ザ・ベクデリュー2021

昨日の記事でカットした部分。

〇ベクデル・テスト

THE Wとベクデルテスト。

ベクデル・テストというのは、ジェンダーバイアス測定のために用いられるテストのことです。

・少なくとも2名、女性が出てくる。
・互いに会話をする。
・話題は男性以外のものである。

この3つの条件を満たすかどうかでジェンダーバイアスの目安にするものということらしい。

細かいことはウィキペディアをご覧ください。僕も詳しくは知らないです。勉強不足ですみません。

あるサイト(bechdeltest.com)ではこのテストをパスするかどうかで4500本ほどの映画が分類されており、(女性登場人物に「名前がなければならない」という条件を付加しています)56%がテストの全ての条件をパスしている作品となっているそうです。

どうなんでしょうね。これが男女逆で、『名前のある男性が2名以上出てきて女性以外の会話をする』っていう条件だったら何%になるんだろう。なんとなくですけど、56%よりは全然多そうな気がしますね。99%くらいいくんじゃないかな。

ということで、世の映画にはまあ、なんかしらの偏りはあるっぽいです。

〇落語

以前、ナツノカモさんというかたのパフォーマンス(どれも独創的でめっちゃ面白かった)を拝見した際に、落語では女性同士の会話がないということをおっしゃっていた記憶があります。

つまり、古典落語はおそらくほとんどベクデルテストを通過しないと思われます。へ~と思いました。

個人的に、ベクデル・テストを個々の作品の評価に使うのは意味がないと思っているのですが(原典になったアリソン・ベクデルのコミックでは『条件を満たす映画しか見ない』と書かれているようで、個々の映画を評価しているみたいですけど)、作品群の背後に横たわる『傾向』を読み解くことに使う分には面白そうです。

落語が劣っているということは全然思いませんが、多くの噺が成立した江戸時代~昭和においては、文化的に『そういう傾向』があったのでしょう。

ということで、THE Wに当てはめたらどうなるんやろって思ったので各ネタを確認しました。

〇結果

・ヨネダ2000 ×
お父さん、お爺さん

・紅しょうが ×
恋バナ

・茶々 ×
少年

・TEAM BANANA ×
電車のおじさん

・オダウエダ居酒屋 〇

・天才ピアニスト ドア ×
結婚しようっていうシーンの相手

・女ガールズ ×
天龍源一郎

・ヒコロヒー ×
まさし

・スパイク ×
向こうにかっこいい人がいる

・Aマッソ 電話 〇

・Aマッソ プロジェクションマッピング ×
長渕

・天才ピアニスト レジ 〇

・オダウエダ 蟹 ×
植田さん


2021年のTHE Wは恋愛系のネタがあんまりなかったので、もっと通過するかなと思ったのですが、13ネタ中3ネタしか通過してませんでした。

ベクデル・テストは結構厳しくて、恋愛対象とかじゃなくても男性であればアウトということらしく、女ガールズやAマッソが天龍源一郎や長渕が出てきたことで引っかかってしまいました。

たしかに、通過したオダウエダの居酒屋、Aマッソの電話、天才ピアニストのレジなんかは男性が演じたり男性役に変えても全然OKそうです(くしくも決勝進出3組ですね)。でも、それ以外でも男女入れ替えてOKなネタはありそうです。ふむ。

だからなんやねんっていう話なんですが。とくに出口のある話でもないんですけどね。

繰り返しますが、ベクデル・テストを通過する、しないは個々のネタに対する評価としては全く意味がないと思っています。

また、こういうのは統計的に見ないと意味がないはずです。もっとサンプルがないと有意な結果は得られないでしょう。やってみたらどうなるのかなって思ったのでやってみただけですし、せっかくやってみたので書いておくというだけのことです。ふーん、くらいに思ってくれたら幸い。

時間があれば過去に遡って、各年ごとの結果を出してみたいんですけど、面倒なのでパス。面白そうなので誰かやってください。一回戦から全部のネタでやったりしてくださると、もっと有意なデータが得られるのかもしれない。

〇男版

ところで、ベクデル・テストの男性版っていうのはないのでしょうか。

男性版を作るとしたらおそらく、単純に男女を逆にしたもの(男性が2名以上出てきて女性以外の会話をする)ではないのでしょう。

例えば『男は賢く有能であるべき』というジェンダーバイアスがあるのだとしたら、錦鯉まさのりさんやモグライダーともしげさんがバカを演じるのはバイアスがあることになります。そして、女性があのネタを演じたときに、バイアスによってネタの印象が変わるはずです。そういうような何かが見つかったら面白い。いや、あってはいけないものなので、面白がっている場合じゃないんですけどね。

そういうものが見つかった時、私たちが一体何で笑っているのかがもっと明確になってくるような気がします。

〇おまけ

以下はおまけです。
買っていただくようなことは書いていません。

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