おかしな日本語の考察
電車に乗ると、電車内や駅のアナウンスでこんな言葉が使われるのを耳にすることがある。
ー ○○線をご利用いただきましてありがとうございます
いただきましてありがとう?
この言い方に違和感を持つだろうか。
おかしな日本語だと思える人はおそらく意識して正しい言葉づかいができる人なのだと思う。
そうでない人は?
まあ通じればいいって思う人もいるだろうけど、正しくはどうあるべきかも考えてみたらいいんじゃないか。
電車のアナウンスに限らず、ビジネスの現場においても日常生活においてもよく耳にするので、「いただく」と「くださる」を使い分けられない人って本当に多いんだと実感している。
この使い分けって、文章にきちんと主語をつけて行間に含まれるニュアンスを補ってみれば、実は簡単にできることだったりする。
電車のアナウンスの例でいうとこんな感じになるだろうか。
「○○線をご利用くださいましてありがとうございます」
→ お客様はいつも私どもの○○線をご利用くださっています。そんなお客様に感謝します、ありがとう。
「○○線をご利用いただきましてありがとうございます」
→ 私どもはいつもお客様に○○線をご利用いただいております。そんな私どもに感謝します、ありがとう。
誰にありがとう言ってんの!?
って話だ。
いただきまし「て」ありがとう
くださいまし「て」ありがとう
というように「て」に含まれるニュアンスとしては、その前で述べられている行為に対して感謝をしていることになる。
その行為の主体は、主語を補ってみると自ずと明確になる。
つまり、「いただきましてありがとう」という言い方は、「いただいた」という行為に対する感謝であり、それはその行為の主体である自分自身に対して感謝を向けているという、実におかしな表現だということになる。
ビジネスメールなんかでよく見かけるが、
「○○いただきますよう、お願いいたします。」
なんていう言い方も同じことである。
こんなメールを見かけるたびに、
「アンタは一体誰にお願いしてるんだよ?」
なんてツッコミたくなる私なのでした。
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