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島日記 Yahoo

例のごとく青空文庫で、中島敦を読んでいた。
「和歌ではない歌」の中に「ある時は〜」で始まる歌が並んでいる。

古今東西の作家等になぞらえて詠んでいるのだが、ある歌が目についた。

「ある時はスウィフトと共にこの地球(ほし)の Yahoo(ヤフー)共をば憎みさげすむ」

「ヤフーって、インターネットサービスのヤフー?」
即、調べると、スウィフトの「ガリバー旅行記」に出てくるYahooと呼ばれている野獣、ならずもののこと。
「yahoo!」の創業者が、そのならずものを自称したという説もあるということだった。
知らなかった。

知らない言葉や、気になった言葉を見ぬふりすることができない。
飛ばしてもなんとかなるのだが、その由来や語源まで知りたくなるのは一種の病気かもしれない。

「ある時は李白の如く酔ひ酔ひて歌ひて歌ひて世をば終わらむと思ふ」
「ある時は西行がごと家を捨て道を求めてさすらはむこころ」

興味のあるかたは青空文庫でどうぞ。
中島敦は33歳で早逝しているが、今でもファンが多いようだ。
私も全集を持っている。
時々読み返したくなる作家である。

今日は冬というにはあまりに暖かい1日だった。
毎月10日過ぎは班長の公報配り日。
坂道で汗をかいてしまう。
部屋の中は24度でもっと暑く、半袖になった。

ひとり暮らしのおばあさんの家の前に
鉢にたくさん咲いていた蘭
ディモルフォセカがまぶしい
春のようにハルノノゲシ
ベニバナボロギク 若芽は春菊の味
草の中に小さなパインが
我が家のレモンマリーゴールド
そんなに頑張らなくても


花たちは束の間の暖かさを惜しむように、あるいは時期を間違えたように、咲き急いでいる。
ただ無心に、感じる温度で咲くのだろう。
寒い冬が来る前に。


今日も読んでくださってありがとうございます。



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