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種族設定「エルフ」


エルフ

長い耳が特徴であること以外は、ヒューマンと変わらない身体的特徴を持つ列強種族。
白人種「ライトエルフ」黒人種「ダークエルフ」がいる。
ケイオノヴァス大陸に在住するのはほとんどライトエルフだが、他大陸からの交易でやダークエルフが訪れることもある。

ケイオノヴァス大陸のエルフの人口は約4000万人。

ライトエルフは「風の精霊をその祖先とした」という宗教を持ち、風を神として崇める独自の宗教を持つ。
最近は信仰に囚われない若者世代が増え、老年世代との確執も生まれている。

エルフのほとんどが生まれながらにして濃度・純度の高いマナを持ち、マナを用いた魔法を駆使して文明を発展させてきた。
長命であり5~600年は生きるが、その反面代謝が悪くケガの治りが遅い。また体力もない。
ヒューマンとの交配が可能だが、生まれた子供は純血のエルフに比べマナの保有量や寿命が劣る為、差別対象になることも多い。

胎生。
ヒューマンの他、魔法器具の研究及び開発のため、リリパット(特にレプラコーン系)との交流が盛ん。

エルフの生態

かつて、高濃度のマナに汚染された人間たちが交配を繰り返した結果、特にマナの保有量が高く「変異の力」を強く受け、耳が尖るように進化した個体群を「エルフ」と呼ぶ。
エルフたちはマナに順応することで失われていた知性を取り戻し、マナを行使した魔法によって文明を発展させてきた。

エルフの身体の作り

外見、及び肉体的構造はほとんどヒューマンと変わらない。
ただ、内臓器官の中に、マナを保有・行使するための器官が備わっていることが相違点。
その器官が損傷した場合、魔法を行使できない障害が残る。

長命であり5~600年は生きるが、その反面代謝が悪く、ケガの治りや体力の回復などに時間がかかる。
また体力そのものもヒューマンに劣るため、険しい地帯を訪れる際は自ら歩くことはせず、必ず馬などの獣に乗っていく。

ハーフエルフ


ヒューマンと交配して生まれたエルフを「ハーフエルフ」と呼ぶ。
純血のエルフに比べマナの保有量が少なく、行使できる魔法の種類や威力は純血に劣る。
また、寿命も3~400年程度と短くなる。
そのため、エルフの間では差別対象になることも少なくない。

しかし、代わりに純血のエルフよりも代謝がよく、ケガの治りや体力の回復などは純血のヒューマンに次いで早い。
ギルドによっては体力があり、なおかつ魔法も行使できるハーフエルフの方を雇用するところも少数ながら存在する。

なお、ハーフエルフは純血のエルフに比べて耳に丸みがあり大きいのが特徴。

エルフの人種

白人種「ライトエルフ」黒人種「ダークエルフ」がいる。

ケイオノヴァス大陸に元から住んでいるのはライトエルフだが、他大陸から交易や魔法の勉強のために大陸を訪れるダークエルフもいる。
ダークエルフは主に日差しが強く温暖な地方で、紫外線に順応するために黒い肌を持つように進化したエルフ。
ライトエルフに比べて氏族意識が強く、氏族同士の繋がりを大切にする。

ライトエルフの国は冷静で思慮深い者が多く、温暖な土地に暮らすダークエルフの国は知的だが明朗快活、という国柄になりやすい傾向がある(もちろん個体差はある)
いずれも知的好奇心がたいへんに旺盛で、学ぶことへの意欲がとても強い。
裕福なエルフは、知りたいことがあれば財力を湯水のように使う者も少なくない。

エルフの生まれ方

エルフは胎生。妊娠から出産までは2年ほど掛かる。
エルフはもともと体力がないため、出産までの数ヶ月は絶対安静を強いられる。
そのため、エルフが在住する国の病院では、妊娠・出産するエルフ専用の部屋が設けられている場所もある。
赤子の姿は、尖った耳以外はヒューマンのそれと変わらない。

