司法書士が鑑定士試験を受験してみて

はじめてのnoteです。
よろしくお願いします。

令和3年度の不動産鑑定士試験(短答式)を受験してきたので、その感想を書いてみます。ただ感想を書いても面白くないので、司法書士試験との比較や働きながら勉強していることを絡めて書いてみたいと思います。

【鑑定士試験の受験勉強について】
令和2年の12月から勉強を始めました。きっかけは、新庄選手がプロ野球復帰を目指して1年間自分と戦ったという話を聞いて、俺も俺と戦いたい!と思ったことです。司法書士試験は人をMの道に引きずりこみます。業務拡大を目指してとか高い志などではありませんので、遊びや冷やかしと取られかねないと思い、Twitterや Facebookで受験を公言して下手をこいたら恥をかくだけという状況を作りました。

勉強は、1日の終わりに30分でも1時間でも机に向かい、少しでも進めるというスタイルです。司法書士試験と同じ完全独学にしました。

【司法書士試験との比較】
1)共通点                             短答式と記述(論文)がある。相対試験である。不動産に関する問題が出る。

2)相違点                             司法書士試験は試験日が1日で終わる。鑑定士試験は短答式に合格しないと論文式試験を受験できない。論文式は3日にわたって行われる。短答式に合格すると論文式を最大3回受験できる。                             

3)科目                              司法書士試験は、午前短答式4科目(憲法・民法・刑法・会社法)・午後短答式7科目(司法書士法・供託法・民事訴訟・民事執行・民事保全・不動産登記・商業登記)記述式2科目(不動産登記・商業登記)                

鑑定士試験は、午前短答式38科目(都市計画法・建築基準法・その他いっぱい)午後短答式(鑑定理論)短答式が受かったら論文式4科目(民法・会計学・経済学・鑑定理論)
鑑定士短答の科目数が尋常じゃありません。今のところ私にとってここがネックです。                                   

【難易度】                                条件設定①鑑定士試験の論文式は受けたことがない②司法書士は合格している③両方とも独学、という条件のもとに話をします。鑑定士論文は受けたことがありませんので、比較可能なのは短答式試験だけです。結論から言ってしまえば、難しいのは司法書士試験だと思います。この「難しい」は「合格するための点数取得が難しい」という意味です。司法書士試験の問題のほうが難しいということではなく、試験として受かりにくいということです。

理由は、合格ラインからの上乗せ点です。鑑定士試験の短答式合格ライン直近5年の平均は正解率67.25%です。2020(66.25%)2019(70%)2018(68.75%)2017(67.5%)2016(63.75%)ここに達すれば短答式合格となり論文式に進みます。短答式の点は論文式に持ち越されません。つまり、このラインさえ超えればOKなのです。

 一方、司法書士試験の短答突破ライン(基準点)の直近5年の平均は正解率69.7%なので、2020(70%)2019(67.1%)2018(71.4%)2017(70%)2016(70%)、一見、同レベルと思われるのですが、司法書士試験の場合は短答式の点が持ち越されて「上乗せ何問」というところで争われます。つまり、「基準点と同じ」や「1問上回った」程度では、短答は突破できますが合格は遠いのです。

野球に例えると・・・

鑑定士短答はホームランなら何でもOK!!司法書士短答は同じホームランでもできるだけ遠くまで飛ばしておく必要がある!!といえるでしょう。

どちらが取り組みやすいのか。それは皆さんお一人お一人の感覚で違うと思いますが、私は、鑑定士試験の方が取り組みやすいと思いました。ちなみに、今回、私は午後の鑑定理論でちょうど70%を取った(回答速報基準)ので、午後は合格ラインに到達していたことになります。(プラス材料は強調するタイプ)

【働きながら勉強すること】                        時間に限りがあることは、考えようによってはプラスかもしれません。集中力が高まります。本気で受かろうと思えば、限られた時間を有効に使おうと考えます(実行するかどうかは別問題)。進学校が短い練習時間で甲子園に出るイメージです。よくある話です。不利ではありません。よくある話です。そんな人ゴマンといます。よくある話なのです。悲劇のヒロインを演じるには髭が濃すぎます。

【約5か月間勉強をしてみて】                      真剣に取り組んだので、試験が終わった時はとても爽快な気分でした。結果は最高の結果ではありませんでしたが、それに近いものであったと思います。新庄選手が、プロ復帰はならずとも1年間に悔いはなく自分に勝った、という趣旨の発言をされていましたが、それに近い感覚を少し持てたように思います。もちろん、今後も続けます。                                 



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?