光と共に歩む
昨年まで
わたしは小学生の娘と暮らすシングルマザーで、毎日バタバタと働いていた。
働いても働いても生活は苦しかったし、ひとりでゆっくりする時間もあまりなかった。寝かしつけた後家事をしながらいつのまにか、床で寝落ちしているような毎日だった。
娘が一歳の誕生日を迎えた頃
わたしは離婚をした。
人生で一番幸せだと感じた
娘を出産したあの幸福な朝からたったの1年で
血の繋がりは私が思うよりも
呆気なく脆かった。
それ以来元夫とは一度も連絡をとっていない。もう顔も思い出せない。
離婚から2年程経った頃
風の噂で再婚し今は2人の子どもがいるらしいと知ったけど、
涙も出なかった、へぇ~と思った。
とうに涙は枯れてたのだと思う。
唯一の救いは
娘を出産した瞬間から娘が私の光となったことを、なにより私がよく知っていた事だ。
姉からは
あなたがこんなにお母さんらしくなるなんて…と当時呟かれたのをよく覚えている。
この光を守り育てる為なら
なんだってできるし
誰よりも強くなれると思った
同じように思えない父親なら
要らないと思った。
子どもを授かる縁はあれども
人生を共にする縁は無い事もあるのだろう
なんであれ、必要ないから
私たちの人生から去っただけなんだと、思った。
娘は今年13歳になる。わが娘ながら
透き通るようなぴかぴか光る魂の持ち主で、わたしはずっと魅了され続けている。
誰よりも尊敬している。
私だけではなく、子育てに関わってくれた両親、姉夫婦、わたしの叔父も娘の存在に魅了されているのが伝わってくる。
昔は色々あった両親や親戚のギクシャクした関係性までもが、
娘を取り巻いて愛を注いでいる間にきれいなひとつの輪になったように思う。
娘の名前は愛を燈すという意味で名付けた。
出会う人の心に暖かい種火を分けてくれるのだ。なにもせずただ居るだけで…。
あの日私が産んだのは
神からの賜物であり
愛そのものだったのだ。
今日も光と共に歩む私の人生をこよなく愛している。