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美しい花と花の美しさ

美しいうんぬん、と書こうとすると戸惑う。
小林秀雄の「当麻」のことばのせいだ。
「美しい花がある。花の美しさというようなものはない」
わかるようで、いまいちわからない。
どうでもいいことだが、刷り込まれているのでいちいち反応してしまう。

赤いバラは美しい、赤は抽出できるが、美しさは取り出せないからだと解説する人もいたが、やはりあやふやだ。
観念の世界だから難しい。

今回は百日紅のことを書こうとしていたのだが、はなからつまずいてしまった。
世阿弥の「風姿花伝」図書室にあったっけ。

杉浦日向子原作のアニメーション「百日紅 Miss HOKUSAI」を観た。
北斎と娘お栄を中心に、江戸の四季折々の景色や風俗をからめて浮世を生きる人々を描いている。
江戸好きなので愉しめた。

サルスベリは「百日紅」と書けば、花が百日ほども咲き続けるのでつけられた名。
「猿滑り」と書けば、木の幹がツルツルとした肌をしているので、猿が滑るとしてつけられた名だ。
猿は登っているそうだが。

英名は花が縮れているので「クレープマートル」というそうだ。

猿は登れどサルスベリ

原産は中国で、哀しい伝説がある。
龍神に生贄にされそうになった娘を助けた王子は、使命があるので百日後に戻って来ると言い残し、仲良くなった娘のもとを去る。
百日経って戻ったら娘は亡くなっていた。
哀しむ王子の側から一本の木が生えてきて、紅い花を咲かせた。

しかし、唐、長安の宮殿、紫薇宮に多く植えられたことから、中国ではサルスベリのことを「紫薇」とよぶ。
日本でも、木肌がツルツルしているヒメシャラ、ナツツバキ、リョウブなどもサルスベリというから名前のつけ方は適当で面白い。

お風呂の掃除の最中にひっくり返ったカブトムシがいた。
外の葉っぱに移すと、柔らかすぎてオタオタしていた。
いじめたようで気の毒した。

だれかー


おっとっと


どうも台風発生のようだ。
弱い風でありますように。


今日も読んでくださってありがとうございます。

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