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種族設定「セリアン」


セリアン

哺乳類、鳥類を擬人化したような列強種族。
ヒューマンと同じくらいの文明水準を持ち、人口は約7000万人。
白人種、黄色人種、黒人種がいる。
ケイオノヴァス大陸では白人種が主だが、他大陸からの出稼ぎ労働で黄色人種や黒人種のセリアンがいることもある。

獣の血が濃いほどより獣に近い姿を持ち、薄いほどヒューマンに近い姿になる。
気候の厳しい地域では獣の血が濃い者が優遇されるが、他種族が頻繁に行き交う王都では親しみやすさからヒューマンに近い者が好まれる。
ゆえに働きやすい場所を求めて王都へ行く者も多い。

他種族からは、獣の血が濃いものは「セリアンビースト」ヒューマンの血が濃いものは「セリアンヒューマン」と俗称されるが、その基準は長らく国によって異なっていた。
17世紀に「”先祖返り”を行える者がセリアンビースト」という国際的な定義が出来たが、今でもその国ごとの伝統的な解釈を用いる者も多い。

身体能力は獣の血の濃さに比例し、特にセリアンビーストの男は一個体でヒューマンの軍隊一つ分の戦闘力を誇るとも言われる。
一方で、血の濃さを求めすぎた近親婚が深刻な問題となっており、没落しつつある家柄の間では、凄まじい身体能力と引き換えに知的障害を持ち15~20年ほどしか生きられない子供ばかり生まれている。

そもそも、寿命の長さはヒューマンの血の恩恵によるもので、セリアン本来の寿命はとても短い。
代わりに繁殖力が高く、セリアン一人が一生のうちに生む子供は少なくとも5~6人以上。
そのため、他の長命種族に奴隷として使役されていた長い歴史を持つ。
彼らの人権が見直され始めたのは、ここ300年ほどのことである。

寿命は40~60年くらい。胎生(鳥類のセリアンのみ卵生)。

セリアンの生態

かつて、高濃度のマナに汚染された人間と「獣型キメラ」が交配した結果、獣のような肉体を手に入れた個体群を「セリアン」と呼ぶ。
セリアンたちはマナに順応することで失われていた知性を取り戻したが、発達した五感と驚異的な身体能力を利用され、17世紀に入るまで他の長命種族によって奴隷として使役され続けていた。

セリアンの身体の作り

セリアンには大きく分けて「肉食獣型セリアン」「草食獣型セリアン」「鳥獣型セリアン」の3種類がいる。
他種族をはるかに凌ぐ身体能力を持ち、それぞれの獣の特徴も兼ね備えている。
(例:肉食獣型セリアンは嗅覚がとても鋭い、草食獣型セリアンは聴覚がとても鋭い、鳥獣型セリアンは空を飛ぶことができる など)
一つの国の中にはいるが、それぞれ暮らしぶりや食文化が全く異なっており、国を分けることも検討されているほど。

セリアンは獣の血が薄い者を「セリアンヒューマン」濃い者を「セリアンビースト」と俗称されてきた。
その定義は長らく曖昧だったが、17世紀にセリアンの人権の見直しがあった際、「”先祖返り”を行える者がセリアンビースト」と正式に定義された。

セリアンヒューマン

獣の血の薄いセリアン。
ヒューマンに近い姿をしているが、耳の形や尾、獣型の手足、濃い体毛など、獣の特徴を兼ね備えている。

他種族が頻繁に行き交う王都は、ヒューマンに似た親しみやすさからセリアンヒューマンの人口が多い。
ゆえに、暮らしやすさを求めて上京するセリアンヒューマンは多い。
また、高い身体能力を買われて傭兵になったり、冒険者ギルドに所属したりする者もセリアンビーストに比べると多い。

セリアンビースト

獣の血の濃いセリアン。
二足歩行になった獣のような姿をしている。
ドワーフにも匹敵する驚異的な身体能力を持ち、セリアンビーストの男は一個体でヒューマンの軍隊一つ分の戦闘力を誇るとも言われる。

気候の厳しい地域に多く生息するほか、貴族階級はセリアンビーストで占められている。
これは、獣の血が濃い者が優遇されていたかつての奴隷文化を引きずっているためである。

一方で、血の濃さを求めすぎた近親婚が深刻な問題となっており、没落しつつある家柄の間では、凄まじい身体能力と引き換えに知的障害を持ち15~20年ほどしか生きられない子供ばかり生まれている。

「先祖返り」と呼ばれる形態に変身することができる。

先祖返り

セリアンビーストのみが変身できる形態。
肉体が獣そのままの姿に変化し、もともと高い身体能力が更に飛躍的に上昇する。
半面、体力を大きく消耗するため、先祖返りを行える時間はもって1~2時間程度。

