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どんぐりを拾って、育ててみた話。/2021年10月からの記録

2021年11月22日11:00に公開したnote。
初めて、サントリー 天然水の森を訪れた日のことを綴ったnote。

そこからもう1年弱も経っているのかと思うと、時の流れの早さに驚きますね。
人生で何度この早さに驚いていることか。

なんてぼやいていたら、
「歳月の流れの速さは、年を取ると、そんな生易しいものではないよ。お正月が来ると、“もうすぐ年末だなぁ”ってなるよ。」
とわたしの森の師匠。

そこまで時の流れが早くなるのか。。。

まぁ、そんなことはさておき、
この記事の「5、家で森を感じる」という部分で、どんぐり(ミズナラの種)を森で拾い、植えてみた話をしていました。

森を訪れたのは、10月末。ミズナラの種(いわゆるどんぐり)がたくさん落ちていました。
だからわたしは、そのどんぐりを拾ってきまして、植えてみています。
きちんと育ってくれるか、まだわからないのですが、来年あたりにご報告したいと思います。

さて、このどんぐりたちはあれから、我が家でどうなったのか。
そして、今はどんな状態なのか。「来年あたりにご報告」のタイミングがきました。

どんぐりって

わたしは、小さい頃秋口になるとどんぐりを公園でよく見かけていました。拾って帰って育てるとかではなく、見つけて喜ぶ、「どんぐり!」と知ってるぞアピールを親にする、そんなどんぐりとの記憶が頭の片隅にあります。

みなさんはいかがでしょうか。

以前、どんぐりのことを「種」と表現しましたが、厳密には、「堅果けんか」という果実の一種らしい。
クリもどんぐりの一種と言われると納得感があると思います。

そして、一括りに「どんぐり」と言っても、さまざまな種類があります。

細長いものもあれば、クリのように丸っこいものもあったり。お椀状の殻(「殻斗かくと」)が、ベレー帽のようなものもあれば、とげとげしたものもあったり。色の濃さもちがったり。

樹の種類によって異なります。

今回取り上げるのは、「サントリー 天然水の森」で拾ってきたミズナラのどんぐり。

写真でもわかるように、とても濃い茶色。
どんぐりの中でも大きめ。形は楕円で先が細く少し尖っていて、よく絵で表現される一般的などんぐりというイメージですね。

ミズナラは、北海道から九州まで広く分布しており、ちょっと高めの山に登ると出会えるので、この形状のどんぐりを見たことがある方も多いかもしれません。

どんぐりは乾燥が得意ではないので、地面に落ちたあとすぐに土に根を伸ばすそう。
写真でも、少し根が伸びているのがわかりますね。

どうやら、ミズナラは先端の尖っている部分を突き破って、根を出すんだなーなんて思いながら観察していました。

2021年10月23日。
どんぐりは少し濡らしてあげて、このまま土の上に置いて、根が少し伸びた頃に土の中に少し埋め、冬が過ぎるのを待ちます。

さて、どんな風に育っていくのでしょうか。

ミズナラの成長記録

2022年3月17日。
だいぶあたたかくなってきた頃。


拾ってきたどんぐりが、ついに芽を出しました。
アップにしてみるとこんな感じ。

全長1cm程度。
まだ葉が開いていない状態ですね。かわいい。

2022年3月24日。
本葉が小さく開きました。

真上から見るとこんな感じ。

葉自体の大きさは1cmにも満たないほど。
外側が少しウネウネしていて、なんとなくミズナラらしい葉というのがわかります。

葉は3枚つけるんですね。

2022年3月28日。
そこからたった4日でぐぐっと成長しました。

まだゆるやかなウネウネと、明るい緑色。
まだまだ子どもらしい印象があります。

ちなみに、こちらは本葉のようです。

ほとんどのどんぐりの子葉(通常種の中にある最初に出てくる葉)は、根の近くにあり、土の中、もしくは地面にヘタッと倒れていることが多いようです。

【ちょっと小話】子葉の役割は?
子葉は「種子の中の葉」で、種子の中で植物の原型が作られる過程でできます。ほとんどの葉が光合成で栄養を蓄えて成長していきますが、子葉は、本葉たちがその光合成で成長できるようになるまでの栄養を供給する役割があります。

今回はどんぐりを土の中に少し埋めていたので、子葉を表面的には確認できませんでした。

2022年5月3日。
それから1ヶ月ほどが経ち、葉が大きく成長し、色も濃い緑になってきました。

葉の形は少し丸っこくなり、「き、、君本当にミズナラ?わたしの知識とちがう。」と不安になりつつ、これもこれでミズナラらしいので、経過を観察することに。

2022年7月30日。
5月からそれほど大きく変化のないミズナラ。

森の中だと、たとえ実生したとしても、大きく立派に成長するのはほんの一部。
鉢の中なので、ここで成長が止まってしまったのかしら、とまた別の不安が募りつつ、枯れる気配もなく青々と生きているので、また経過を観察していきます。

ちなみに鉢植えはこんな感じ。
自然界に比べたら、それはそれは小さな世界ですよね。

2022年8月16日。
ついに、変化が!

新しい葉が展開しました。

この葉は、「わたしの知っているミズナラだ!」という感じ。
ウネウネとした、楕円で基部に向かって細くなっている、この形。

成長が止まってしまったと思っていましたが、成長がゆるやかなだけだったんですね。

あれから、1ヶ月経っていますが、この時から大きく変化はありません。
また何か変化があれば、写真におさめ、ご報告しますね。

ミズナラの実生のこと

最近、わたしの住む東京では日が当たる間はまだ暑いなーと感じるものの、日陰や夜になると肌寒くなり、秋を少しずつ感じています。

みなさんが住む地域ではどうでしょうか。

あと何週間か経ったら、公園や森の中でどんぐりが落ちてくる頃でしょうか。

今回拾ったどんぐりのうち、すべてが実生したわけではありませんでした。自然の中でもそうです。すべてのどんぐりが実生するわけでもないですし、実生したすべてのミズナラが立派に育つわけでもありません。

例えば、親木の下で実生したどんぐりは、親木の陰になり、光という栄養を奪われたり、親木が落とした病気の葉や虫にやられたりして枯れてしまうことがほとんどらしい。
だからといって、小動物などによって遠くに運ばれたどんぐりは、キノコの菌とうまく共生できなくて枯れちゃったりもする。

前にキノコ菌と樹は共生している話をしましたが、成長にはキノコ菌との共生が必要不可欠。うまくキノコ菌と共生できなければ、水や栄養が不十分で枯れてしまうこともあります。

菌との共生についてはこちら

今森に生えている立派なミズナラになるのは、かなり限られたもののみということなんですね。すごいな。。。

年によって、豊作・不作があるようですが、ぜひ見かけたら拾って、育ててみてください。自然のサイクル、厳しさを少しながら感じ取ることができると思います。