エルフの食事

食べられるものはヒューマンと変わらない。
エルフの食文化はジャガイモを主とし、ケールやクレソンなどの野菜中心で肉料理はあまり食べない。
また、エルフの食卓には、小麦で作られたプディングが必ずと言っていいほど出てくる。
ヒューマンなどの異種族に比べてアルコール耐性が薄く、酒に弱いエルフが多い。

上流階級のエルフは、午後の決まった時間にティータイムが入る。
スコーンを始めとした軽い茶菓子と紅茶で、小さいながらも華やかなティータイムを楽しんでいる。

食事回数は1日3回だが、少食で、平均的に食べる量はヒューマンよりやや少ない。

食事前に必ず神への祈りの儀式(目を閉じ、利き手の人差し指を顔の前で立てて風を感じる)を行う。

エルフの睡眠

・成長ホルモンの分泌
・疲労回復
・身体の傷んだ部分の修復
・日中に見たことや学習したことを脳に定着、整理
・視界の悪い夜をやりすごす

ため、睡眠を必要とする(現実の人間と同じ理由)

平均睡眠時間は5~6時間(個体差あり)
睡眠に行使できる体力がなく、運動もあまりできないため、ショートスリーパーが多い傾向にある。
知的探究に熱心なエルフの間では、睡眠を忘れて夜通し読書や研究をしては翌日ぶっ倒れる…という者も少なくない。
またヒューマン同様、昼夜逆転したりするエルフもいる。

エルフの時間感覚

秒・分・日・月・年の知識がある。
体感としては1年が4~5ヶ月ぐらいの感覚であり、そこそこ気長。

エルフの住まい

伝統的なエルフは、静かな森に囲まれた地域に住んでいる。
風を感じるためにレンガ造りの高い塔のような建物を作る家が多く、裕福なエルフほど高い塔を作る傾向にある。
交易や魔法を学ぶために他国(主にユマーノ王国)に出かけるエルフもいるが、若いエルフは雑踏のうるささに耐えるために、親から耳栓を必ず持たされる。

エルフの他国との交流

エルフの国はヒューマン、リリパット、エント、マーマンの国と友好関係を結んでいる。

特に交流が盛んなのはヒューマンとリリパット。
ヒューマンの国にはエルフとヒューマンが共に魔法を学ぶ王立魔法学校があり、裕福な家の出身のエルフはその魔法学校に通う者が多い。
また、魔装具の研究及び開発のため、リリパット(特にレプラコーン系)との交流が盛ん。

エントの国には入国制限が掛けられており、上流階級のエルフのみがエントと交流可能。
そのため、エントと交流できることはエルフのステータスの一つではあるが、もともと反りが合わないので友好関係はうわべだけのもの。

ギア・ファンタジア本編の100年後には、カーバンクルの里とも本格的な交流を始める。

エルフから見た他種族

ヒューマン:寿命が短く短絡的な判断しかできない部分を蔑むエルフは少なくないが、一方で足りない力を新たな道具を開発することで補っている賢さには一目置いている

セリアン:かつて差別が強かったことや、寿命が短く短絡的な判断しかできない部分を蔑むエルフは少なくないが、倫理教育により一応は彼らの人権を尊重しており(個体差あり)、国は友好関係を続けられるよう注意深く接している

リリパット:寿命も近く、魔装具の共同開発にも積極的な彼らを特に信頼している。誠実なドワーフ、狡猾だが仕事はきちんとこなすレプラコーンどちらにも種として大きな信頼を寄せている。一方で、酒好きな彼らに辟易している部分もある

エント:寿命も近く、伝統主義的な部分はエルフにも通ずるところがあるが、彼らが国としてヒューマン以外を寄せ付けないこともあり、逆に同族嫌悪が生まれている

マーマン:交易相手として信頼している。エルフは知的好奇心に駆られて衝動買いをしてしまう者も多いため、ボられる者も少なくない。が、ひとまずは友好関係を築いている

カーバンクル:「原初の知的生命体」として、ある種の上位存在とみなしている。非常に興味を持っており、ぜひ交流をしたいと願っている

鬼:忌むべき存在であり、興味深い調査対象でもある。鬼の研究を専門にしているエルフもいる

エルフの五感

味覚:あり ヒューマンと同じくらい
嗅覚:あり ヒューマンと同じくらい
視覚:あり ヒューマンと同じぐらい
聴覚:あり 耳が大きな分、ヒューマンより敏感。5m先に落ちた針の音でも聞き取ることが可能。耳が良すぎるため、普段は耳栓をしたり音を感じにくい魔法を自らにかけるエルフが多い
触覚:あり ヒューマンと同じくらい

