはしませんでしたが、やめる理由を聞いて私は心に冷たい風が吹きつける思いをしました。”今の部活の未来は暗い,,,"彼はそう言いました。確かに、新型コロナウイルスの影響で春の試合はすべてなくなり、新入生とも関わることが限られてしまったので部員のスカウトもうまくいかない。さらに彼は深刻なけがを抱えていたので、この先プレーができるのかどうか不安だったのでしょう。さらに同期内において自らの熱意の差も感じていた彼は、どうもこのままついていけないとも思っていたそう。その事情を考えれば、やめたくなるのも納得だと感じて私は”部活をやめてもいいと思うよ”と彼の背中を押しました。

結果的に、彼は先週自らの意思を同期に伝え、そのまま部を去る決意を完全に固めました。しかし数日後、彼抜きでのミーティングが始まりそこでAくん以外の部員の何人かが彼を引き留めたいと言ったのです。どうやら、Aくんの退部騒動が先輩たちにも行き渡ったらしく、彼を引き留めてほしいとお願いされたようなのです。いざミーティングが始まりますと、実に様々な意見が出ました。その中で特に気になったのが、”最近頑張っていたから乗り越えてほしい”、”熱意の差なんて俺たちでカバーしていこうよ”、といったもの。彼が同期内で不和を抱えている中、こうした期待や仲間内で助け合うという美談は彼の心に通じるのか。私はとてもそうは思えませんでした。そういうわけで、私は同期に”彼が決めた道なのだから、彼の気持ちを尊重し応援してあげたい”と言って、彼の退部を後押ししたのです。

大事な仲間だからこそ、やめる仲間を引き留めたい気持ちはわかる。でも、今どん底に近いモチベーションにある彼に部活を続けさせるのはチームにとっても彼自身にとってもよくないんじゃないか。それならやめるほうが正解かもしれない。これほどまでに他人の行動で悩まされたのはあまりなかったのでどうするのがよかったのか答えは出ません。そもそも私の言ったことはすべてキレイゴトに聞こえるような気がして、ただ相手を尊重するふりを見せてええかっこしいしたかっただけなのかとも思います。

ならば、こんなもやもやを晴らすには何ができるか。単純ですが今以上に部活を頑張ることだと思いました。彼は本当にアメフトが大好きですが、いろんな要素が絡まって今の部活でアメフトすることが苦しくなってしまった。であるならば、彼が今後楽しいと感じるはずだった瞬間まで、チームでたどり着くことが僕がこのチームに馴染ませてくれた彼にできる恩返しなのかなと思います。本当はこんなこと書く必要もないし、皆さんが読んでも”なんだこいつ”と感じるかもしれませんが、ここに書かないと、残さないと忘れてしまう気がしています。自分も今の部活に向き合えることがちゃんとできていないと思ったらこれを見返そうと思います。そのための備忘録です。


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