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屋久島の深い静かな森で考えたこと

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屋久島の深い静かな森の中で、日常のできごとをじっくり見つめて独自の視点で考えたことを呟いていきます。
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#富士山

第31話「前に進まないとゴールには決して辿り着けない。そして、僕は未だゴールに辿り着けない。」

走ることについて、 今までにも何回か書いてきたので、 「またか」 と思われる方もいるかも知れないが、 先週末に UTMFの「KAI」という 68.4km累積標高+3,064-3,066に挑戦したので (100マイル170kmは自分を過信していないため走れない) そこで感じたことをお伝えしたい。 同じレース、同じコースなのに、 昨年は69.4km累積標高+3,675m−3,668mであり、 事前のブリーフィングでも、 昨年のデータを参考にして 準備して欲しいと言っていたので

第六話「前に進まないとゴールには決して辿り着けない。そして、なぜ、僕は走るのだろうか?」

時折、誤解を受けていると思うのは、僕の趣味が走ることだと思われていることである。確かに、日々、走っているし、コロナの最中では、ほとんどの大会が中止か延期になったが、それまでは年に何回も、ロングトレイルやウルトラマラソンの大会に出てきたのだが。 2018年4月、僕は「UTMF(Ultra Trail Mt. Fuji)」のスタート会場にいた。富士山一周、100マイル、170キロの挑戦だった。その2ヶ月半前に、「胸腺腫」と言う腫瘍切除の手術をしての挑戦であり、あえなく50キロで

第一話「それぞれの桜、開花の時」

葛飾北斎の版画で「桜花と富士図」と言う作品がある。 横長の大判の版画であり、満開の桜の樹々の間から富士山が見えるものだ。 桜の開花は、面白いもので、九州より東京の方が早かったりする。九州は、熊本が中心となって、広がるように開花していく。だから、鹿児島、特に屋久島の桜の開花は遅いのである。 この場合の桜は、ソメイヨシノのことを言っており、山桜は別である。 海や街から見える屋久島の山は前岳と呼ばれ、1,000メートル前後の山が連なり、その奥に2,000メートル近い九州の最高