友がみなわれよりえらく見ゆる日よ
「友がみなわれよりえらく見ゆる日よ花を買いきて妻と親しむ」
ご存知、石川啄木が落ち込んだとき詠んだ歌だ。
本歌取りとはおこがましいが。
‘住人がわれよりうまく見ゆる日よ空を見あげて花と親しむ’
時折、訪問してくるこの感情をもて余す。
毎日投稿からくる憂鬱、憂愁だから、普通に「いらっしゃい」といい、「さよなら」すればよいとわかっている。
わかっているのだが、平静ではいられない。
これから雨の季節で民宿のお掃除もない。
ひがな一日、空を眺めながら過ごすと、この訪問者が頻繁にやってくるような気がする。
折り合いをつけなければならない。
昨夜の訪問者がなかなか帰らず、すっきりしない朝を迎えた。
玄関を開けたら、ホテイアオイの花が、「おはよう」と挨拶してきた。
と同時に憂鬱は行ってしまった。
ほっとする。
つぼみの状態が長く、まだかまだかと、待つものもあれば、いきなり現れる花もある。
どちらも好ましい。
ホテイアオイは河川や湖に、はびこり過ぎて嫌われ者だが、一株ふた株を育てている者にとっては愛すべき花である。
浮袋が布袋さまのお腹のようで、葉がアオイに似ているので付けられた名前だ。
ウオーターヒヤシンスともいう。
しばらくは、いきなり咲いて楽しませてくれそうだ。
花が終わると、またいきなり折れて、水の中に突っ伏すのだ。
これも不思議だ。
可愛らしくて気分を良くしてくれるクロタネソウ、もうすぐさよなら。
猫の髭ともいう。
沖縄では全草をお茶にするらしい。
眺めるだけで満足だ。
萩の狂い咲きを見つける。
温度や他の条件で間違えて咲くのであろうが、
狂い咲きとはちょっとかなしい。
もっと愛嬌のある言葉でよかったろうに。
花を友とすれば、歓迎されない訪問者があるにしても心強い。
そして心優しきnoteの住人もいてくれる。
今日も読んでくださってありがとうございます。
今から咲く花たちも待っている。