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求人票を見て思ったこと

求人を見ていると、時々「こういう仕事があるのか」というのに遭遇します。
最近見たものでは「障害者の就業支援」「障害者の業務支援」の2つです。

就業支援は、働く意思のある障害者に対しての就活アドバイザー的なもの。
業務支援は、すでに働いている障害者に対しての業務指示やフォローのようです。

前職で、障害手帳を持っている人3人と関わりました。
2人が精神障害。1人が身体障害。
状況を見ながら無理をさせないように、でも出来ることはやってもらうように。
その匙加減が本当に難しくて、コミュニケーションを丁寧に取るようにしないとな…と思ったものです。
現場レベルだとそのくらいしかできない。
会社としては障害者雇用を促進していく必要があるわけですが、それに対して現場へのフォローが本当に少ないというか、ほぼなかったなと思います。
当事者との面談は頻繁にするのに、受け入れ側との面談は一切なかったんです。直接の上長との面談は定期的にありましたけど。

受け入れ側(現場レベル)課題を考えてみます。
ぱっと思いつくのは以下の4つ。

  1. 障害に対しての知見がない
    例えば鬱みたいに、ある種メジャーな病気であれば情報も得やすいですが、強迫性障害とか適応障害とか不安障害とか、病名っていっぱいあるんですよね。しかもシンプルに1つだけということでもなかったり。
    身体障害の場合、四肢なのか五感に関することなのか内臓なのかでもサポートの仕方が違ってくるわけですけど、「そもそもそれってどんな状態?」を知る機会はあまりないです。そうした当事者と親しければ話は別ですが。

  2. フローの都合で業務の切り出した適切に行えない
    この業務のこの部分ならやってもらえそうだけど、次の業務との繋がりが強いから切り分けるのは厳しい…みたいな状態はそれなりにあると思います。
    まぁ、この機会に業務フローを見直そう!ってことになればいいですよね。実際そうしてる企業さんもあるようですし、それをメリットとして掲げてる部分もありますし。
    ただ、それを考えるは基本的には現場の人なので、次の課題が発生します。

  3. サポートをしている間も、通常業務の量は変わらない
    私もそうでしたが、レクチャーしていても、そのために何かしら準備が必要になっても、通常業務は別にちゃんとあるわけです。単純に負担が増えました。
    直接の上長は勤怠面とかのサポートをしてくれていましたが(まぁ、それが上長の役割でもありますが)、実務レベルのサポートには入れず。
    会社のサポートや評価も特になかったと思います(直接の上長は評価してくれたと思いますが)。

  4. 何か問題があった時の精神的な負荷
    関わった3人のうち1人は復帰が早すぎたのか、数か月も経たないうちに出社できなくなって辞めていきました。
    特に私が厳しかったとか、逆に気を遣いすぎていたとか言うことではなさそうですが、それも本人にしかわからないことなので何とも言えず。
    それで責任を負わされるということはなかったけれど、精神的な負担にはなりました。
    もしかして気づかず何かやっちゃったのかな…とか。結構長々気にしてました。気にしても仕方ないんですけどね。

法律とか、枠組みはどんどん出来てますが、運用は現場任せだしフォローもない。
ともすると、新たな障害者を生み出しかねない負荷のかかり方になったりするわけです。
受け入れ準備が必要なのは人事や経営陣はもちろんのこと、実際に一緒に働く人なんですよね。チームとして受け入れる体制を作っていかないと。
で、当たり前ですけど、目指すところは「独り立ち」ですよね。
もちろんサポートが必要になる場面はあるでしょうけど、そんなのは障害の有無に寄らず、誰にでも必要なこと。程度や場面がちょっと違う程度。それは「個性」ですよね。
ずっと補助輪つけたまま走らせるわけにはいかないんです。大人ですから。社会人ですから。一人でできることを少しでも増やす。確実に増やす。ほかの人と同じように。
サポートは根気も時間もかかるから、頑張ってる本人だけじゃなく、サポートしてる人にも何かしらの支援が必要です。それは手当であったりケアであったりするわけですが、実態はどうでしょうね?と。

業務支援の方は、言ってみれば↑に長々書いたこと専門の仕事にあたるのかな、というイメージです。
これ、大きい企業さんじゃないと継続は難しいだろうなー…というか、実際に求人に書いてある企業さん、かなり大きいところだったなー…給料安いけど
本当に、福祉領域って給料安いですねorz
でも、必要な領域だし、今後も人手が必要だろうなと思います。
サポートがないと働けないような人に働いてもらうのは非効率的では?みたいな見方もあると思うんですけど、じゃあそうした人たちの生活はどうするんです?家族がずっと負担しますか?親が死んだら兄弟が?兄弟が死んだら親戚が?頼るところがなければ税金で賄いますか?それで増税されても仕方ないって思えるなら、そういう考えもアリなんだろうと思いますけどね。
…ああ、そうした人は排除しろって言うのはナシです。だって、そういう人は存在してるんだもの。同じ社会で生きてるし、これからも生まれてくるし、精神疾患系で言えば増える可能性だってあるんだもの。
排除を訴える人がそうなる可能性だって全くないわけじゃないでしょう?その時どうするの?と。

求人眺めながらそんなことを考えて、給料安いけどやりがいは絶対あるんだよなって思って、そうしたジャンルの求人を見比べ中です。
他も色々見てるけど。






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