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日本の対露経済制裁に対するロシア側の反発が、予想以上に大きかった理由

岸田政権のロシアに対する制裁はかなり強力なものだが、それにしても、ウクライナ戦争に注力するロシアが、かなり強硬な態度で極東に位置する日本に軍事的威圧も含めて反発してくることに疑問を感じていた。

それが、以下動画の中の 江崎道朗 氏(評論家)のインテリジェンス関連の情報で、その疑問が一気に氷解した。

【江崎道朗氏 のインテリジェンス情報】

【緊急鼎談】緊迫するロシア・ウクライナ情勢【江崎道朗✕須田慎一郎✕グレンコ・アンドリー】2022年3月27日

【江崎氏 発言要旨】

今回、岸田政権は、思った以上にちゃんと金融制裁に踏み込んだ。
駐日ロシア大使館は怒っている。
あれに関しては、ヨーロッパの情報機関の人間が、隠密に日本に来ていた
要は、ロシアの指導部の金融資産がどうなっているのかということに関しての情報交換と、それの捕捉の為だと言われている。
どうやらプーチン側は、日本がここまで厳しい金融制裁をするとは思ってなくて、ある程度安心して自分たちの資産を日本側に置いていたらしい
ところが、欧米と一緒になって日本が金融制裁をやったものだから、慌ててるという話。
今回、岸田政権が想像と違って、欧米と一緒にきちんと金融制裁をやるだけではなく、その追撃戦をやると共に、この間の(G7)共同声明では、ロシア指導部に対するいわゆる戦争責任を追及するとまで言っている。

【緊急鼎談】緊迫するロシア・ウクライナ情勢  1:02:15~

【時系列】日本のロシア指導部への金融制裁と、ロシア側の反発

2022年3月1日

政府は1日午前、ウクライナを侵攻したロシアに対する制裁措置として表明している資産凍結の対象として、プーチン露大統領ら6人とロシアの銀行3行を発表した。プーチン氏のほか、ラブロフ外相ショイグ国防相ゲラシモフ参謀総長、国家安全保障会議のパトルシェフ書記メドベージェフ副議長の名前を挙げた。

産経新聞 3月1日

3月2日 ロシアヘリ、領空侵犯か 根室半島沖で―防衛省

防衛省によると、ヘリは北方領土方向から飛来し、午前10時23分ごろ、根室半島南東沖で数十秒間、領空内に侵入した。自衛隊機が領空接近を通告したが進路を変えず、領空内に入ったため出て行くよう警告したところ、引き返した。呼び掛けに応答はなかったという。防衛省は飛行経路などからロシアの機体と推定した。

時事通信

3月10日 北方領土でミサイル演習

ロシア軍東部軍管区は10日、クリール諸島(北方領土と千島列島)で地対空ミサイル「S300V4」の発射演習を行ったと発表した。

時事通信

3月15・16日 ロシア軍艦が津軽海峡通過

15日午後8時ごろ、下北半島(青森県)の尻屋崎の東北東約70キロの海上をロシア海軍のアリゲーターIV級戦車揚陸艦など2隻が航行しているのを、海上自衛隊の哨戒機が発見。その後16日にかけ、同艦などロシア軍艦4隻が津軽海峡を西方に抜け日本海へ航行した。

時事通信

3月21日 ロシアが北方領土交渉の中断発表

ロシア外務省は21日、北方領土問題を含む日本との平和条約締結交渉を中断すると発表した。北方領土への旧島民の墓参などを目的とした日本とのビザなし交流の停止や、北方領土での日本側との共同経済活動から撤退する意向を表明した。ウクライナ侵攻に伴う制裁に日本が加わったことへの反発が理由とみられる。

共同通信

3月22日

ロシアのメドベージェフ前首相は自身の「テレグラム」チャンネルに、ロシアと日本が北方領土問題に関してコンセンサスを見つけることは決してなかっただろうと投稿した。
現在はロシア安全保障会議の副議長を務めるメドベージェフ氏は両国がこれを理解していたとし、交渉は「常に儀式的な性質」を帯びていたと主張。ロシア憲法改正でいかなる領土の割譲も禁じられており、今では協議が全ての意味を失ったと説明した。
メドベージェフ氏は、ロシアが「クリール諸島(北方領土と千島列島)の開発を持続的に進める」べきだとも指摘した。

Bloomberg

3月25日 ロシア、北方領土で軍事演習

ロシア軍東部軍管区は25日、クリール諸島(北方領土と千島列島)で3000人以上が参加する軍事演習を実施したと発表した。主要な軍事施設がある北方領土で実施したとみられる。

時事通信

【まとめ】

日本は、欧米諸国と足並みを揃えるように、さまざまな対露経済制裁を行なっている。
その中でも、特にプーチン大統領ラブロフ外相ショイグ国防相ゲラシモフ参謀総長、国家安全保障会議のパトルシェフ書記メドベージェフ副議長の政権中枢の6人に対する資産凍結が、日本に対する強硬な反発の大きな理由であったということだ。
今までの日本の甘い対応から油断して、日本に多くの個人資産を置いていたため、それを凍結されたことへの個人的感情も加味されての反発の強さと考えることができる。

【参考】


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