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コスチュームジュエリー展

絶対絶対絶対行くべきです。
正直、舐めてました。ごめんなさい。

最初はネタバレなし。
途中からはしっかり内容について書いていきます。直前でも警告しているので、上手いこと読んでくださいね。

ネタバレなし!簡単なレポートと感想!!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━【はじめに】
男も女も関係ねえ!かわいいものは「かわいい〜!!」と思え!!!!?!!!?
記号化された陳腐な表現として「かわいい」と言っているんじゃない。本心で「かわいい〜!」と思える。そこに男も女もない。
男だからってスカすんじゃないぞ。ジュエリーを前にして「かわいい〜!」と思えないのなら、感性が死んでいる(過激表現)
ぜひ、心に小学生女児を宿して見てきてほしい。

【展示量/所要時間】
ボリューム満天。とにかく飽きない。400点近くあったらしい。個人所蔵の物が多いと聞いていたので過小評価していましたが、大満足。
数年前の宝石展とは比にならないくらいあります。
文章を全て読み、休憩なし(終始夢中だったので)で周って2時間ちょっとかかりました。

そして、一部を除いて、ほとんどの展示物が撮影OK!SNS投稿OK!
「記念に、、、、資料に、、、、」とそれぞれを撮影しながら見ていると本当に日が暮れます。


【客層】
女性8割、男性2割。(体感)
年齢層は幅広く、小学生低学年〜年配の方まで。
男性はやはり少ないです。彼女の付き添い、家族の付き添い。といった感じ。友達と2人で来ていた男性客もいましたが、男性ソロ参戦は僕以外いなかったと思う。
ゴールデンウィークという事もあってか、けっこう人いた。それぞれが小さな声で「きれ〜」とか「かわいい〜」なんて言って、見とれている空間が素敵だった。

【良かった点】
読み物の量が絶妙!
時代やデザイナー毎に区切った展示スタイルで、チャプター毎に軽い解説の文章がある。
これがちょうど良い。
とにかく量のある展示なので胃もたれせずにすむ。文章もわかりやすく、個々に解説のついた展示もあるので理解に困ることも無く最後まで楽しめました。


【展示物】
メインとなる煌びやかなジュエリー達に加え、当時の雑誌に掲載された写真やイラスト、さらには貴重な衣装まで数多く展示されていました

前述したように、時代とデザイナーによって区切られているため、それぞれの違いがかなり際立つ構成です。
決まった順路がないため、自由に行き来して楽しめました。

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ネタバレあり!レポートと感想

まだ行ってない人は引き返した方がいいかも。
知りませんよ。

わかった人だけ下に行ってね。


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全体の感想3選

1.模造パールすごすぎ。
最初から最後まで、あらゆるジュエリーで用いられている。
今まで僕が見てきた物は、模造でもなんでもない。ただの「パール風」だったんだ、と。これが「コスチュームジュエリー」か。と瞬時に理解した。
ただ白く、ただそれっぽい艶があるだけじゃあない。本物のパールの持つ凹凸感や、虹色の煌めき、柔らかくも力強い乳白色の艶までも、完璧に再現されていた。
本物とは絶対に見分けられない。
時代が進むにつれ、ガラス細工やプラスチックが多く登場するが、この模造パールの感動は断トツだった。

2.知っている名前がたくさん登場して嬉しかった。
当然だが、ジュエリーの歴史はファッションの歴史でもある。名だたる伝説デザイナー達による作品の実物を、この目で拝めるとは。上流階級向けの衣装を、こんな庶民の田舎くさい野郎が、目にしても良いのかと。とても嬉しくなった。
特にサンローランの作品。
(長くなるので、下記のピックアップで語る)

3.伝統と手工業の威力
やはり、人の心を動かすのはいつだって人なんだとしみじみ感じた。取り扱われている物は、全て一流の職人によって制作されたもの。現代の工業製品のように完璧に均一ではなかった。しかし、そこに並々ならぬ工夫と情熱を感じざるを得なかった。
今でも職人による「クラフト」が支持されている理由が本能で分かった気がした。工業製品に囲まれて生きる僕には、この美しさをうまく言葉で言い表せない。悔しいけど、これもまたジュエリーの魅力なんだろう。直感で良いと感じられるボーダーフリーな芸術は、やはり世代を超える。

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ピックアップ

文章が多くなりすぎるため、特に印象的だった展示物について書いていきます!

