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インプットとアウトプットの隙間にあるもの。

一次にせよ二次にせよ、絵を描く、表現をする以上は何かしらの努力が必要となりますが、その際によく言われるのが「インプット」。多くのものをインプットするほど、アウトプットが彩り豊かなものになっていく可能性が高いですね。

さてそのインプットとは?とは、アニメ、小説、映画などざっくり言えば「見て聞いて楽しむメディア」全てを摂取することにあたり、次のアウトプットとは、自分でそれを描いたり書いたりして表現することを指します。

で、大事なのがこのインプットとアウトプットの間に、何をするか。ただ見て「よかった」「面白かった」「面白くなかった」で終わりにしない。見た聞いた作品を、自分の中で「理解→分解→再構築」する、ということを脚本家の友人から教えてもらいました。

これは漫画界では有名な『鋼の錬金術師』の作品の中にあるセリフで、主人公が錬金術を自分のものとするために行う「研究の過程」です。
優れた表現者は理由なしにその表現をしていない。どんな小さなディテールも必ず理由があってその表現になっている、若しくはそれを感覚として知っているのです。

作品を理解(感想を言えるくらい)し、分解(どんな表現がされているか細分化)し、またそれについて良かった点、悪かった点を色々と考えていくうちに、「自分ならこうした」と思う点がでてくる。それが「再構築」のポイント。

その時に出てくる表現をしっかり自分のものとして、初めて「研究」になり得る。実のところ、ここまでできて初めて「インプット」であると考えます。

で、次がお楽しみのアウトプット。自分の作品造りにその研究の成果を発揮するのです。考えた表現がぴったりあう場面が出せたらアウトプット成功。もし失敗したとしても、創作における失敗は何者にも変え難い「経験値」です。
自分のアウトプットしたものもまた、理解→分解→再構築し、ブラッシュアップをしていく。

表現者として創作者として、一生やめてはならない自己研究が、この「インプットとアウトプットの間」。
「自分の表現したいものはどうすれば他人に伝わるように表現できるのか」というヒントがここにあるはず。

この研究を「めんどくさいなー」と思ったら、そこで「表現すること」は趣味に留めておくこともまた、一つの方法。楽しくなければ続かないし、楽しむ範囲での研究というのもまた別にあると思います。

生業にするか趣味にするのか。
どちらにしても目標を定めて研究を繰り返し、昨日の自分を超えていくことを楽しみたいものです。