セリアンの人種

セリアンには白人種、黄色人種、黒人種がいる。
もともとケイオノヴァス大陸に住んでいるのは白人種だが、貿易などで黄色人種や黒人種が大陸を訪れることもある。

セリアンの生まれ方

肉食獣型・草食獣型セリアンは胎生。鳥獣型セリアンは卵生。
妊娠から出産までは4~5か月ほどと早く、産褥期もヒューマンより短い。
セリアンは体力があり頑丈なため、出産直前まで活発に働くセリアンの女がほとんど。
生まれた赤子はすぐに目を開け、二足歩行ができるようになっている。

セリアンの食事

セリアンが食べられるものは基本的にヒューマンと変わらないが、主食は種によって大きく異なる。
肉食獣型セリアンは肉(他種族が食べない内臓部分が主)、草食獣型セリアンは野菜や果物のほかに他種族が消化できない草、鳥獣型セリアンはナッツ類を主食とする。

セリアンの平均食事回数は一日3回。
食べる量はヒューマンと大差ないが、代謝が非常によく、食べたものは余すことなく肉体に還元される。

セリアンの睡眠

・成長ホルモンの分泌
・疲労回復
・身体の傷んだ部分の修復
・日中に見たことや学習したことを脳に定着、整理
・視界の悪い夜をやりすごす

ため、睡眠を必要とする(現実の人間と同じ理由)

平均睡眠時間は8~9時間(個体差あり)
よく運動し、よく寝ることで強靭な肉体が維持されている。

セリアンの時間感覚

秒・分・日・月・年の知識がある。
体感としては6か月が1年ぐらいの感覚であり、非常にせっかち。
他種族からは「気が短い」と捉えられがち。

セリアンの他国との交流

17世紀まで、エルフを中心とした長命種族によって奴隷として使役されていた長い歴史を持つ。
労働力を担保する代わりに長命種族から衣食住を提供されるという関係だったが、使役先によってはロクな食事も与えられず、衰弱して死んでいったセリアンも少なくなかった。
何度か革命を起こそうとした個体はいたものの、短命なうえに奴隷として行動が制限されていたセリアンは団結する前に寿命を迎えてしまい、本格的な革命までなかなか至らなかった。

しかし、同じく短命種族であるヒューマンが介入したことにより、状況は一変。
ヒューマンと交配したことによって寿命が延びたこともあり、17世紀に奴隷解放運動が本格化。
ヒューマンの後押しもあり、晴れてセリアンは奴隷身分からの脱却を果たした。

この歴史から、セリアンの王族は一度得た列強種族としての地位を揺るがすまいと躍起になっている。

セリアンの五感

味覚:あり ヒューマンと同じくらい
嗅覚:あり 肉食獣型ヒューマンは特に発達しており、セリアンビーストはヒューマンの10倍の嗅覚を持つ
視覚:あり 各セリアンともヒューマン以上。もっとも視力が高いのは鳥獣型セリアンであり、セリアンビーストはヒューマンの10倍の視力を持つ
聴覚:あり 各セリアンともヒューマン以上。もっとも聴力が高いのは草食獣型セリアンであり、セリアンビーストはヒューマンの10倍の聴力を持つ
触覚:あり ヒューマンと同じくらい

セリアンの美的感覚

感じ方は基本的には他種族と同じで、普遍的なものではなく文化に大きく左右される。
特にセリアンは奴隷身分が長かったこともあり、さまざまな種族の文化から影響を受けた結果、荘厳なものを美とする傾向に落ち着いた。

セリアンの美的感覚を象徴するものに、セリアンの伝統的な花嫁衣裳がある。
花嫁本人とお付きの女性(17世紀までは、主にセリアンを使役していた長命種族の中から抜擢されていた)が手で刺繡を施すという宗教的制約があり、その完成には数か月を要する。
17世紀までは、セリアンを使役していた長命種族が自身の富を主張する(奴隷にもそれだけの時間と金銭を割ける)ため、という側面が強かった。
現在ではそのような側面は廃れ、手間はかかるが非常に美しい花嫁衣裳だけが文化として残っている。

セリアンの死

セリアンは心臓の機能が完全に停止すると死亡したと見なす。
また、セリアンの国では身体の自由がきかなくなった時点で安楽死を選ぶことができる。
これは、奴隷として使役されていた時代、奴隷として使い物にならなくなったセリアンが有無を言わさず殺されていたことから「死の自由」を求める声が多く挙がったため。
また、セリアンは致死性の遺伝病「紫苑病」があり、生まれつき紫苑の花のような黒い斑点を持つ者は長く生きられないことから、彼らが特に優先的に安楽死の対象となる。

セリアンの宗教

セリアンは一神教。翼と馬の尾を持つ巨大な獅子がこの世界を作ったと考えている。
セリアンの宗教ではこの世を「試練の場」と見なしており、短い寿命も、肉体的な痛みや苦しみも全て「神が与えた試練」と見なしている。

セリアンの神話では、神が自身の子らを谷底へ突き落し、そこから這い上がってきた者だけが痛みも苦しみもない、永遠の命を得ることができると言われている。
その谷底こそが現世である、とされている。

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