避難所芸人

先日台風19号が接近して僕が住んでいる川崎はかなり危険だということで近所の小学校に避難させて頂いた。

部屋にカーテンをしてあらかじめ準備していたお菓子やお茶、懐中電灯、薬、メガネ、ラジオ、通帳など最低限のものを持って家を出た。

カッパを着て長靴履いて傘をさして家を出たんだけど2秒で傘が壊れた。

なかなかの風の強さ。怖かった。

16時くらいに家を出たんだけど初めての経験なのでまず小学校が本当に避難所になっているかもわからないし避難所に人があんまりいなかったら変な感じになっちゃわないかとか色々心配したけど到着して中に入ったら先生なのかボランティアスタッフさんなのかわかんないけど案内してくれた。

最初に住所や氏名などを記入してここでは食べ物や飲み物が支給されないことが説明された。そして毛布を一枚貸してくれて廊下で寝るように指示された。

奥にはおじいさんと3人のおばあさんがいて大丈夫だったかいと気さくに話しかけてくれた。

ちょっとしたら僕と同い年くらいのお母さん3人と子供たち5人が僕の隣に来た。お母さんたちは子供たちに静かにしなさいと怒っていたが全然気にならなかった。むしろSwitchで遊ぶ子供たちの声に安心した。

しばらくすると読売新聞さんが差し入れに新聞とのど飴を支給してくれた。

前日に携帯の手回し充電器を買いに行ったんだけど売り切れていたので停電のことを考えて携帯はほとんど使わないようにしていた。
僕は完全なる携帯依存症なので物凄く辛かった。しかし新聞が支給されたおかげでだいぶありがたかった。活字がないと生きていけない。

あとラジオを買っといたのは本当に良かった。僕は完全なる携帯依存症なのでラジオのおかげで時間が潰せた。

実際食料や水がなくて困っているもっと深刻な方々もいるのに僕は暇つぶしのことばかり考えていてなんだか申し訳ない気持ちになってきた。まあいいや。

それから数時間経って0時を回った頃には雨も風も弱まって避難所から人がどんどんいなくなった。そして僕も帰った。初めての避難所生活は8時間で終わった。

そして。

ツイッターを見ていると避難所生活批判があとを絶たない。

もちろん気持ちはわかる。避難所にはプライバシーもないしいざこざというか犯罪なども起こりやすいかもしれない。まともな環境とは言えない。

でも今回のようなとんでもない災害が起こりうる状況において働いてくださっているスタッフさんがいて差し入れをしてくれるマスコミがいるだけでも十分じゃないかと思ってしまう。

だって不安なのはみんな一緒だし今回の台風は予測がつかないレベルだったわけだしみんな死ぬ可能性があったんだよ?なのにそんな状況で働いてくれている人がいるだけでそれは凄いことじゃない?

世間ではこんな時に出社させる企業を叩く風潮もあるけどそんなことするくらいなら一生懸命働いてくれたボランティアスタッフさんやラジオやテレビで情報や楽しいトークや音楽を聴かせてくれたタレントさんに感謝することに力を注ぎたい。

そして僕もそんなタレント、芸人にならなきゃと思ったね。

たった8時間だけどとても安心な時間を過ごせた。本当にありがとうございました。と言いたい。

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