【深海】
ワクテカしながら入館し最初の文章を読み終えると、いきなりメイン級の展示物が目に飛び込んで来た。
Paul Poiret「深海」
仮装パーティー用に制作されたというマスクとブレスレットに一瞬で心を鷲掴みにされてしまった。
クラシカルな形状でありながら、美しく刺繍されたビーズやクリスタル。不気味に空いた目のスリットは異様なまでの妖艶さを放っていたのです。。。
セットになっている左右非対称のブレスレットも印象的。両手に絡めて装着していたマネキンがエロくみえた。

「深海」

【スキャパレリ/ロブスターブローチ】
ひとつの到達点を見た気分だった。虫や動物をモチーフにしたジュエリーは、植物と並んで数多く展示されていたが、このロブスターは一線を画していたように思う。
動物や植物がモチーフのジュエリー(ブローチが多い)はほとんどが写実的に表現されていたが、このロブスターはカラダの全てが独立したジュエリーによって抽象化されていた。
自信を芸術家だと自称し、シュルレアリスムに精通していた彼女ならではのデザインだと直感した。
しれ〜っと展示されていたが、周回中はずっと頭から離れなかった。これを再び見るために、図録を買ったまである。

ロブスター



【イヴサンローラン/スーツ】
女性用に特別に仕立てられた、ドレスに近いニュアンスのスーツ。広いピークドラペルで、前裾は斜めにカットされている。胸の左右に飾りボタンがついていて、完全にイヴニング・コートのディテールを踏襲していたが、シングルブレストで1つボタン仕様。そしてテールは切り落とされていた。パンツの側章がシングルであった事から、燕尾服とタキシードの中間のような感じだろう。
パンツも普通じゃあない。フロントには内向きの深すぎるくらいのタックが2本。かなり立体的な仕上がりだった。
ストレートで太めのシルエット。タキシード由来のシングルの側章。伝統的で挑戦的。決して無難ではない。サンローランが天才だと言われた理由の全てが詰まっていた。
男性の正装で女性らしさを最大に引き出し、挑戦的なデザインによってドレスのような艶やかな印象まで与えている。
僕はずっとこんなデザインが見たかった。
衣装なので図録には載っていないのが非常に悔やまれる

スーツ

【リーン・ヴォートラン】
特定の展示物ではなく、彼女の作品全てが素晴らしい。
自由の地でさらに煌びやかさを増し、ド派手で巨大になったジュエリーたち。その展示を見た後に巡る事になっていた、彼女の作品に度肝を抜かれた。信じられないくらい素朴。金色のブロンズで作られた小さな作品群は、とてつもない気品とデザイン性を秘めていた。
完全に心打たれてしまった。誰もいなかったら盗む努力をしたと思う。

「無限大」「栄光のアザラシ」

【リナ・バレッティ】
これもまた特定の展示物ではないのだが、、、、
取り上げないワケにはいかない。
彼女の作品には、シルクベルベットが多様されていた。これがめちゃくちゃシックで超絶ウルトラスーパーハイパーミラクルかっこいい。
作風なら、僕は彼女の作品たちが1番好きだった。
そもそも、ジュエリーに布地を使う発想がここにしかなかった。伝統を失うわけでもなく、気品を失うわけでもない。失うどころか、完璧に昇華させていた。彼女が最初なら、本当に天才としか言いようがない。これぞ、「コスチュームジュエリー」。感動した。

リナ・バレッティの作品

以上、ピックアップでした!

本当はもっともっと書きたい事があったけど、全部書くと多分2週間はかかる。

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おわりに

最後まで駄文にお付き合いくださりありがとうございました!
いやー、やっぱり行って大正解。
久しぶりに充実した時間を過ごせて大満足!!

みんなの感想も教えてください(決まり文句)

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