音楽で恋を思い出す、春。
最近使わせてもらったバントスタジオに、懐かしいバンドのポスターがあってエモくなった。
10年ぐらい前に聴いていたバンドで、1度活動を辞めてしまっていたように思ったが、その辺さえも忘れてしまった。
本当にもう遠い記憶で、その頃のことは朧気になってしまったほど昔すぎて、あやふやで申し訳ない。
でも、ポスターを見た途端彼女達のライブのキラメキや、その時に好きだった人の事を鮮明に思い出した。
音楽っていうのはその時の印象的な出来事までひっぱって来るんだからもう本当に凄い。
その時の恋は、叶わない片想いだった。
でも、それが良かった。
私はいつも年上のタバコを吸う人に片想いをする傾向にあって、しかもタバコを吸う人とは上手くいかないというジンクスがあるほど上手くいかなくて、この時もそうだったんだけど…
でもやっぱり、それが良かった。
私が真逆のタイプと上手く。
タバコも酒もギャンブルもしないってタイプで、夫もそうである。
正直精神衛生上も性格もその方が合うので付き合うなら絶対そっちの方がいい。
だがたまに、タバコも酒もギャンブルもする男に一瞬吸い寄せられる瞬間が若い頃はあった。
ちなみに今は無い。
その頃の私の気持ちも分からない。
だけど、そんな男への恋は私を漫画の主人公のような気持ちにさせてくれた事だけは鮮明に覚えている。
結局、悪い人に恋する瞬間、何かしらのエモさに酔っているだけなのよね男女共に。
そんな話は置いておいて、そんな人が好きだったあの頃を音楽を聴いただけで思い出した。
もうそんな恋は独り身だったとしても出来ないだろう。エモさだけに特化した安定感のない恋愛は、もう、めんどくさいとしか思わない。
それは私が安定感のある関係の中に居るからなのか、精神的に成長したからなのか、それは分からないけど…、もう出来ないと思う。
あれは若さゆえの特権だ。
そんなふうに、曲を聴きながら思ったりしたそんな春。
あの失恋も3月だった。
あんなに痛かった胸は、すっかり跡形もなく癒えて、上手くいかなくてよかったわ…とさえ思ったりもして、ただ綺麗に思い出になった恋。
10年経った今、また思い出すなんてね。
そんなエモさに浸りながら、そろそろ3月が終わる。
恋を終えた人も多くいるだろう季節。
私はそっと、あの頃の私に微笑んだりした。
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