エルフの美的感覚

感じ方は基本的には異種族と同じで、普遍的なものではなく文化に大きく左右される。
ケイオノヴァス大陸出身のエルフの間では「風をイメージした創作物、風を擬人化した女神を模した創作物」が好まれる傾向にある。

エルフの死

エルフは脳の機能が完全に停止することで死亡する、と見なしている。
「肉体の機能停止による死亡」の他、「脳死」という概念もある。

エルフの葬儀

ライトエルフは火葬で、葬式は親族と生前の知り合いを集めて行われる。
マナによるエンバーミングを施された遺体は木製の棺桶に入れられ、1週間ほどかけて丁寧に死を悼む。
骨まで完全に焼き尽くし、灰となった遺体は遺族の代表による風魔法で運ばれ、天に登る。
遺灰は「風と一体となることで天上にある”真の知の世界”へ到達する」と考えられている。
ライトエルフの考える“真の知の世界”には5つの階層があり、生前積み重ねられてきた知識の質によって到達できる階層が決まるとされている。
上流階級のエルフであればあるほど積み重ねられる知の質が高いとされているが、例外的に「エルフの常識を覆すような驚異的な知」を手に入れたと認められたエルフは、どんなに貧しくとも最高の階級に達するとされ、上流階級と同じように盛大な葬式となる。

ダークエルフは鳥葬で、葬式は氏族の間で行われる。
遺体は肉食の鳥に啄まれ、残った骨は洗浄されて埋葬される。
ダークエルフの間では肉体に魂が宿ると考えられており、魂は鳥によって天へと運ばれ、天上にある”真の知の世界”へ到達することができるとされている。
ライトエルフと異なり、知の質による階級は存在せず、皆が平等に”真の知の世界”に到達できると考えられている。
例外的に、罪人や、鳥に影響を及ぼすような伝染病で亡くなったダークエルフは火葬となり、遺灰を鳥に飲ませる形となる。
これは「太陽と同じ炎のエネルギーによって、罪や病による穢れは浄化される」という信仰によるもの。
なお、ダークエルフの間で火葬が一般的でないのは「燃料となる木材があまり採れず、容易に手に入らないため」でもある(ダークエルフの住む土地に生える樹木は保湿量が高く、乾燥が容易ではない)

エルフの宗教

エルフは宗教の戒律を重んじているが、”知”を求める姿勢がとても強いため、ヒューマンの「宗教に頼らない合理的な考え方」への取り扱いも、他の種族に比べるとかなり寛容。

ライトエルフは風の精霊をその祖先としたという独自の宗教を持ち、風を神として崇めている。
ライトエルフが描く風の神は、薄布をまとった美しい女性の姿をしている。
“真の知の世界”を司る女神とされており、彼女の司る知の世界は、エルフが得た知の質によって5つの階級に分かれている。

ダークエルフは太陽を生命と豊穣の神とし、大昔は美しく若い女の生き血を生贄に捧げるという文化があったが、倫理教育の行き届いた現在ではその文化は廃れている。
ダークエルフが描く太陽の神は、燃えるような赤毛を持つ逞しい男性の姿をしている。
“真の知の世界”を司る神とされているが、ライトエルフと違い、その世界に階級は存在しない。

いずれのエルフも形は違えど「死後に訪れることができる真の知の世界がある」と信じており、また「食事前の神への祈りの儀式」を行っている。
ライトエルフは全員が利き手の人差し指を一本立て、目を閉じて風の流れを感じる。
ダークエルフは代表者(主に一家の長)が神の恵みへの感謝の言葉を述べる。

歴史的に見ても、ライトエルフとダークエルフの宗教が確立するまでに交流は生まれてこなかったので、エルフの本能的な部分がこのような共通項を生み出したと考えられている。

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