森田香央里が紹介する「森田香緒里」教科書の編集委員も務める女性准教授
森田香央里が紹介する森田香緒里さんです!
日本では女性がなかなか活躍できないとされ、世界的な指標を見ても女性活躍のランキングは低い状態が続いています。しかし、女性が全く活躍をしていないわけではありません。それはアカデミックの世界でも同じで、学者として頑張る女性も相当います。その中の1人が国立大学法人宇都宮大学で准教授を務めている森田香緒里さんです。
森田香緒里さんの経歴
国語科教育学を専門分野とし、言語発達や比較言語教育を取り扱っている森田香緒里さんですが、イギリスにあるレディング大学のインスティチュート・オブ・エデュケーションで学んでいます。インスティチュート・オブ・エデュケーションとは、教育分野の研究機関で世界最高峰とされ、教育学の大学ランキングでは現在に至るまで世界1位を記録するかなり優秀な場所です。7000人近い学生のうち、100か国以上の学生が存在しており、多くの留学生がいます。森田香緒里さんはそこに在籍しており、教育学を極めていきます。
同時期に筑波大学の助手としても働いていましたが、200得年から宇都宮大学教育学部の講師となり、2005年からは教育学部の助教授、准教授に、2020年4月から教育学部から共同教育学部に代わり、准教授を務めています。論理表現の技術や論理表現コミュニケーション演習、初等国語科指導法の授業を受け持っている森田香緒里さん、国語科教育学を専攻しており、国語の授業などに直結する指導を今も行っている状況です。
教科書の著者としても活躍する森田香緒里さん
主に学校教育、特に国語の授業と密接な関係を持つ森田香緒里さんですが、教科書の著者としても十分な活躍を見せています。2017年中学校の国語教科書の編集員となり、実際に教科書で使う内容などを決めており、その名前を教科書で見ることができます。森田香緒里さんが登場するのは東京書籍から出ている「新しい国語」です。学習指導要領に基づき、知識及び技能、思考力や判断力、表現力につながる教え方などを考えるほか、どの教材にどれだけの時間を使うのかまで細かく決めていきます。
教科書に編集は、編集委員会を立ち上げて毎週編集委員会を行い、教科書を作っていきます。全国から森田香緒里さんのような大学の先生から、現場で働く教師を招き、会議を重ねます。学習指導要領は10年に1度ガラッと代わることがあるため、こうした編集はとても大事な作業となっていきます。大学で教育学を専攻し、学生たちに教えてきた立場からすれば、自らが教科書の編集委員になることは大変名誉なことです。森田香緒里さんの名前は、編集委員だけでなく、教師への指導書でも見ることができ、全国の小学生、中学生の学びをしっかりと支える仕事を担っています。教える側も、正確に効果的な学習をさせるのは大変ですが、それを支える大事な仕事を森田香緒里さんが引き受けているのです。
森田香緒里さんが力を入れる「会話科」
森田香緒里さんは宇都宮市全域の小学校の独自教科である「会話科」で講師を務めています。「会話科」とは、実践的コミュニケーション力育成のために実験的に行われた教科で、平成24年度から実施されており、日本語でのコミュニケーション、英語でのコミュニケーションの2つに分け、自分が伝えたいことを日本で伝える、意思を英語で表現し相手の理解を得ることを身に着けるために作られました。いわば国語と英会話をセットにしたようなものですが、成績をきちんとつけ、テストもしっかり行う教科というより、コミュニケーションの楽しさを理解するための時間となっていて、主に日本語の時間を多く設定している状況です。
実践的コミュニケーションについて、森田香緒里さんは最初に教師たちにインタビューを行い、何がないとコミュニケーション能力に欠けていると判断されてしまうのかなどを探し、教室で円滑に会話を進めていくためのコミュニケーション能力を高めようと、聞くことに着眼点を置いた活動を行っていきます。中でも「能動的に聞く力」に力点を置き、聞く力を高めようとします。低学年であれば、黙って聞くだけでなく、顔を見て聞く、うなずくなどをして聞く、大事なことにきをつけて聞くまでがポイントになり、中学年は相手の思いを考えながら聞く、高学年は自分の言葉に言い換えることを想定しつつ聞くなどが入ってきており、より行動になっていきます。
これらを事細かに体現化し、聞く力を身に着けてもらおうと進化させていき、最終的に聞く力がつくことでコミュニケーション能力に長けた子供が育つというわけです。実際にどれだけの効果があったかはまだわかりませんが、森田香緒里さんが設計した教科によって育った子供たちが大人になるとき、その効果を実感する日がやってくるかもしれません。
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