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対錦えもん磁気弦の白ひげリーサル問題に学ぶ、思考の枝刈り・大局感・制限時間内での処理

こんにちは、森忍と申します。今回は先日twitterで出したリーサル問題について、僭越ながら解説させて頂こうかなと思います。

なお1時間で書き終えるという目標を持っているので、誤字脱字など一切気にしません。文章上のつながりがおかしいところもあるかもしれませんが、ご理解下さい。そいうの気にしてると、一本のnoteにめっちゃ時間かかっちゃうんですよ…

ちなみに私は今回のnoteで書くような話を普段から考え、その考え方や思考手順、ゲーム構造の話などをタイムラインのことを気にせず長文でtwitterに書くような人です。
見る人によってはとっても役に立つことも書いてあると思うので、良ければtwitterのフォローをして下さるとうれしいです。私の発信活動へのモチベーションが上がります。
そのため今回のnoteも、読んでくれた方々にとって学びのあるものであればなぁ…と考えています。

前置きが長くなりました。
とりあえずそのリーサル問題を貼っておきます。

今回の問題

白ひげ側は4マルコ×2、5マルコが×2に加えてモビーディック号があります。海震でブロッカーを処理した後ということで残りが9ドンです。一方錦えもん側は4ドンアクティブで手札が4枚、残りライフが2枚という状況です。

なお相手の盤面は適当ですが、返しのリーサルを防ぐという選択肢を考慮しないで下さいという意味です。実戦はもう少し次ターンのリーサル回避を考えうる場面でしたが、今回は全力でのリーサル手段のみを考えて下さい。

このnoteで初めて今回の問題を見た方のためにシンキングタイム!!!!









タイムアップ!!!


想定解


早速ですが、今回の想定解を発表します。想定解というと意味が違う気がしますが、ここでは私が一応用意していた正解という意味で捉えて下さい。

正解は4マルコに6ドン付与でリーダーアタックです。
全体のリーサルプランで行くと、13000(4マルコ)→7000(4マルコ)→9000×3が一番通りやすいリーサルだと考えています。

次いで4マルコに4ドン付与の11000でのリーダーアタックも有力でしょう。相手がギブソン×2+1000×2のカウンターだった場合、攻撃が通った時のリーサルがしやすくなります。
実践的にはサーチしたカードや残っている2000カウンター次第で有力な選択かもしれません。
とはいえどちらかを選ぶ…と言われた場合、原則的には13000が有力だとは思います。

さて、皆さんは正解できたでしょうか…?

たくさんの回答ありがとうございました!

直感に反した模範解答


さて、ワンピースカードをある程度知っている人であれば、今回の模範解答に違和感を覚えるかもしれません。
なぜなら3つの視点で、ワンピースカードのリーサルに反した行動をしているからです。

その3つとは

① 平均パワーラインから大幅に離れたパワーで攻撃している
② 大きいパワーから攻撃している
③ より大きなパワーを持ったキャラAがいるのに、先に小さいパワーのキャラにドンを付けてキャラA以上のパワーを作っている

のことです。

今回は盤面だけの全力リーサルを想定しているので③の影響はあまりありませんが、①と②に関しては今回の問題から比較するとかなりおかしな行動を取っています。

今回はこの問題について、どのように思考していけば模範解答にたどり着けるかについて考えてみます。


リーサル原則のおさらい


少し蛇足になりますが、リーサル原則について少しだけ書いてみます。このことを十二分に理解している上級者の方は読み飛ばして下さい。


上記の①について・平均パワーライン


リーサルを取る際は原則的に他のキャラとパワーラインをそろえるのが原則です。なぜなら相手視点に立った時、最も小さいパワーをカウンターで止め、最も大きいパワーをブロッカーorライフで止めたいという原則がある方です。

そのため平均のパワーラインをバラバラにしてしまうと、相手に効率よく攻撃を止められてしまいます。

多少の例外はあります(今回の7000→9000×3など)が、リーサルをかけるときの大原則だと言って良いでしょう。


上記の②について・小さいパワーから攻撃


上記でパワーラインはできるだけ揃えるべきという話をしましたが、何事にも例外はありあます。その例外の一つが、小さいパワーから攻撃して、パワーラインに傾斜を作ることです。

