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庵野秀明展

突 然

 行こうと思った大きな決め手は彼のファンだったというのは勿論、『宇宙戦艦ヤマト』50周年を記念して展示を更に充実されるというのを知ったというのもあった。そして愛知展が最終開催となるという。それを知った時から何としてでも今回こそは行きたいという思いが益々強くなっていった。
先週の(奇しくも株式会社カラー創設日でもある)5月17日に行ってきたが、とても充実した展覧会であった。愛知県自体行くのは初めてだったが会場の最寄り駅である金山駅に難なく行くことが出来た。その南口を出るとすぐに会場である金山南ビル美術館棟が見えた。当日券を購入し、平日限定である『じょうぶなタイヤ!SHADOタイヤ』スペシャルカードも頂き、遂に入場。

庵野秀明展 愛知展。アクセスし易いのは有り難かった。


 入口前には庵野秀明氏(以下 監督)が影響を受けた作品の映像が流れていて眺めるだけで圧倒される。この展覧会では5章で構成されており、第1章では監督が影響を受けたという作品に関連する展示物が多く並ぶ。監督と同世代の方々にはきっと感激だったのではないだろうか。60、70年代の作品群を中心に『宇宙戦艦ヤマト』もそのひとつとして展示されていた。冒頭にも書いてあるように更に充実したとの事だったが、特に印象的だったのは同人誌である。その表紙からは当時の勢いを感じたし、この頃からもう既にあったのだと実感。今後計画されているという『宇宙戦艦ヤマト展(仮称)』ではどのような展覧会になるのか期待が募る。

この展覧会では一部を除いてほぼ撮影可能となっている。画像は今年で50周年を迎える『宇宙戦艦ヤマト』。

 第2章では監督による自主制作や代表作である『新世紀エヴァンゲリオン』が発表されるまでの作品に関する資料を中心に展示されていた。『DAICON FILM』に関する展示は貴重で、映像も合わせて観ることが出来たのはとても良かった。あとは押井守監督の初期作品である『天使のたまご』にも未使用ではあるものの、参加していたとは知らず驚いた。また他にも展示されていた『トップをねらえ!』に関しては、数年前にNetflixで『トップをねらえ!&トップをねらえ2!合体劇場版!!』を視聴したことはあるものの、OVA版は未だに未鑑賞なのでいつか鑑賞したいものである。

 途中、『シン・ゴジラ』に登場するゴジラを中央に、左には『シン・ウルトラマン』に登場するウルトラマン、右には『シン・仮面ライダー』に登場する仮面ライダー(第1バッタオーグ)の立体像が展示しており、どれも監督が制作に関わっている作品でもある。

『シン〜』シリーズの立像物。

 右には謝辞もあり様々なクリエイターや会社名が掲載されていた。これらの協力と理解があっての展覧会なのだと実感。

謝辞。(『宇宙戦艦ヤマト』だけでも西﨑彰司氏(原作者である西﨑義展氏の養子。著作総監修者)、ボイジャーホールディングス(『宇宙戦艦ヤマト』管理業務などを行う会社)、東北新社、出渕裕氏、柏原満氏等の名前がある。)

 スペシウム光線を構えるウルトラマンの立体像の横には「感謝、そして報恩」という言葉があるのだが、個人的には手話の「ありがとう」としているようにも見えて好きである。

スペシウム光線を構えるウルトラマン 感謝、そして報恩
スペシウム光線を構えるウルトラマン。何度観ても良い。

 3章では『ラブ&ポップ』『シン・ゴジラ』等の実写映画や『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズ等に関する資料が展示されていた。『シン・ゴジラ』『彼氏彼女の事情』は監督の作品の中でも特に気に入っているし、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』に登場する第3村のミニチュアセット、『宇宙戦艦ヤマト2199』OP画コンテや監督プロデュースによる『宇宙戦艦ヤマト』プラモデルを実際に観ることが出来たのは良かった。

存在自体は知っていたが、実際に見るのははじめて。今年もその様な企画はあったりするのだろうか…。

思えば、私が監督を意識し始める様になったのは『宇宙戦艦ヤマト2199』と同じく2012年に『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』が劇場公開された頃だったように思う。何より監督が私と同じ『宇宙戦艦ヤマト』ファンだったのもそうだし、この記事を読んだのも大きい。庵野秀明、「宇宙戦艦ヤマト」新シリーズに愛あふれるツッコミ連発!|シネマトゥデイ (cinematoday.jp)

改めてこの記事を読むと

「ぶっちゃんは仮面ライダーもヤマトもやってずるい。後はゴジラとウルトラマンをやれば完璧」

庵野秀明、「宇宙戦艦ヤマト」新シリーズに愛あふれるツッコミ連発!|シネマトゥデイ (cinematoday.jp) より引用

とあるのだが、まさか後に『シン・ゴジラ』『シン・ウルトラマン』『シン・仮面ライダー』として発表されることになろうとは…。

 少し逸れてしまったが話を戻す。
4章では監督にも大きな影響を与えている日本を象徴するヒーローであるウルトラマンと仮面ライダーを『シン・ゴジラ』同様、原点回帰を目指して劇場用作品として公開され話題を呼んだ2作品の資料が展示された。『シン・ウルトラマン』も『シン・仮面ライダー』も現在、Amazonプライムビデオにて公開されているが機会があればまた再鑑賞したい。

 最後となる5章ではATAC等、現在、監督がアニメや特撮を後世に残す為の活動について紹介。先日明かされた監督自らが企画、プロデュースするという『宇宙戦艦ヤマト』50周年企画もその一環だろう。私も少しでも支えたいという思いから、この展覧会に行く前に賛助会員として申し込んでいる。勿論それだけではなく、他にも何かできることは無いか考えていきたいし、この展覧会を通してその思いは強く感じるようになった。

出口付近にて。此方こそありがとうござい〼。

 出口付近にはグッズ売り場がありバッジや服などが販売されていた。どれも欲しかったが、幸か不幸か一万円しかおろしておらず、庵野秀明展図録とポストカード等しか購入できなかった。しかし『式日』DVDを新品で購入できたのは嬉しい誤算であった。それだけでも展覧会に行って良かったと思った。また時間を見つけて鑑賞したい。

 結果的に2時間は見たがもう1時間位は…と思う位には充実していた。庵野秀明氏というクリエイターの才能と氏が創作してきたものを体感するという意味では本当に行って良かった。この展覧会で監督の事を更に尊敬するようになったし、これからも応援していきたいと思う様になった。そして私も前に進まねば、と心を新たにすることが出来た。
今回行った庵野秀明展は6月23日まで開催しており、冒頭でも述べた様に愛知展で最後となるとの事なので興味のある方は是非、足を運んで欲しい。https://www.annohideakiten.jp/

最後にこの様な素晴らしい展覧会を開催して頂き、ありがとうございました。引き続き『宇宙戦艦ヤマト』50周年企画もよろしくお願いします。

金山駅にて
金山駅にて。ありがとうございました。