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"ポーランド産"万能DFベレシンスキの解体新書

セリエA22/23シーズン後半戦、ナポリはサンプドリアから買い取りオプション付き半年間の期限付きでポーランド代表DFバルトシュ・ベレシンスキ(30)を獲得した。同クラブでは通算187試合に出場し主力として活躍している。

ポーランドメディアによると、ナポリは昨年行われたカタールW杯で活躍したベレシンスキを評価し獲得に至ったようだ。

現在、層が薄いRSBでディ・ロレンツォはフル稼働している。もちろん、ザノーリがディ・ロレンツォの控えとしていたが、実践経験も少なく未知数な点が多い。そこで、セリエAでの実践経験豊富かつ即戦力になるベレシンスキの獲得したと考えられる。ベレシンスキは"鉄人"ディ・ロレンツォに万が一の事があっても、頼りになる新たなバックアッパーとしていてくれるだろう。

また、同日にザノーリがレンタルでサンプドリアへの加入が決まっており、実質ベレシンスキとトレードのようなものをしている。

ナポリは若いザノーリにより多くの経験を積ませつつ、ザノーリが抜けた穴を経験豊富な選手で埋めることができたのだ。RSBの底上げが期待できる。

ここからはベレシンスキのキャリアやプレースタイル、トリビアをどのような選手なのか紹介していく。

1.選手プロフィール

ベレシンスキの経歴
transfermarket.jpより

ベレシンスキは1992年ポーランド西部に位置するポズナンで産まれた。元プロサッカー選手の父の影響でサッカーをはじめる。
地元クラブのTPS・ウィノグラフィー・ポズナンでサッカーキャリアをスタートさせ、その後、2010年レフ・ポズナンU-17からトップチーム昇格し彼のプロキャリアがはじまる。ベレシンスキは母国ポーランドリーグでおよそ7年プレーした後、2017年からイタリアに渡りプレーすることになる。

レフ時代のベレシンスキ

ポーランド代表では各世代別を経験しており、2013年にA代表デビューを飾った。代表キャップ数は通算50試合だ。代表には招集されるものの同ポジションにはドルトムントなどで活躍したピシュチェクと被ってしまい出場機会が少ない。ピシュチェク引退後は主力としてプレーしている。

ベレシンスキはレフ・ポズナンとレギア・ワルシャワ間を移籍した数少ない選手だ。この2クラブはライバル関係にあり、両クラブ間での移籍は禁断だ。レフサポーターは禁断の移籍をした彼のことを「ユダ(裏切り者)」と呼び、数百件の脅迫メッセージが彼の元に届いた。しかし、ベレシンスキは他者の意見を全く気にしないという性格のお陰で悩むことはなかったようだ。まさにメンタルモンスターである。

2.ポジション

ベレシンスキはRSBを主戦場としている。ポーランド代表では台所事情によってLSBやCBを熟すことが多くなっている。また、フォーメーションを3バックに変更した際はサイドハーフとしてもプレーする。複数ポジションでプレー可能なユーティリティ性を兼ね備えているのだ。プロキャリアをスタートした当初はRWGでFWの選手だったようだ。

3.プレースタイル

ベレシンスキは攻撃の組み立てが求められる現代フットボールにおけるSBよりかは、SBとしての役割を担い、最終ラインを維持することに重きを置くどちらかと言うと守備的な選手だ。

ドリブルなどボールを前線に運ぶ能力はそこまで長けおらず、オフェンスでは特に突出した部分がない。しかし、ディフェンスにおいて彼の持ち味が発揮する。身長183cmというSBでは比較的大きな部類に入る体格を活かした空中戦とタックルを得意とする。また、インターセプトやシュートブロックするタイミングとポジション取りが非常に上手だ。

1対1の局面で積極的にタックルに行くため、カードを貰いやすいのは気がかりだ。(21/22シーズンは35試合出場しイエローカード12枚)

4.ベレシンスキについて深掘りしたいあなたへ

①故郷ポズナンについて

ベレシンスキが産まれたポズナンはポーランド最古の都市の一つで、中世ポーランド王国の最初の首都である。歴史の深い街で「ポーランド人の故郷」として知られている。

ポズナン

②好きなクラブ

ベレシンスキは少年時代からマンチェスター・Uの大ファンだ。イングランドでプレーすることを夢見ており、定期的にプレミアリーグの試合を観戦しに行っている。

③親はどんな人なのか

父プシェミスワフ・ベレシンスキは元プロサッカー選手でDFをしていた。ポーランドリーグでは3回、国内カップ戦では2回優勝を経験している。現在はワルタ・ポズナンU-19でコーチを務めている。父親の遺伝子が息子にもしっかり継がれているようだ。
母親はメディアなどで明かされておらず不明

父プシェミスワフ

④ベレシンスキの妻と子ども

ベレシンスキは長年のガールフレンドだったMaja Mocydlarzと結婚している。彼女はプロダンサーで振付師でもある。さらに、国際関係の修士号と学士号およびUAMジャーナリズムの政治学の学士号を取得している。2人の息子(長男レオと次男ブルーノ)を授かり家族4人で幸せ暮らしている。

ベレシンスキのInstagramより

5.最後に

ここまでベレシンスキがどういう選手なのか深掘りしてきた。新天地への移籍は本人にとって精神的に不安なところがあるかもしれないが、同胞のジエリンスキがいるので安心するはずだ。カンピオナート真っ只中での加入なのでスパレッティの戦術にいち早く適応できるかが重要になってくるだろう。悲願のスクデット獲得へ向けて彼の活躍を期待したい。

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