なぜなら相手はライフから得たカードをその場でカウンター値として使う可能性があるからです。さっきのタイミングで6000の攻撃は通っても次のタイミングで6000の攻撃が通らないということは当然起こりえることです。
そのため平均パワーの原則に反して5000→7000のような傾斜をつけて攻撃することが良くあります。

またもう一つの効果が、相手に先にカウンター値を切らせての防御を選択させることで、あとの攻撃を通しやすくするという意味もあります。今回の問題にも通じてくる考え方です。


本題・今回の問題の解説


さて駆け足で今回の問題を解説していきます。
今回の問題、盤面のみの問題であり実は選択肢もそんなに多くないため、実際のところは現実的な選択を全通り試すだけでも回答に行き着くことはできます。

しかし実践的にはそんなことはできません。7~8ターンかかるゲームを30分で終わらせる必要がありますから、終盤の長考時間は2分が限度でしょう。あまりに長考してしまえば警告の対象です。ホントに自分も気を付けなくてはいけません…(持ち時間の話はそのうち書くので、あえて詳しくは触れません)

モチロン最終局面ですから『すいません、考えます』と言われれば(少なくとも自分は)『最終局面なので全然大丈夫です』と応答して2分以上の長考も全然許しますが、残りが数分であればそんなことも言ってられません

あなたは可能ならこのリーサルを2分以内で、現実的な視点で+数分でまとめる必要があります。全部試せる時ばっかりではないのです。


思考手順を明確化し、思考の枝刈りをしよう


さて、今回の話を実践的に処理しようとする場合はどう考えれば良いのでしょうか?

回答は自分の思考を枝刈りをすること。考えるべきことと考えなくて良いことを瞬時に把握することです。
そうしなければ全通りを考えるのは難しいでしょう。考えるべきことは何で、考えなくて良いことは何か『当たりをつける能力』が求められます。
今回はその手順について順に解説しながら、最終的な回答にたどり着いてみたいと思います。

この局面に限って言えば9000のルート、11000のルート、13000のルートを全通り試して2分以内に回答を出す人もいるかもしれませんが、実際はどうなんでしょうね?

ちなみに私の好きな将棋アニメ『りゅうおうのおしごと』で、思考の枝刈りについて解説してあります。興味のある人だけ見てみて下さい。


ステップ0:次ターンの相手からのリーサルを把握する


さて、一応ですがステップ0を書いておきます。自分のリーサルが相手からないことを考える必要があります。
この局面はあえて自身の情報を省き、返しのリーサルを防ぐ手段がないことを前提として話していますが、実際は相手の盤面を処理する手段もあり、簡単にはいかない局面でした。

リーサルを取るしかない、という判断に行き着くのはステップ1の話も関係しますが、一応この時点で『全力リーサルしかない』という判断が必要になります。


ステップ1:ギブソン2枚+カウンター値の仮定


真っ先にやるべきことです。そもそも前ターンからブロッカーを処理する手段があって、ライフが2しかなくて、7000以上の攻撃戦力が5体あって攻撃が通らないはずがない!という思考があったため、この時点で『4アクティブがブラフであるかは、おそらく考える必要がない』という視点が必要です。

なぜならあれがブラフであったとしたら、全力リーサルの攻撃が通ることはほぼ確定しているからです。

つまり実際がどうであるかに関係なく、この手のブラフはリスペクトしてしまえば良いという結論になります。


2枚手札にあることを想定して戦います

つまりこの問題を解くうえで、2枚の磁気弦に加え、残りの2枚の手札と盾2枚の多くがカウンター値であることを想定しないのは間違っています

『磁気弦がなければリーサルは通るんだ』という思考を直感的に1秒以内(というか前ターン)で把握して下さい。

ちなみにこの思考はデュエプレでの『トリガーが何枚分捲れるかを先に想定する』という考え方、『トリガー縦割りの原則』とか勝手に命名していますが、結構面倒くさい話になるので公表していません。
何が言いたいか、なんとなく通じる人にだけ通じて下さい。


ステップ2:磁気弦の性質を理解する


磁気弦というカードの効果をおさらいしましょう。


よくある4000カウンターですが、追加効果で相手のコスト4以下のキャラをレストにできます。4コスト以下はまずまずの範囲ですが、あくまでおまけ効果のような意味合いが強く、単体で4000カウンターを持っていることが強力なカードでしょう。

4コスト以下のカードしかレストにできないので、磁気弦を構えられたときは4コスト以下のキャラから攻撃することで、相手のカウンタータイミングを奪うという一種のセオリーがあります。今回の場合は4マルコから攻撃することですね。

今回は全力リーサルをすることを決めましたから、返しのターンでブロッカーを生かすことを考える必要がありません。4マルコから攻撃し、相手が磁気弦を強く使えるタイミングを1回目の攻撃に限定する必要があります


ここまでの思考時間


ここまでの思考、実は何も特別な計算はしていません。ギブソン2枚仮定も、磁気弦の性質理解も、大局感から来る消去法とギブソンへのセオリーを書いただけです。

ステップ0のみ場合によっては難しいですが、磁気弦を仮定するという視点に立つと4マルコをアクティブのまま渡すことができないため、実は即座に否定されます。
つまりここまでは理屈上は一切の思考時間を使わず、4マルコに何ドン付けて攻撃するか?というところまで持ってこれました。

実際はうまく思考整理できないと大変なんですけどね…


ステップ3:磁気弦撃ち得問題


ここからが結構面倒な思考です。なぜなら今まで磁気弦がここまで撃ち得になるケースはあまり発生しなかったためです。

というのも4コストのカードまでしかレストにできないのですから、4コスト以下が持ってるパワーは最高で6000、ほとんどのカードは5000ということになります。カウンター値で言えば、基本的に1枚しかカウンターを切らせる能力がないのです。

この前提を根本から崩したのが、モビーディック号というカードでしょう。


正直白ひげ強すぎるので
何かしらの処置を取って下さい。
できればマルコも…

これによりなぜかよくわかりませんが、4コスト以下のカードが平気でパワー7000以上、2枚分のカウンターを奪う能力を手に入れました。2枚分のカウンターを奪うのですから、磁気弦は4000カウンターのほかに3000カウンターを持っているようなものです。

つまり4000カウンターが無くても最低限の仕事はできているので、9000のパワーが相手リーダーにデフォルトでついている形になります。
つまりさらに+1000のカウンターで攻撃を止められるのであれば、喜んで止めるというのが今の状況です。

つまりこの局面の最初の攻撃に限って言えば、11000で2枚要求、13000で3枚要求しているということになります(厳密には違いますが…)
実際には磁気弦自身のカウンター値を無駄にしたくないため2枚要求分のカウンターがあれば止めますし、3枚要求ならほぼ間違いなく通すことになります。

あとは11000と13000の比較をするだけです。


ステップ4:カウンター値2枚要求と3枚要求の比較


これに関しては厳密に一つずつ考えるだけでも良いでしょう。13000がカウンターされないことは自明として良いので、通した時の7000→9000×3の要求値と11000がカウンターされて9000→10000→10000の時の要求値を考えます。

13000の場合は相手の盾と手札がすべてカウンター値、かつ最低1枚が2000カウンターであることを要求されており、11000の場合は最初に2000カウンターと1000カウンター、そして盾2枚の組み合わせが「0/2000」「1000/1000」より小さいことを要求されています。
比較すると若干13000の方に分がありますが、11000で攻撃すると相手の手札が1000×2のカウンターだった場合少しだけ有利になります。

ここであえてこれ以上の厳密な計算をすることは避けますが、おそらく13000の方が若干有利に見えています。

これをもって13000の4マルコを想定解、11000の4マルコを想定解2として今回の解説は終わりとします。


終わりに


いかがだったでしょうか。このnoteを読んでいる方の中には上記のことを当然のようにやっている人もいれば、違う思考手順を積んでいる人、計算力でごり押している人、初めてこういう考え方に触れた人もいるでしょう。

どの手段でも問題ないですが、論理を追い、大局感を鍛えて思考を枝刈りしていくと短時間でも正解を導きだすことができるので、実践的に非常に有利になります。

これからもこういう発信をしていこうと思いますがワンピースカード界隈への発信力をあまり持っていないため、こういったnoteや問題も広がりにくい状況になっています。
今後もこういった自称理論派みたいな役に立つ情報を発信するので、ぜひtwitterをフォローして頂けると嬉しいです。

今回の話が皆さんのお役に立てば幸いです(結局2時間近くかかりました…)

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